HOME 試合情報 試合結果 第二代表決定戦 準決勝 試合日程・結果 2018.05.24 [Thu] 12:50 第89回都市対抗野球大会 東京都二次予選第二代表決定戦 準決勝 vs 明治安田生命 府中市民球場 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 明治安田生命 明 0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 3 0 セガサミー セ 0 0 1 0 0 0 1 2 x 4 12 1 BATTERY 氏家、陶久、東、森脇-喜多 HOMERUN 本間(7回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 逆転サヨナラ勝利を収めた前日の勢いは、本物だった。 先制したのは3回裏だ。9番喜多亮太が初球をライト線へ運んで無死二塁。犠打とセカンドゴロで三塁へ進んだ喜多を、3番須田凌平のバットがホームへ迎え入れる。チーム5本目のヒットとなるライトオーバーのタイムリーヒットだった。 4回表、先発の氏家優悟が3イニング連続となる先頭打者への四球を与えると、2番手の陶久亮太がマウンドに立つ中、内野の失策とバッテリーミスで二死二、三塁とされる。そのピンチで、1番打者に右中間スタンドへの逆転3ラン本塁打を浴びて一気に主導権を奪い返された。だが、ビハインドとなった展開にも、打線には前日同様の動じない強さがあった。 終盤になると、その勢いが確かな結果として表れる。7回裏、二死から打席に立ったのは1番本間諒だ。初球からフルスイングを見せた本間は、カウント1ボール2ストライクからの4球目、やや外寄りの甘いストレートを強振した。終盤を迎えて「1点差と2点差では状況は明らかに違う」と考えていた左の強打者は「一発(ホームラン)を狙っていた」。打球は左中間寄りのレフトスタンドへ。追撃の一発となり、チームに「いける」雰囲気が広がった。 「本間のホームランが大きかった」 初芝清監督もそう認める一撃は、8回裏に訪れる、この試合でのハイライトの呼び水となった。1点を追いかける中、一死からセンター前ヒットを放ったのは今予選初の4番に座った澤良木喬之だ。前日の9回裏、サヨナラシーンの起点となったのも同じく澤良木である。「何かが起きる」。そう予感させる一打を皮切りに、5番赤堀大智の四球と相手ピッチャーの暴投で二死二、三塁となった。そのチャンスで打席に立ったのは7番宮川和人。 「甘い球だけを打とうと思っていました。ボール球が続いてからストレートで攻められた。最後はチェンジアップを狙っていた。ゾーンだけを上げて、思い切り振り抜きました」 フルカウントからの6球目は、やや真ん中寄り。狙い通りのチェンジアップだ。打球が勝利の風に乗ってライト前へ運ばれる。代走の江藤圭樹に続き、二塁走者の赤堀がホームを陥れた。逆転だ。三塁側ベンチには、選手たちの歓喜と安堵が広がった。 1点リードの9回表は、前日も好投を見せた森脇亮介がマウンドに上がった。5回表から登板して、1安打無失点と相手打線を完璧に封じた新人の東範幸の後を受け、8回表の途中から登板していた右腕は、この試合でも安定していた。先頭打者の打球がライト後方へ上がる。一瞬、左胸が絞めつけられる思いになった。だが、9回表からライトの守備についていた政野寛明が、フェンス手前で好捕。胸の鼓動がゆっくりと静まった。その後は森脇のペースだ。四球で出塁を許すも、3番打者をセカンドゴロでの併殺に討ち取る。結局は三者凡退に抑えた右腕のもとへ捕手の喜多亮太が歩み寄り、シーソーゲームは幕を閉じた。 初戦敗退からの3連勝。代表決定戦進出を決めたチームの勢いは止まらない。 「一気に決める」 選手たちの思いは一つだ。狙うは第2代表での東京ドームへの切符。今予選も、いよいよクライマックスを迎える。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
逆転サヨナラ勝利を収めた前日の勢いは、本物だった。
先制したのは3回裏だ。9番喜多亮太が初球をライト線へ運んで無死二塁。犠打とセカンドゴロで三塁へ進んだ喜多を、3番須田凌平のバットがホームへ迎え入れる。チーム5本目のヒットとなるライトオーバーのタイムリーヒットだった。
4回表、先発の氏家優悟が3イニング連続となる先頭打者への四球を与えると、2番手の陶久亮太がマウンドに立つ中、内野の失策とバッテリーミスで二死二、三塁とされる。そのピンチで、1番打者に右中間スタンドへの逆転3ラン本塁打を浴びて一気に主導権を奪い返された。だが、ビハインドとなった展開にも、打線には前日同様の動じない強さがあった。
終盤になると、その勢いが確かな結果として表れる。7回裏、二死から打席に立ったのは1番本間諒だ。初球からフルスイングを見せた本間は、カウント1ボール2ストライクからの4球目、やや外寄りの甘いストレートを強振した。終盤を迎えて「1点差と2点差では状況は明らかに違う」と考えていた左の強打者は「一発(ホームラン)を狙っていた」。打球は左中間寄りのレフトスタンドへ。追撃の一発となり、チームに「いける」雰囲気が広がった。
「本間のホームランが大きかった」
初芝清監督もそう認める一撃は、8回裏に訪れる、この試合でのハイライトの呼び水となった。1点を追いかける中、一死からセンター前ヒットを放ったのは今予選初の4番に座った澤良木喬之だ。前日の9回裏、サヨナラシーンの起点となったのも同じく澤良木である。「何かが起きる」。そう予感させる一打を皮切りに、5番赤堀大智の四球と相手ピッチャーの暴投で二死二、三塁となった。そのチャンスで打席に立ったのは7番宮川和人。
「甘い球だけを打とうと思っていました。ボール球が続いてからストレートで攻められた。最後はチェンジアップを狙っていた。ゾーンだけを上げて、思い切り振り抜きました」
フルカウントからの6球目は、やや真ん中寄り。狙い通りのチェンジアップだ。打球が勝利の風に乗ってライト前へ運ばれる。代走の江藤圭樹に続き、二塁走者の赤堀がホームを陥れた。逆転だ。三塁側ベンチには、選手たちの歓喜と安堵が広がった。
1点リードの9回表は、前日も好投を見せた森脇亮介がマウンドに上がった。5回表から登板して、1安打無失点と相手打線を完璧に封じた新人の東範幸の後を受け、8回表の途中から登板していた右腕は、この試合でも安定していた。先頭打者の打球がライト後方へ上がる。一瞬、左胸が絞めつけられる思いになった。だが、9回表からライトの守備についていた政野寛明が、フェンス手前で好捕。胸の鼓動がゆっくりと静まった。その後は森脇のペースだ。四球で出塁を許すも、3番打者をセカンドゴロでの併殺に討ち取る。結局は三者凡退に抑えた右腕のもとへ捕手の喜多亮太が歩み寄り、シーソーゲームは幕を閉じた。
初戦敗退からの3連勝。代表決定戦進出を決めたチームの勢いは止まらない。
「一気に決める」
選手たちの思いは一つだ。狙うは第2代表での東京ドームへの切符。今予選も、いよいよクライマックスを迎える。
(文・写真:佐々木亨)