• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
  • 2
  • 0
  • 2
  • 0
  • 1
  • 5
  • 4
  • 14
  • 17
  • 0
  • 四国銀行
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 4
  • 0

BATTERY

森井-吉田、高本
氏家-高本

HOMERUN

中川(6回満塁)
根岸(6回ソロ)

INFO

※7回コールド

戦評COMMENT

生まれ育った徳島県での凱旋登板である。入社以来初めてとなる地元のマウンドで、先発の森井絃斗が魅せた。

1回裏、左打席に立つ先頭打者は、140キロ台のストレートを3球続けた後に磨き続けてきたフォークボールで空振り三振に仕留めた。

「今日はフォークがよく決まった」

回想の言葉が示す通り、その後も凡打の山を築く。2回裏に二死から6番打者に初ヒットを許すも、森井の落ち着きは変わらない。

「うまく力を抜いて投げられた」

二死一塁から相対した7番打者は、2ボール2ストライクからのフォークボールで空振り三振。マウンドを支配し続けた。3回裏からの2イニングスは、ともに三者凡退だ。この試合での最速となる149キロをマークする中で、またしてもフォークボールを効果的に使って三振の数を増やす。中盤になってもピッチングが衰えなかった右腕は、6イニングスを投げ切った。

散発3安打の8奪三振である。無四球無失点と先発の役割を十分に果たした森井は言う。

「今日は向かい風が強くて変化球が曲がり過ぎた。序盤はピッチングをコントロールするのに苦労しましたが、途中からうまく風も利用しながら修正できた。その中で、カウントが不利になっても粘り強く投げられ、無四球だったのが一番。地元での登板で、成長した姿を見せることができてよかったです」

森井の快投に花を添えたのは攻撃陣だ。1回表は、2番北川智也、3番中川智裕、4番根岸晃太郎、そして5番本間諒の4者連続ヒットなどで2得点。立ち上がりから打線がつながり、先発右腕を援護した。3回表は、四球を皮切りとした二死一塁からの得点劇。5番本間がライト前ヒットを放って一、三塁と好機を広げると、6番澤良木喬之が右翼手の頭上を越える二塁打を放って追加点を挙げた。5回表は、二塁内野安打で出塁した4番根岸が二盗、三盗を決める中で、7番北阪真規のレフトへの犠飛で得点。5点リードで前半を折り返した。

後半を迎えても勢いは止まらない。6回表には、3四球で満塁のビッグチャンスをもらうと、3番中川のバットが火を噴く。1ボールからの2球目。スライダーを完璧にとらえた打球は、アグリあなんスタジアムの空気を切り裂いて青空に溶けた。左中間席の後方に突き刺さる特大の満塁ホームランだ。今シーズンの中川にとっては、3月3日の早稲田大とのオープン戦に続く2本目のグランドスラム。衝撃の一発を放った右の強打者は言う。

「前の打席(4回表の第3打席)ではチャンスで力んでしまって凡退していた。しっかりと修正できました」

中川の豪快弾に続き、さらにビッグアーチを放ったのは4番根岸だ。「(打った感触は)つまっていたので、風のおかげですね」と主砲は謙遜するのだが、バッグスクリーンへ飛び込むソロホームランは、四国銀行の戦意を完全に喪失させる価値ある一発だった。

10点リードも攻撃の手を緩めない打線は、7回表も得点を重ねる。イニングの先頭となった途中出場の8番高本康平がライト前ヒット。相手投手の暴投で得点圏に走者が進むと、2番北川が右中間を深々と破る適時三塁打を放って11点目。さらに3番中川、4番根岸、そして代打の5番政野寛明の3者連続タイムリーで加点した。攻め続けた打線は結局、計17安打で14得点。最後は7回裏を氏家優悟が無失点に抑えてコールドゲームが成立した。

森井の好投がありながらの零封。打線も好調を維持している今、投打の力強さだけが際立つ。リーグ戦3連勝で勢いづくチームは、決勝トーナメントで真の実力を証明するつもりだ。

 

文・写真:佐々木 亨