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BATTERY

森井、伊波-吉田

戦評COMMENT

成長した姿が、そこにはあった。

1回裏、先頭打者に対してカウント2ボール2ストライクから2球続けてファウルで粘られた。それでも、決してムキにならない。冷静な配球と精度の高いコントロールでサードゴロに仕留めた。2番打者に対しては、初球だ。打者の打ち気を逸らす100キロ台のスローカーブを投じてセンターフライに討ち取った。

先発の森井絃斗が初回に見せた“大人のピッチング”に、夏以降の成長を感じた。

持ち前の150キロに迫るストレートは森井の真骨頂と言える。今シーズンの前半戦は、その最大の武器を狙い撃ちされ、思うような結果を残せなかった。だが、ピッチングにおける緩急の重要性を再認識した森井は、ピッチングの奥行き、幅の広がりを、より追求するようになった。

「意識して、練習してきたものは実戦で出来つつある」

初回もそうであったように、6回裏まで守り続けたマウンドを通して、森井は一定の手ごたえを掴むのだ。

その一方で、課題を突きつけられたイニングもあった。

2つの四球で一死一、二塁とピンチを迎えた2回裏は、下位打線に連続タイムリーを浴びて2点を失った。2回表に味方打線が1点を先制した直後の失点である。一気に勝ち越しを許してしまったことを、森井は悔やむのだ。

「点を取ってもらった直後の失点は大きな反省点です」

さらに、同じ熱量で悔いるのは6回裏。二死二塁から、左打席に立つ6番打者にセンター前ヒットを浴びて重い追加点を奪われた場面だ。カウント1ストライクからの2球目、捕手・吉田高彰の要求は、インコースのストレートだった。打者の懐をえぐるほどに、より厳しいコースに投じたかった一球。だが、思いとは裏腹に「真ん中に入ってしまった……」。

森井は悔しさを滲ませる。

結局は、試合中盤に失ったその1点が、勝敗の分岐点となってしまった。それでも、7回裏からの2イニングスを無失点に抑えた伊波友和を含め、投手陣はそれぞれに及第点のマウンドだったと言える。

その若い力を援護できなかった打線が、寂しすぎた。

5番須田凌平にライト前ヒット、7番宮川和人にセンター前ヒットが生まれた2回表は、押し出しの四球で1点を先制したところまではよかったが、なおも続く一死満塁を得点につなげることができなかった拙攻は、のちに大きく響いた。7回表は、6番北阪真規が四球、7番宮川が内野の失策で出塁して無死一、二塁としながらも無得点。9回表も、無死から6番北阪が内野安打、7番宮川がセンター前ヒットで続くも後続が倒れて無得点に終わる。

タイムリーなき打線。

その静けさが、結果に直結した。