HOME 試合情報 試合結果 代表決定戦 試合日程・結果 2021.06.03 [Thu] 12:40 第46回社会人野球日本選手権大会関東代表決定戦代表決定戦 vs 明治安田生命 大田スタジアム 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 R H E 明治安田生命 明 4 0 0 1 0 0 1 0 6 7 4 セガサミー セ 0 4 0 0 0 2 6 1× 13 13 0 BATTERY 草海、横山-須田 HOMERUN 中川(6回2ラン) INFO ※8回コールド 日本選手権本大会、5大会ぶり5回目の出場決定!! 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 重く、険しい道のりに、希望の光を照らしたのは2回裏だ。 先発の草海光貴が3四球3安打で4点を失ったのは初回。立ち上がりに重苦しい空気が流れたのは事実だ。だが、2回裏に6番植田匡哉の死球、7番政野寛明のレフト前ヒット、さらに8番須田凌平のライト前ヒットで無死満塁と攻め立てると、大田スタジアムの空気が変わった。9番市根井隆成の一塁ゴロの間に1点を返し、さらに1番根岸晃太郎の死球で再び満塁の好機を掴むと、2番北川智也がフルカウントからの9球目をライト前へ運んで走者2人がホームを陥れて3点目。「追い込まれていましたが、何とか食らいついていこうという気持ちだった」とは北川。なおも二、三塁と好機が続く中で、3番中川智裕の内野ゴロの間に1点が加わり一気に試合は振り出しに戻った。つなぎの一打を放った政野が回想する。 「初回に失点し、逆にこの試合は『動く』展開だなと割り切れた。序盤でしたし、1点1点という気持ちがありました。ベンチの雰囲気も悪くなかった。その中で2回裏に一気に同点まで持っていけたのは大きかった」 4回表に併殺の間に1点を奪われて再び追う展開になっても、三塁側ベンチの勢いが失われることはなかった。その空気がさらに濃度を高めたのが6回裏だ。1番根岸がセンター前ヒット。2番北川の犠打で一死二塁。その好機で、3番中川が大きな仕事をやってのけた。 初球だった。真ん中のストレートをとらえた中川の打球が、レフト方向へ高々と舞う。中川自身が打った瞬間にこぶしを握り締めて確信したように、完璧なアタリ。レフト後方のネットに突き刺さる特大の逆転2ラン本塁打だ。 「前の打席(4回裏一死満塁で巡ってきた打席)で、ストレートに対して力んでしまった(結果はサードフライ)。6回裏は、前の打席で討ち取られた球と同じコースのストレート。しっかりと修正できました」 試合後の西田真二監督が「中川の一発が効いた」と振り返ったように、試合の流れを一変する得点シーンだった。7回表に2番手で登板していた横山楓が1点を失ってまたもや同点となったが、攻撃の勢いはさらに増すばかりだった。 7回裏、相手投手の四球と2つの失策で労せずして勝ち越すと、一死三塁から1番根岸がセンター前へタイムリーヒット。さらに、代打・高本康平が2点タイムリーとなる右中間二塁打、5番北阪真規にもライト前へのタイムリーヒットが飛び出し、7回裏だけで一挙6点を奪って点差を大きく広げた。そして、9番市根井と1番根岸の連打で一死一、二塁と攻めた8回裏、2番北川のセンターの頭上を悠々と越えていくタイムリー二塁打で13点目が刻まれると勝負あり。8回コールドで試合は決した。 5大会ぶり5度目の日本選手権本大会出場を決めたチーム。6月29日に開幕する同大会へ向けて、西田監督は言うのだ。 「本大会では関東の代表として一戦必勝で戦います」 昨年は新型コロナウイルスの影響で同大会は中止。つまり、チームにとっては6年ぶりの大舞台だ。目指すはもちろん、ダイヤモンド旗(優勝旗)。準優勝した2014年を上回る躍進を誓う。 文・写真:佐々木 亨 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
重く、険しい道のりに、希望の光を照らしたのは2回裏だ。
先発の草海光貴が3四球3安打で4点を失ったのは初回。立ち上がりに重苦しい空気が流れたのは事実だ。だが、2回裏に6番植田匡哉の死球、7番政野寛明のレフト前ヒット、さらに8番須田凌平のライト前ヒットで無死満塁と攻め立てると、大田スタジアムの空気が変わった。9番市根井隆成の一塁ゴロの間に1点を返し、さらに1番根岸晃太郎の死球で再び満塁の好機を掴むと、2番北川智也がフルカウントからの9球目をライト前へ運んで走者2人がホームを陥れて3点目。「追い込まれていましたが、何とか食らいついていこうという気持ちだった」とは北川。なおも二、三塁と好機が続く中で、3番中川智裕の内野ゴロの間に1点が加わり一気に試合は振り出しに戻った。つなぎの一打を放った政野が回想する。
「初回に失点し、逆にこの試合は『動く』展開だなと割り切れた。序盤でしたし、1点1点という気持ちがありました。ベンチの雰囲気も悪くなかった。その中で2回裏に一気に同点まで持っていけたのは大きかった」
4回表に併殺の間に1点を奪われて再び追う展開になっても、三塁側ベンチの勢いが失われることはなかった。その空気がさらに濃度を高めたのが6回裏だ。1番根岸がセンター前ヒット。2番北川の犠打で一死二塁。その好機で、3番中川が大きな仕事をやってのけた。
初球だった。真ん中のストレートをとらえた中川の打球が、レフト方向へ高々と舞う。中川自身が打った瞬間にこぶしを握り締めて確信したように、完璧なアタリ。レフト後方のネットに突き刺さる特大の逆転2ラン本塁打だ。
「前の打席(4回裏一死満塁で巡ってきた打席)で、ストレートに対して力んでしまった(結果はサードフライ)。6回裏は、前の打席で討ち取られた球と同じコースのストレート。しっかりと修正できました」
試合後の西田真二監督が「中川の一発が効いた」と振り返ったように、試合の流れを一変する得点シーンだった。7回表に2番手で登板していた横山楓が1点を失ってまたもや同点となったが、攻撃の勢いはさらに増すばかりだった。
7回裏、相手投手の四球と2つの失策で労せずして勝ち越すと、一死三塁から1番根岸がセンター前へタイムリーヒット。さらに、代打・高本康平が2点タイムリーとなる右中間二塁打、5番北阪真規にもライト前へのタイムリーヒットが飛び出し、7回裏だけで一挙6点を奪って点差を大きく広げた。そして、9番市根井と1番根岸の連打で一死一、二塁と攻めた8回裏、2番北川のセンターの頭上を悠々と越えていくタイムリー二塁打で13点目が刻まれると勝負あり。8回コールドで試合は決した。
5大会ぶり5度目の日本選手権本大会出場を決めたチーム。6月29日に開幕する同大会へ向けて、西田監督は言うのだ。
「本大会では関東の代表として一戦必勝で戦います」
昨年は新型コロナウイルスの影響で同大会は中止。つまり、チームにとっては6年ぶりの大舞台だ。目指すはもちろん、ダイヤモンド旗(優勝旗)。準優勝した2014年を上回る躍進を誓う。
文・写真:佐々木 亨