HOME 試合情報 試合結果 予選リーグ 試合日程・結果 2022.04.15 [Fri] 12:16 第64回JABA岡山大会予選リーグ vs パナソニック 倉敷市営球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 パナソニック パ 0 1 0 0 0 0 1 1 × 3 8 0 BATTERY 草海、氏家、森井-須田 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 1949年(昭和24年)に完成した歴史ある倉敷市営球場には、灰色の雲が垂れ込めていた。その上空に向かって、1番植田匡哉の鋭い打球が飛び出したのは1回表だ。右中間を深々と抜ける二塁打。無死二塁から2番北川智也がきっちりと犠打を決めて、一死三塁と絶好の先制機が訪れる。しかし、3番中川智裕がサードゴロを放ち、三本間で挟まれた植田がタッチアウト。一瞬にして、チャンスが遠退く。4番根岸晃太郎も内野ゴロに倒れ、結局は無得点で初回の攻撃を終えた。 ビッグチャンスを逃したダメージは、2回以降の攻撃に顕著に表れる。2回表からの4イニングスは、いずれも三者凡退。パナソニックの先発左腕である榎本亮投手の巧みな投球の前に凡打の山を築く。初回以来の出塁は6回表。イニングの先頭となった8番須田凌平が四球を選んだ場面だ。9番砂川哲平の犠打で一死二塁。しかし、そこでも後続が倒れて点を奪うことができなかった。 7回表、そして8回表も三者凡退。試合中盤から降り注ぐ小雨と相まって、三塁側ベンチの空気は冷え込み続けた。わずかに熱気を帯びたのは9回表。代打の9番黒川貴章が四球、1番植田がレフト前ヒットで続き、無死一、二塁と攻め立てた場面だ。しかし、最後に訪れたチャンスでも、後続がことごとく討ち取られて得点には至らない。 零封負け。チームとして放った2本のヒットは、ともに1番植田が記録したものだ。 「打てなかった……」 西田真二監督が力なくそう振り返ったように、打線は最後まで相手左腕を打ち崩すことができなかった。 援護がない中で、先発の草海光貴は我慢のピッチングを続けた。2回裏に3連打を浴びて先取点を奪われると、7回裏にはソロアーチを浴びる。追加点を与えたくない試合終盤だ。イニングの先頭となった4番打者に対し、“入り”は慎重にいったつもりだった。捕手の須田がインコースに構える。草海の投球も、要求されたコースのラインには乗った。しかし、右腕から放たれたツーシームは、わずかに高めへ浮いてしまった。レフトポール直撃弾を生んだ初球を、草海は悔いるのだ。 「もったいなかった……」 7回2失点は、先発投手として十分な働き。それでも、チームを勝利に導くことができず、自らが敗戦投手となった試合で、エースの表情が晴れることはなかった。 収穫と言えば、大量失点を防いだ投手陣の粘り強さ。そして、5回裏の二塁手の北川、左翼手の西村僚太(5回裏から出場)のファインプレーが象徴するように、堅守を貫いた守備力だったか。それらを自信に、2戦目以降は勝利を積み重ねていく。 リーグ戦突破を諦めるには、まだ早い。 文・写真:佐々木 亨 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
1949年(昭和24年)に完成した歴史ある倉敷市営球場には、灰色の雲が垂れ込めていた。その上空に向かって、1番植田匡哉の鋭い打球が飛び出したのは1回表だ。右中間を深々と抜ける二塁打。無死二塁から2番北川智也がきっちりと犠打を決めて、一死三塁と絶好の先制機が訪れる。しかし、3番中川智裕がサードゴロを放ち、三本間で挟まれた植田がタッチアウト。一瞬にして、チャンスが遠退く。4番根岸晃太郎も内野ゴロに倒れ、結局は無得点で初回の攻撃を終えた。
ビッグチャンスを逃したダメージは、2回以降の攻撃に顕著に表れる。2回表からの4イニングスは、いずれも三者凡退。パナソニックの先発左腕である榎本亮投手の巧みな投球の前に凡打の山を築く。初回以来の出塁は6回表。イニングの先頭となった8番須田凌平が四球を選んだ場面だ。9番砂川哲平の犠打で一死二塁。しかし、そこでも後続が倒れて点を奪うことができなかった。
7回表、そして8回表も三者凡退。試合中盤から降り注ぐ小雨と相まって、三塁側ベンチの空気は冷え込み続けた。わずかに熱気を帯びたのは9回表。代打の9番黒川貴章が四球、1番植田がレフト前ヒットで続き、無死一、二塁と攻め立てた場面だ。しかし、最後に訪れたチャンスでも、後続がことごとく討ち取られて得点には至らない。
零封負け。チームとして放った2本のヒットは、ともに1番植田が記録したものだ。
「打てなかった……」
西田真二監督が力なくそう振り返ったように、打線は最後まで相手左腕を打ち崩すことができなかった。
援護がない中で、先発の草海光貴は我慢のピッチングを続けた。2回裏に3連打を浴びて先取点を奪われると、7回裏にはソロアーチを浴びる。追加点を与えたくない試合終盤だ。イニングの先頭となった4番打者に対し、“入り”は慎重にいったつもりだった。捕手の須田がインコースに構える。草海の投球も、要求されたコースのラインには乗った。しかし、右腕から放たれたツーシームは、わずかに高めへ浮いてしまった。レフトポール直撃弾を生んだ初球を、草海は悔いるのだ。
「もったいなかった……」
7回2失点は、先発投手として十分な働き。それでも、チームを勝利に導くことができず、自らが敗戦投手となった試合で、エースの表情が晴れることはなかった。
収穫と言えば、大量失点を防いだ投手陣の粘り強さ。そして、5回裏の二塁手の北川、左翼手の西村僚太(5回裏から出場)のファインプレーが象徴するように、堅守を貫いた守備力だったか。それらを自信に、2戦目以降は勝利を積み重ねていく。
リーグ戦突破を諦めるには、まだ早い。
文・写真:佐々木 亨