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BATTERY

井上、横田、石垣、陶久-吉田

戦評COMMENT

フレッシュな顔ぶれだ。1番には20歳の草海光貴が座り、8番には同じく20歳の木村天響。6番には2年目の宝楽健吾、9番で出場したのは19歳の北川智也。そして、ルーキーの市根井隆成、吉田高彰、西村僚太がそれぞれ名を連ねる。予選リーグ2試合目までになかったスターティングメンバ―には、新鮮味が溢れていた。

若い力が躍動する――。それは、シーズン幕開けとなる東京スポニチ大会の恒例の光景でもある。実際に、前日のJFE西日本戦では2年目の先発・森井弦斗が好投し、攻撃では市根井の2打席連続本塁打、吉田の貴重な適時打が見られた。だからこそ、この試合でも……。

だが、現実は甘くなかった。序盤はノーヒットに抑えられ、三者凡退を繰り返した。毎イニングで三振を奪われるなど、若い力は静まり返った。チーム初ヒットは4回表。市根井のバットから生まれたライト前ヒットである。しかし、得点圏に走者を進めることができずに、若い力の1本も得点に結びつけることができなかった。

一方のマウンドでは、先発左腕の井上和紀が奮闘していた。1回裏にライト前ヒットと盗塁、四球も加わって一死一、二塁とピンチを迎えるも、後続を絶って無失点。2回裏からは、伸びのあるストレートと制球力が高まった変化球で、東邦ガス打線を封じた。

「今シーズンから覚えたフォークボールがよかった」

そう振り返る井上は、4回1安打無失点で役目を果たした。2番手の横田哲も、安定した内容で5回裏を無失点。3番手の石垣永悟も、6回裏は140キロ台中盤のストレートを軸に三者凡退に抑える好投。投手陣は継投で無失点を続けた。

中盤までは互いにスコアレス。試合が動いたのは7回裏だ。好投していた石垣が、先頭打者に四球を与え、一死後、6番打者にレフトポール際へ2ラン本塁打を浴びた。甘く入ったストレートをとらえられた石垣は「完全に失投だった……」。悔いの残る一球だった。

とは言え、点差は2点だ。十分に逆転のチャンスはある。8回裏に登板した陶久亮太が無失点に抑え、攻撃陣は9回表を迎えた。

9番北川がセカンドへの内野安打。犠打で得点圏に進み、2番砂川哲平がライト前ヒットを放って一死一、三塁とした6回裏が、それまでの最大の得点機。訪れた絶好のチャンスも生かせなかった打線にしてみれば、「無得点で終わるわけにはいかない」。9回表を迎えて、その思いはなお強くなったはずだ。先頭の2番砂川がセンター前ヒット。3番市根井がレフト線へ二塁打。無死二、三塁とした攻撃には、彼らの意地を見た。一死後、5番吉田のライト前適時打で1点差。若い力が躍動する光景に、三塁側ベンチの追撃ムードは高まった。なおも、一死一、三塁。同点のチャンス、さらに逆転への道筋は十分に残されていた。だが、最後は6番宝楽の併殺打。追い上げも空しく、1点差で敗れた。

これで予選リーグは1勝2敗。今大会の決勝トーナメント進出は果たせなかった。初戦のコールド負けを含めて、課題は見つかった。一方で、要所で躍動した若い力には大きな希望が詰まっていた。反省と収穫。すべてを財産にして、チームは3月23日から始まる東京都企業春季大会に挑む。

(文・写真:佐々木亨)