HOME 試合情報 試合結果 1回戦 試合日程・結果 2020.03.26 [Thu] 9:00 2020年度JABA東京都企業春季大会1回戦 vs 東京ガス JR東日本柏グランド 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 1 0 1 4 0 0 6 8 0 東京ガス 東 0 0 0 0 0 1 0 1 0 2 9 4 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 前半に積み重ねた5つの「0」が、先発マウンドを担った森井絃斗の成長の証だ。1回裏は、先頭打者の四球を皮切りに一死満塁とされた。そのピンチでは、東京ガスの5番地引雄貴選手をピッチャーゴロに仕留めて併殺。先制点を許さなかった。三者凡退に抑えた2回裏を経て、3回裏には2つの四球もありながら再び満塁とされる。そのピンチで相対したのは、またもや地引選手。1ボール2ストライクから、最後は変化球で空振り三振に仕留めた。4回裏も長短打2本で一死二、三塁。5回裏も四球と盗塁、そして暴投で走者三塁とピンチを迎えた。それでも、点を与えない。 「昨年まではピンチを迎えたり、2ストライクと追い込んでから力んでいた。でも、今年は新たなフォークボールも加わって投球の幅が広がった」 もともと120キロ台後半から130キロ台前半のフォークボールは投げていた。加えて、今年は140キロ台の球速を持ち、落差の大きい“高速”のフォークボールを身につけた。投球の幅が広がり「ピッチングが楽になった」という森井は、マウンドでの余裕も手に入れた。たとえピンチを迎えても動じない。その成長が、前半のピッチングからよく伝わった。森井は、昨年の東京都企業春季大会1回戦でも先発を託された。だが、被安打4の自責点3。2回途中で無念の降板となった。マウンドから降り、ベンチ裏に姿を消した森井は、人知れず涙を浮かべたものだった。悔しさに包まれたマウンドから約1年後。森井は確かな成長と進化を見せたのだ。 右腕が見せた粘りとゲームメイキングが、打線の奮起につながった。4回表は、二死から4番根岸晃太郎がライト前ヒットと盗塁で得点圏に進む。四球で一、二塁。広がったチャンスで、レフト前へ先制打を放ったのは6番宮川和人だ。6回表に二死から四球と相手外野手のタイムリーエラーで1点を加えると、7回表には大量得点。二死一塁からルーキーの3番平田巧がライト前ヒットを放ってチャンスを広げると、4番根岸のセンター前ヒットで二塁走者の吉田高彰がホームへ還って3点目。なおも一、二塁と続くチャンスで、5番澤良木喬之はフルカウントから強振。打った瞬間に「それ」とわかる3ランホームランだ。ライトフェンスを悠々と越える特大弾を澤良木はこう振り返る。 「打った球は、浮いたフォークボール。その前にストレートをカットできていたので、フォークボールが来るだろうと予測できていた。前の打席(強烈なセンターライナーを放った6回表の3打席目)でもアウトにはなりましたが、感触の良い打球を放っていたので、スイング自体は変えずにいった。結果が出てよかったです」 ビックイニングはチームに自信と勇気を与え、相手チームの戦意を削いだ。8回裏に1点を失い点差を詰められるも勝負あり。2020年シーズンのオープニングゲームは、投打がかみ合った快勝となった。初陣を飾った西田真二監督は言う。 「森井が序盤のピンチをしのいでよく投げてゲームを作ってくれました。澤良木の3ランも大きかった」 そして、指揮官はこう言葉を加えるのだ。 「今は(新型コロナウィルスの感染拡大で)野球をしている場合ではないのかもしれない。だからこそ、こうして野球に専念させてもらっていることに感謝しないといけない」 その言葉通り、今後の公式戦は予断を許さない状況だ。新型コロナウィルスの影響で首都圏に外出自粛要請が出される中、東京都企業春季大会は3月27日限りで打ち切りとなった。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
前半に積み重ねた5つの「0」が、先発マウンドを担った森井絃斗の成長の証だ。1回裏は、先頭打者の四球を皮切りに一死満塁とされた。そのピンチでは、東京ガスの5番地引雄貴選手をピッチャーゴロに仕留めて併殺。先制点を許さなかった。三者凡退に抑えた2回裏を経て、3回裏には2つの四球もありながら再び満塁とされる。そのピンチで相対したのは、またもや地引選手。1ボール2ストライクから、最後は変化球で空振り三振に仕留めた。4回裏も長短打2本で一死二、三塁。5回裏も四球と盗塁、そして暴投で走者三塁とピンチを迎えた。それでも、点を与えない。
「昨年まではピンチを迎えたり、2ストライクと追い込んでから力んでいた。でも、今年は新たなフォークボールも加わって投球の幅が広がった」
もともと120キロ台後半から130キロ台前半のフォークボールは投げていた。加えて、今年は140キロ台の球速を持ち、落差の大きい“高速”のフォークボールを身につけた。投球の幅が広がり「ピッチングが楽になった」という森井は、マウンドでの余裕も手に入れた。たとえピンチを迎えても動じない。その成長が、前半のピッチングからよく伝わった。森井は、昨年の東京都企業春季大会1回戦でも先発を託された。だが、被安打4の自責点3。2回途中で無念の降板となった。マウンドから降り、ベンチ裏に姿を消した森井は、人知れず涙を浮かべたものだった。悔しさに包まれたマウンドから約1年後。森井は確かな成長と進化を見せたのだ。
右腕が見せた粘りとゲームメイキングが、打線の奮起につながった。4回表は、二死から4番根岸晃太郎がライト前ヒットと盗塁で得点圏に進む。四球で一、二塁。広がったチャンスで、レフト前へ先制打を放ったのは6番宮川和人だ。6回表に二死から四球と相手外野手のタイムリーエラーで1点を加えると、7回表には大量得点。二死一塁からルーキーの3番平田巧がライト前ヒットを放ってチャンスを広げると、4番根岸のセンター前ヒットで二塁走者の吉田高彰がホームへ還って3点目。なおも一、二塁と続くチャンスで、5番澤良木喬之はフルカウントから強振。打った瞬間に「それ」とわかる3ランホームランだ。ライトフェンスを悠々と越える特大弾を澤良木はこう振り返る。
「打った球は、浮いたフォークボール。その前にストレートをカットできていたので、フォークボールが来るだろうと予測できていた。前の打席(強烈なセンターライナーを放った6回表の3打席目)でもアウトにはなりましたが、感触の良い打球を放っていたので、スイング自体は変えずにいった。結果が出てよかったです」
ビックイニングはチームに自信と勇気を与え、相手チームの戦意を削いだ。8回裏に1点を失い点差を詰められるも勝負あり。2020年シーズンのオープニングゲームは、投打がかみ合った快勝となった。初陣を飾った西田真二監督は言う。
「森井が序盤のピンチをしのいでよく投げてゲームを作ってくれました。澤良木の3ランも大きかった」
そして、指揮官はこう言葉を加えるのだ。
「今は(新型コロナウィルスの感染拡大で)野球をしている場合ではないのかもしれない。だからこそ、こうして野球に専念させてもらっていることに感謝しないといけない」
その言葉通り、今後の公式戦は予断を許さない状況だ。新型コロナウィルスの影響で首都圏に外出自粛要請が出される中、東京都企業春季大会は3月27日限りで打ち切りとなった。
(文・写真:佐々木亨)