HOME 試合情報 試合結果 準々決勝 試合日程・結果 2021.12.06 [Mon] 14:00 第92回都市対抗野球大会準々決勝 vs JR東日本東北 東京ドーム 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E JR東日本東北 J 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2 4 1 セガサミー セ 0 0 6 0 1 0 0 0 × 7 4 2 BATTERY 横田、横山、陶久、石垣 - 須田 HOMERUN 中川(3回満塁) 根岸(5回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 勢いが止まらない――2回戦まで計18得点の打線が攻撃に転じたのは、先発の横田哲が1点を失った直後の3回裏だ。 一死から1番植田匡哉が四球で出塁。JR東日本東北のベテラン左腕・西村祐太投手の暴投で二塁へ進む。2番砂川哲平もファウルで粘りながら四球を選んで一死一、二塁。さらに3番土谷恵介(鷺宮製作所からの補強選手)が三塁手の失策で出塁して満塁となった。すると、「もらった」チャンスで4番根岸晃太郎は押し出し死球、さらに5番市根井隆成がレフトへ犠牲フライだ。ノーヒットで逆転した。そして、6番森龍馬(明治安田生命からの補強選手)がレフト前ヒットで続き、二死満塁となった場面で7番中川智裕が打席に立つ。 「今は思い切ってバットが振れている」 力強くそう語る右の強打者は、初球からフルスイング。2ボール2ストライクと追い込まれても「相手投手は変化球が多い。チェンジアップを狙っていた」と言うように、迷いなくバットを振った。狙い通りの軌道となった外寄りのチェンジアップだ。球種を読み切った中川の打球は、センター後方へ高々と舞った。やや左中間寄りのスタンドに白球が飛び込んだのは、その直後だ。右手の拳を突き上げてダイヤモンドを回る中川がホームへ還ると、スコアボードの3回裏に大きな「6」が刻まれた。西田真二監督は言うのだ。 「久しぶりの良いホームラン。中川の満塁ホームランは大きかった」 今大会においてチーム初となるホームランが、勝利の風をグッと手繰り寄せたのは間違いない。 横田からマウンドを譲り受けた横山楓が4回表にソロアーチを浴びて4点差になった後の5回裏には、4番根岸の一発が貴重な追加点をもたらした。フルカウントとなった根岸は「相手は四球を与えたくないはず」と考え、ストレートに照準を絞っていた。やや高めに浮いてきたストレートを鋭いスイングがとらえる。ライナー性の打球は、勢いを失うことなくレフトスタンドに突き刺さった。 大量得点をバックに、5回表から相手打線をノーヒットに抑えた投手陣も光る。7回途中まで投げた横山は5三振を奪う力投。7回途中から登板して打者二人を完璧に抑えた氏家優悟の存在も大きい。8回表からは、抜群の安定感を誇る陶久亮太。そして、9回表二死からマウンドに上がったのは石垣永悟だ。絶対的な抑えのエースに成長した右腕は、力強いストレートで押して最後は147キロの渾身のボールで空振り三振を奪った。 昨年に続く4強進出だ。投打の力強さは増すばかりである。主砲として打線をけん引する根岸は言う。 「スタンドの応援が力になっています。わざわざ足を運んでくれて本当に嬉しい。そのおかげで打てているというのは絶対にあると思う」 ただ、慢心する様子はない。根岸の言葉は、チームの総意だろう。 「一喜一憂せずにやっていく」 準決勝に向けて、準備は整っている。 文:佐々木 亨 写真:政川 慎治 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
勢いが止まらない――2回戦まで計18得点の打線が攻撃に転じたのは、先発の横田哲が1点を失った直後の3回裏だ。
一死から1番植田匡哉が四球で出塁。JR東日本東北のベテラン左腕・西村祐太投手の暴投で二塁へ進む。2番砂川哲平もファウルで粘りながら四球を選んで一死一、二塁。さらに3番土谷恵介(鷺宮製作所からの補強選手)が三塁手の失策で出塁して満塁となった。すると、「もらった」チャンスで4番根岸晃太郎は押し出し死球、さらに5番市根井隆成がレフトへ犠牲フライだ。ノーヒットで逆転した。そして、6番森龍馬(明治安田生命からの補強選手)がレフト前ヒットで続き、二死満塁となった場面で7番中川智裕が打席に立つ。
「今は思い切ってバットが振れている」
力強くそう語る右の強打者は、初球からフルスイング。2ボール2ストライクと追い込まれても「相手投手は変化球が多い。チェンジアップを狙っていた」と言うように、迷いなくバットを振った。狙い通りの軌道となった外寄りのチェンジアップだ。球種を読み切った中川の打球は、センター後方へ高々と舞った。やや左中間寄りのスタンドに白球が飛び込んだのは、その直後だ。右手の拳を突き上げてダイヤモンドを回る中川がホームへ還ると、スコアボードの3回裏に大きな「6」が刻まれた。西田真二監督は言うのだ。
「久しぶりの良いホームラン。中川の満塁ホームランは大きかった」
今大会においてチーム初となるホームランが、勝利の風をグッと手繰り寄せたのは間違いない。
横田からマウンドを譲り受けた横山楓が4回表にソロアーチを浴びて4点差になった後の5回裏には、4番根岸の一発が貴重な追加点をもたらした。フルカウントとなった根岸は「相手は四球を与えたくないはず」と考え、ストレートに照準を絞っていた。やや高めに浮いてきたストレートを鋭いスイングがとらえる。ライナー性の打球は、勢いを失うことなくレフトスタンドに突き刺さった。
大量得点をバックに、5回表から相手打線をノーヒットに抑えた投手陣も光る。7回途中まで投げた横山は5三振を奪う力投。7回途中から登板して打者二人を完璧に抑えた氏家優悟の存在も大きい。8回表からは、抜群の安定感を誇る陶久亮太。そして、9回表二死からマウンドに上がったのは石垣永悟だ。絶対的な抑えのエースに成長した右腕は、力強いストレートで押して最後は147キロの渾身のボールで空振り三振を奪った。
昨年に続く4強進出だ。投打の力強さは増すばかりである。主砲として打線をけん引する根岸は言う。
「スタンドの応援が力になっています。わざわざ足を運んでくれて本当に嬉しい。そのおかげで打てているというのは絶対にあると思う」
ただ、慢心する様子はない。根岸の言葉は、チームの総意だろう。
「一喜一憂せずにやっていく」
準決勝に向けて、準備は整っている。
文:佐々木 亨
写真:政川 慎治