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BATTERY

井上、氏家、陶久-吉田

戦評COMMENT

4月とは思えない冷たい空気の中で、先発の井上和紀が我慢のピッチングを見せた。

始まりは先頭打者の空振り三振だ。2球で早々に左打者を追い込むと、ファールを挟んでスライダーで仕留める。ボール球はない。状態の良さがうかがえた。初ヒットと盗塁で得点圏に走者を進められるも、4番打者はキレのあるスライダーで空振り三振に。1回表を無失点に抑えて三塁側ベンチに引き上げる井上の姿には、どことなく自信が満ちていた。

2回表は一死から6番打者に三塁打を浴びた。センターオーバーのフェンス直撃打だ。動揺しても不思議ではないその場面でも、井上は落ち着いていた。後続をレフトフライ。そして、セカンドゴロに討ち取って点を与えない。二死から2つの四球と盗塁などで一、三塁とされた3回表も、決定打を許さなかった。序盤を何とか凌いだ井上が、一気にピッチングのギアを上げたのが中盤だ。4回表一死からイニングを跨いで4者連続三振。ストレートの伸び、スライダーやカーブのキレともに申し分ない。相手打線を完璧に抑えた。先発の役割を十分に担った井上は6回途中までマウンドを守り抜いた。被安打3の無失点である。左腕がピッチングを振り返る。

「昨年までは制球力を気にしたり、『打たれたらどうしよう』と考え過ぎるところがありましたが、今年は良い意味で余裕を持って投げられています。今日はカーブなどの変化球を効果的に使えた。連戦になるので、他の投手の負担を減らそうと思って投げた。少しはチームに貢献できたと思います」

井上の粘投に応えたい打線は、4回裏に先制点を奪った。イニングの先頭となった3番市根井隆成がセカンド内野安打で出塁すると、4番根岸晃太郎が犠打を決めて走者二塁。二死となったが、6番政野寛明が外野へしぶとくはじき返して待望の1点がスコアボードに刻まれた。先制打を放った政野は言う。

「たとえあの一打が外野手のエラーだったとしても、得点に変わりはない。気持ちで打った一本でした」

政野の一打は右中間へ飛んだ。センターがダイビングキャッチを試みる中で、ボールがグラブからこぼれた。ヒットか、エラーか。判断の難しい打球だったが、記録はヒット(二塁打)。政野の思いが勝った。6回裏には、2番宝楽健吾のセンター前ヒット、4番根岸のレフト前ヒットなどで一死一、三塁と好機を掴むと、5番北阪真規のレフトへの犠飛で1点。7回裏は、代走の草海光貴の好走塁で1点を加えて、ジワジワと点差を広げた。

マウンドでは、6回途中から登板した氏家優悟が8回表まで無安打ピッチングだ。9回表に登板した陶久亮太がソロ本塁打で1点を失うも、最後は併殺で試合を締めた。

白星スタート。勢いそのままに、チームはリーグ戦2試合目に向かっていく。

(文・写真:佐々木亨)