• TEAM T
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  • 8
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  • 東芝
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  • 3
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  • セガサミー
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BATTERY

森脇、田中、陶久‐喜多

戦評COMMENT

初回の森脇亮介が投じた球数は、わずか6球だ。ショートゴロに仕留めた先頭打者、サードゴロに討ち取った2番打者は、ともに1球ずつ。3番打者は、優位なカウントのなかで4球目を打たせてライトフライ。完璧な内容のなかに、省エネ投法が際立った。

「全体的に球数が少なかったのがよかった」

そう振り返る森脇は、決め球の精度も高かった。多くの打者に対して優位なカウントで勝負できたことが何よりも精度を高めた要因だったのだが、打者を追い込んでからのストレートやフォークボールが冴えた。

2回表は、先頭打者の空振り三振を皮切りに2つの奪三振。ヒット2本と四球で二死満塁とされた4回表も、最後は8番打者を空振り三振に。5回表からの3イニングスは1つずつの三振を積み重ねた。

球数が少なかったこともあり、終盤になっても「余力はあった」。7イニングスを投げて3安打無失点。そのまま投げ続ければ、十分に完封も狙えた状況で、森脇は田中太一へマウンドを譲った。

一方の打線は、沈黙の一途をたどる。一死から5番赤堀大智に右中間を破る二塁打が飛び出した2回裏、イニングの先頭として3番北阪真規がセンター前ヒットで出塁した4回表だけが、最終回を迎えるまでに訪れたチャンス。三者凡退が6イニングスあった事実が、この試合での打線の状態を表していた。

両チーム無得点で膠着状態が続くなか、試合が動いたのは9回表だった。2番手の田中が、野手の失策を皮切りに得点圏に走者を進められると、下位打線に連打を浴びて2失点。さらに9番打者に犠飛を放たれて3点目を失った。

反撃に転じたい打線は9回裏、代打・政野寛明のライト前ヒットと代打・須田凌平の四球で一、二塁のチャンスを迎えると、二死から5番本間諒のセンター前ヒットで1点を返した。点差は2点だ。なおも一、二塁とチャンスは続く。長打が出れば、一気に同点になり得る可能性も十分に残されていた。だが、最後は6番根岸晃太郎がライトフライに倒れて万事休す。

8回裏まで投手戦が続いた試合は、最終回の攻防によって終わった。

初芝清監督は言う。

「試合前に選手たちには『一球に集中』という話をしていました。今日、スタメンで出場した選手たちには、その姿がなかなか見られなかった。もちろん、意識はあったと思うし、やっていたとは思いますが、もっとそういう姿を一打席目から見せてほしかった」

森脇の好投の裏で、打線に覇気がなかったことを指揮官は悔やみ、、球場をあとにした。

(文・写真:佐々木亨)