• TEAM T
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  • セガサミー
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  • 西部ガス 西
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  • 7
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BATTERY

森井、舘-吉田
舘、横山-高本
横山、陶久-須田

HOMERUN

根岸(7回ソロ)

戦評COMMENT

序盤の攻防が勝敗を分けた。

1回表は、二死から3番中川智裕がセンター前ヒット、4番澤良木喬之が四球を選んで走者一、二塁と攻め立てる。しかし、5番大谷拓海が初球を叩いてファーストゴロ。先制のチャンスを逃した。2回表は、一死からライト前ヒットで出塁した7番本間諒が牽制でタッチアウト。二死から8番吉田高彰がセンター前ヒットを放つも、9番市根井隆成がセカンドゴロ。拙攻で、またしても無得点に終わった。攻撃陣が攻め切れない状況で、先発の森井絃斗が先取点を奪われたのは2回裏だ。5番打者にセカンドへの内野安打を浴びると、犠打と内野ゴロで走者を三塁へ進められる。8番打者には、2ボール2ストライクから高めに浮いた変化球をライト前へ運ばれて1点を失った。

そして、この試合の明暗を色濃く表したのが3回の攻防だ。一死から2番北川智也がセンター後方の外野フェンスに直撃する特大の三塁打を放ったのが3回表である。北九州市民球場は、両翼92メートル、中堅119メートルと球場の広さとしては狭いが、外野フェンスが5・2メートルと極端に高い。その壁に跳ね返された北川の一打も悔やまれるのだが、何よりも痛かったのは絶好の得点機で精彩を欠いた中軸の打撃だった。3番中川は1ボール2ストライクから見逃し三振。4番澤良木は四球で出塁するも、5番大谷がファーストゴロに倒れて得点を挙げることができなかった。

すると、直後の3回裏。投手陣が崩れ落ちるように失点を重ねた。1番打者にセーフティバント(記録は一塁内野安打)を決められると、2番打者にはレフト前ヒット。無死一、二塁とピンチを背負った森井は、3番打者を空振り三振に仕留めるが、4番打者に左越え二塁打を浴びて2点を追加された。なおも一死二塁とピンチが続く中で、森井からマウンドを譲り受けたルーキーの舘和弥が二塁打を含む3連打を浴びて、さらに失点を重ねた。1イニング5失点で6点差に。試合後「3回裏の失点が……」と西田真二監督が悔やんだように、序盤のビッグイニングはあまりにも大きなダメージとなった。

4回裏にも長打2本で1点を失い点差は7点に広がった。5回裏から登板した横山楓が2イニングスを三者凡退に抑えて西部ガス打線の勢いを止めたが、攻撃陣の援護がないままに終盤を迎えた。7回表も、途中出場の8番高本康平が空振り三振、9番市根井がセンターフライに討ち取られて二死。大会規定によるコールド負けがチラついた。その土俵際で意地を見せたのが、1番根岸晃太郎だ。フルカウントからの7球目をとらえた打球は、高くそびえ立つ外野フェンスを越えてライトスタンドに飛び込むソロ本塁打に。第3打席まで3三振に倒れていた根岸にとっては、汚名返上の会心の一打だった。

「それまではスライダー、カットボール、そしてストレートと、アウトコースの球にうまく対応できなかった。あの打席(ホームランの打席)だけは、アウトコースのストレートにしっかりと反応できた」

しかし、攻撃における見せ場はその一瞬だけ。ソロアーチの直後に2番北川がライトフェンス直撃の二塁打を放つも、後続が倒れて7回表は1点止まり。8回表、さらに9回表は、走者を出すものの併殺が続いて得点を挙げることができなかった。計10安打を放つも、わずかに1得点。最後まで拙攻が響き、コールド負けを阻止するのが精一杯だった。

 

文・写真:佐々木 亨