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BATTERY

氏家、森脇、田中-喜多

■大会規定により10回からタイブレーク

戦評COMMENT

先発・氏家優悟のピッチングは、中盤まで完璧に近かった。

1回表は先頭打者にレフト前ヒットを浴びたが、一死後、一塁走者を牽制球で仕留めた。3番打者は鋭いスライダーで空振り三振。結局、三者凡退で切り抜けた。2回表は「攻めのピッチング」で結果的に死球、3回表は一塁への内野安打でそれぞれ出塁を許したが、得点を許さない。4回表からの中盤3イニングスは、一人の走者も出さない完璧なピッチングを見せた。

7回表も三者凡退。試合終盤になっても、氏家のピッチングが衰えることはなかった。だが、8回表。一死から味方野手の失策を皮切りに二死二、三塁とピンチを迎えると、氏家の指先にわずかな力みが加わった。4回裏に打線がノーヒットで手にした2点を守り抜いていた終盤だ。残すは、わずか2イニングス。完封勝利も現実味を帯びていたのは事実だ。「何としてでも抑えてやる」。氏家の中に燃えるものがあったのは想像に難くない。また、ピンチで迎えた打者は、それまで2安打を浴びていた一番打者。なおのこと、「抑えてやる」という気持ちが高まったと氏家は振り返る。

だが、気持ちの昂りと指先の力みが、わずかに制球を乱した。

「インコースの要求でしたが、中に甘く入ってしまいました……」

一番打者の打球がライト前へ飛ぶ。走者2人がホームを陥れて同点とされた。

痛恨の一球――。9回表まで投げ切った氏家にとって、この試合唯一の失投だった。

そのまま試合は延長戦へ。無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した10回表は、記録に残らない内野のミスで1点を献上。その裏、攻撃陣は無死一、二塁から、二塁走者の喜多亮太が微妙なタイミングながらに捕手からの牽制球にタッチアウト。1番宝楽健吾が一塁へ内野安打を放って一死一、二塁と再び得点圏に走者を進めたが、後続が連続三振に倒れて無得点に終わった。

タイブレークによる敗戦。

やはり悔やまれるのは、タイムリーなき攻撃だろうか。2回裏は、イニングの先頭となった5番砂川哲平がライト線二塁打で出塁。6番須田凌平が犠打を決め、さらに7番政野寛明が四球を選んで一死一、三塁と攻めた。だが、走者をホームに迎え入れる一打に欠き、無得点に終わった。その後もチャンスはあったが攻め切れず。同点で迎えた9回裏は、先頭の6番須田がセンター前ヒットで出塁し、サヨナラ勝利のチャンスを掴んだ。だが、攻撃の「仕掛け」がやや遅れただろうか。途中出場の7番江藤圭樹が初球を叩いてセンターフライ。一死から8番喜多の犠打で得点圏に走者を進めるも、9番草海光貴が三振に倒れて点を奪うことができなかった。

氏家の好投が光る中、打線の拙攻が目立ったリーグ戦初戦は、ダメージの大きな敗戦となってしまった。

(文・写真:佐々木亨)