• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 5
  • 0
  • NTT東日本 N
  • 1
  • 2
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • ×
  • 3
  • 7
  • 0

BATTERY

森井、田中、井上、石垣、横田-吉田、須田

戦評COMMENT

試合後の森井絃斗は悔しさを押し殺し、ただ一点を見つめて静かにたたずんでいた。かける言葉がみつからない。見つめる先は、自らのマウンドの姿。チームを勝利に導くピッチングができなかったことを悔いるほかなかった。

先発マウンドに登った森井は1回裏、ボール球が先行する中で先頭打者に四球を与えた。犠打と盗塁で一死三塁。3番打者を空振り三振に仕留めて二死までこぎつけたが、4番打者に死球で出塁を許し、ピッチングのリズムをつかむことができなかった。そのピンチで、5番打者には1ボール2ストライクからの4球目、インコースへの147キロのストレートをライト前へ運ばれ、1点を先制された。

2回裏を迎えても森井の制球が定まることはなかった。イニングの先頭となった7番打者にセンター前ヒットを浴びると、犠打で二塁、さらに自らの暴投で三塁まで進塁された。一死一、三塁から再び自らの暴投で1点を追加され、2番打者に死球を与えた直後、3番打者には三遊間を抜けるレフト前ヒットを浴びて3点目を奪われた。復調の兆しを見い出せないままに、森井は2回途中で降板となった。4四死球に2つの暴投も絡んで3失点。森井自身に納得できるものは何一つなかったはずだ。その思いが、試合後の姿に映し出されていた。

反撃に転じたい打線は3回表、一死から8番吉田高彰がチーム初安打となるライトオーバーの二塁打で出塁。続く9番植田匡哉が三塁線を強烈に抜けるタイムリーヒットを放ち、1点を挙げた。ただ、この試合での攻撃陣はNTT東日本の先発左腕・沼田優雅投手を完全に攻略することはできなかった。伸びのあるストレートに、チェンジアップとカットボールを交えたピッチングの前に4回以降はチャンスらしいチャンスを築くことができなかった。2番本間諒から始まった4回表は3者連続三振に仕留められるなど反撃の芽を摘まれる。7回表からは、NTT東日本の13年目右腕・大竹飛鳥投手の前にヒットはわずかに2本。7回表に6番砂川哲平が放ったセンター前ヒット、9回表に3番北阪真規が放ったライト前ヒットのみに抑えられて苦しんだ。西田真二監督は言うのだ。

「攻撃陣は、あと一本が出なかった」

ただ、敗戦の中で次戦への希望も見えた。森井の後を受けてマウンドに上がった投手陣が、再三ピンチを迎えても点を奪われなかったのは一つの収穫。2回途中から登板した田中太一は、5回途中まで投げて3四死球とやや制球を乱す場面もあったが要所を締めて無失点。5回途中からマウンドに上がった井上和紀も2死球と決して本調子とは言えなかったが点を奪われることはなかった。7回裏の1イニングを無失点に抑えたのは、140キロ台後半のストレートを軸に無失点に抑えた石垣永悟。8回裏の1イニングを三者凡退に抑えたのは、経験豊富な横田哲だ。それぞれに役割を果たしたピッチングは、次戦に向けて明るい材料と言えるだろう。守備でも4回裏、一死二塁からレフト後方への大飛球を半身で好捕して併殺を決めた左翼手・本間のプレーは大きな価値があった。指揮官は言う。

「今日の戦いを次に生かすことが大事。切り替えていくしかない」

すでに気持ちを新たに、第3代表決定戦を見つめていた。

 

文:佐々木 亨

写真:政川 慎治