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  • 鷺宮製作所
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BATTERY

草海、横田、田中、井上、陶久-須田

HOMERUN

本間(5回)

戦評COMMENT

相手先発投手の制球が乱れる中、押し出し四死球で2点を挙げたのは1回表。立ち上がりに主導権を握ったのは大きなアドバンテージだ。ただ、欲を言えば、打力で「奪った」得点が欲しい。その理想的な攻撃を見せたのが5回表だった。

豪快な一発が球場の雰囲気を変えた。イニングの先頭打者となった2番本間諒は、3ボール1ストライクからの5球目を強振した。「真っすぐ(ストレート)1本に絞っていた」。アウトコースへの142キロのストレートをとらえた打球が、レフト後方へ伸びる。勢いを失うことなく、ポール際に吸い込まれた。

「ボールがよく見えていました。外の球を逆らわずに自分の形で打てた」

本間がそう振り返るソロアーチは、今予選通算3本目となる本塁打。もっと言えば、入社6年目の本間にとって、都市対抗東京都二次予選での通算9本目となるアーチだった。昨年の予選でも3本塁打を放った本間は「今年は4本狙います」と意気込む。

その会心の一打は、相手投手へのプレッシャーとなり、再び制球が乱れるきっかけとなった。3番北阪真規が四球を選び、4番根岸晃太郎は死球で出塁。さらに5番澤良木喬之が、甘く入った124キロの変化球をライト前へ運んで無死満塁とビックチャンスが訪れる。相手投手が代わっても勢いは変わらない。一死後、7番政野寛明が押し出しの四球を選んで1点を追加。なおも満塁で、8番須田凌平が二塁手の横を痛烈に抜ける走者一掃の二塁打を放ち、この回一挙に5点を奪った。攻めて、打って「奪った」得点は、相手チームの戦意を喪失させた。

マウンドでは、先発の草海光貴が相手打線を呑み込む好投を続けた。序盤はパーフェクト。

ノーヒットピッチングでチームに勢いをもたらした。

「ノーヒットは意識せずに、テンポよく自分のペースで投げられた」

140キロ前後の伸びのあるストレートと、カットボールやツーシームといった変化球が切れ渡った。初ヒットを浴びた4回裏も、後続を難なく討ち取って無失点に抑えた。

大量7点の援護をもらって迎えた5回裏だけは、わずかに制球が甘かったか。一死から2者連続で二塁打を浴びて1点を失うと、8番打者に対しては、この試合初めての四球を与える。ピンチが広がり嫌な流れが漂う中、三塁手の砂川哲平がタイムを取る。守備で使用していたサングラスをベンチに戻す動きの中で、草海を落ち着かせ、相手チームの攻撃を一度リセットする効果があったと言える絶妙な“間”が生まれた。砂川の“ファインプレー”もあり、後続はショートゴロ。1番打者にはタイムリーヒットを浴びるが、2番打者を空振り三振に仕留め、わずか2失点で食い止めた。結局、5回2失点でマウンドを譲った草海は、先発の役割を十分に担ったと言えるだろう。

6回以降は、継投による零封リレーだ。6回裏は、横田哲が併殺もありながら三者凡退で無失点。7回裏は、田中太一が先頭打者に二塁打を浴びるも、後続を討ち取って無失点。8回裏は、井上和紀が2つの見逃し三振を奪う中で無失点。そして9回裏は、チームの守護神である陶久亮太がマウンドに上がり、最後は9番打者を空振り三振に仕留めて試合を締めた。

第2代表決定トーナメントにまわってからのチームの勢いと力強さは、試合を重ねるごとに増している。次戦はついに代表決定戦。10月6日に行われる第2代表決定戦で、チームの真価と実力が問われる。

 

文:佐々木 亨

写真:政川 慎治