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BATTERY

氏家、田中ー喜多

■大会規定により7回コールド

戦評COMMENT

2試合連続のコールドゲームだ。しかも、相手に点を与えない堅守も同様。強さだけが光った。

まずは、好走塁が得点を生んだ。1回表、2番の砂川哲平が見せた。一死から四球と盗塁でセカンドへ進むと、3番須田凌平の四球を挟んで4番根岸晃太郎がファーストへゴロを放つ。ファーストからセカンドベースへ、そして再びファーストへ送球されて併殺に終わっても不思議ではないシーンだった。だが、相手内野手のファースト送球を、ベースカバーに入ったピッチャーが落球。その気落ちする姿を見逃さずに、サードへ進塁していた砂川が一気にホームを駆け抜けて得点。一瞬の隙をついた好判断と脚力が先取点を生んだ。

その後も着実に得点を重ねる打線。3回表は一死から1番本間諒がセンターオーバーの二塁打を放った。グラウンド上空は強烈な風が吹いていた。ライト方向からレフト方向へ、さらにホームからセンター方向へ、飛球の行方を惑わすほどの強い風だ。本間の飛球は、その風を味方にしてセンター後方へグッと伸びた。二死後、3番須田の打球はサードへ。ヒット性の打球を処理した三塁手がファーストへ送球する。タイミング的にはセーフかアウトか、微妙だった。だが、結果的に一塁手がショートバウンドの送球を捕り損ねてセーフ。記録は内野安打となり、一塁手のグラブからボールがこぼれる間に、本間が二塁から一気にホームを陥れて2点目が入った。先取点と同様に、次の塁を積極的に狙う姿勢、攻撃的な姿勢が生んだ得点だったと言える。

3点目は4回表だ。今度は“大技”で点を加えた。二死後、7番澤良木喬之がライト線へ二塁打を放つと、8番宮川和人が左中間寄りのセンターオーバーの二塁打を放って1点を加える。長打2本、しかも二死からの得点は、相手に大きなダメージを与えた。

そして、極めつけは7回表だ。一死後、2番砂川の四球が猛攻の始まりだった。盗塁と3番須田のライト前ヒットで一、三塁と好機を掴むと、4番根岸がライト線へ軽打。野手の間にポトリと落ちる幸運なヒットとなり、砂川がホームを踏んで4点目が入った。なおも一、二塁で、5番赤堀大智がフルカウントからライト前へ運ぶ。今大会では前の打席までノーヒットだった5番打者の一打に三塁側ベンチが沸いた。二塁走者の須田が5点目のホームを踏んだ。

勢いは止まらない。一死一、三塁からは、6番北阪真規の2点タイムリーとなるライトフェンス直撃の二塁打だ。さらに、途中出場の7番江藤圭樹の死球を挟んで、8番の代打・政野寛明が一塁線を強烈に破る二塁打を放って走者2人をホームに迎え入れた。さらに、9番喜多亮太のショートへの内野安打、1番本間の四球で満塁とすると、2番砂川がレフト前へ運んで、もう1点を加えた。長短打7本と3四球の10者連続出塁。各打者の「つなぐ」意識が実を結んで、7回表を終えて大量10点を奪った。

投げては、先発の氏家優悟が5イニングスを無失点に抑える快投。1回裏、一死から死球を与えたが3番打者をセカンドゴロでの併殺に討ち取って流れを引き込んだ。

「調子自体はそれほどよくなかった。初回は、ストレートがうまく沈んでくれて注文通りの併殺を取ることができました。序盤は追い込んでから四隅(コース)を狙い過ぎてボール球が増えたので、中盤からはピッチングのテンポを上げる中で、ゾーンに投げるようにしてリズムを作りました」

打たれたヒットは、わずかに1本。2回裏に浴びたレフト前ヒットだが、その打球も決して会心のあたりではなかった。完璧に近いピッチングを5回裏まで見せた。

氏家が築いた流れを受けて6回裏からマウンドに上がった田中太一も、相手打線を牛耳った。150キロ前後のストレートを中心に、2イニングスで奪った三振は4個。無失点に抑えて完封リレーを成立させた。

初回の先取点から始まり、中押し、ダメ押し。特に、ビッグイニングとした7回表の集中打は、これからの戦いに向けて大きな希望を持てた。投手陣の安定感も加わった戦いには、上昇気流に乗ったチームの姿があった。

(文・写真:佐々木亨)