HOME 試合情報 試合結果 決勝 試合日程・結果 2015.04.09 [Thu] 第44回JABA四国大会決勝 vs 新日鐵住金かずさマジック 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 R H E 新日鐵住金かずさマジック 新 1 1 0 0 0 1 1 3 7 0 0 セガサミー セ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 BATTERY 石垣、前原、陶久、山崎-佐藤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 準決勝終了から43分後。新日鉄住金かずさマジックとの決勝は15時8分に始まった。 四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀の上空に厚い雲が垂れ込める。先発・石垣永悟の立ち上がりも、空模様と同じように不安定だった。 1回表は先頭打者に四球を与え、2番打者の中前安打で一、三塁のピンチを迎えた。3番打者への初球はスクイズ失敗のファール。相手のミスに助けられた。だが続く2球目。またしてもスクイズを試みてきた相手ベンチの策を防ぎ切れずに、あっさりと1点を失った。その場面、石垣と捕手・佐藤貴穂のバッテリー間に「スクイズ警戒」の考えはあっただろうか。もちろん、2球続けてスクイズを試みた相手ベンチの策、またはスクイズをきっちりと決めた3番打者の技術と精神力がバッテリーの思考を上回った結果だったと言えるが、あまりにも簡単に1点を献上した印象はどうしても拭い去ることができなかった。 2回表は、遊撃手・坂本一将の失策が失点につながった。一死一塁。マウンドの石垣は、9番打者を141キロのストレートで空振り三振に仕留めたところまではよかった。だが、ボール先行の中で1番打者に四球を与え、走者を得点圏に進めて傷口を広げた。失策もそうだが、無駄な四球は失点につながる可能性は高い。案の定、二死一、二塁から2番打者に左前安打を浴びて、二塁走者のホームへの生還を許した。 一方の攻撃陣も、立ち上がりからバットが湿りがちだった。1回裏は、二死から3番江藤圭樹がチーム初安打となる中前安打を放って出塁。今大会は不振に喘いでいた主将の一打がチームの士気を高めたのは事実だ。だが、その流れに乗じることができずに後続が倒れて無得点に終わった。一死から9番宮之原裕樹の右前安打と相手投手の野選で一、二塁とチャンスを築いた3回裏は、2番谷澤恭平、3番江藤がいずれも討ち取られて反撃のきっかっけを失った。 後半もチャンスは作った。4回裏は5番佐藤と7番高島秀伍の左前安打で一、二塁、5回裏は1番坂本が四球を選んで出塁、6回裏は4番川端裕也の左前安打を起点に得点圏に走者を進めるなど、中盤3イニングスは毎回走者を出して得点の足がかりを築いた。 だが、いずれも「あと一本」が出ない。4回裏に6番澤良木喬之のライン際への強烈な打球を左翼手が好捕するなど、相手野手陣の堅守にチャンスの芽を摘まれたシーンがいくつかあったが、準決勝まであった攻撃の粘り、そして力強さは鳴りを潜めた。 攻撃陣の援護がない中、投手陣は6回表から再び失点を重ねた。4回表から登板して安定したピッチングを続けていた2番手の前原侑宜が6回表、さらに7回表と1点ずつ奪われると、8回表には3番手の陶久亮太、4番手の山崎福之が相手打線につかまり、計3失点。8回表を終わった時点で点差は7点に広がった。 迎えた8回裏。完封負け、そしてコールドゲームだけは何としてでも阻止したい。そう意気込んで向かったそのイニングも、攻撃陣のバットから快音が響くことはなかった。三者凡退。 結局、散発5安打に抑えられて無得点。8回コールドで敗戦を迎え、準優勝に終わった。 試合後のミーティングでは、初芝清監督が選手たちにこう語った。 「悔しい思いはあると思うが、こういうところを乗り越えていかないと本当の力は得られない。当たり前のことを当たり前にやる。最低限のことをきっちりとできるチームになっていかなければいけない。ワンプレーの重みを感じながら、これからやっていかなければいけない」 そして、主将の江藤はチームメイトを前にこう言った。 「この悔しさを今後の練習に生かして、九州大会に向かっていきましょう」 5試合中4試合に登板するなど、大会を通した活躍が評価されて敢闘賞を手にしたのは前原だった。成長著しいアンダースロー右腕が大会を総括する。 「大事なところを任せてもらう中で、慌てることなく投げることができました。気持ちに余裕があって、周りをしっかりと見ながら投げられたことが、良かった要因だと思います。決勝では、投球フォームのバランスが崩れて失点してしまいましたが、全体的には自分でも成長を感じることができた大会だったと思います」 最後は大敗を喫して悔しさが残る準優勝に終わった。だが一方で、前原の躍動、さらにリーグ戦での3試合連続2ケタ安打や延長戦を2試合制した粘り強さなど、チームとしての成長が見えた大会でもあった。 すべての要素をこれからのエネルギーに換え、4月の関東選抜リーグを経て、チームは5月7日から始まるJABA九州大会に向かっていく。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
準決勝終了から43分後。新日鉄住金かずさマジックとの決勝は15時8分に始まった。
四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀の上空に厚い雲が垂れ込める。先発・石垣永悟の立ち上がりも、空模様と同じように不安定だった。
1回表は先頭打者に四球を与え、2番打者の中前安打で一、三塁のピンチを迎えた。3番打者への初球はスクイズ失敗のファール。相手のミスに助けられた。だが続く2球目。またしてもスクイズを試みてきた相手ベンチの策を防ぎ切れずに、あっさりと1点を失った。その場面、石垣と捕手・佐藤貴穂のバッテリー間に「スクイズ警戒」の考えはあっただろうか。もちろん、2球続けてスクイズを試みた相手ベンチの策、またはスクイズをきっちりと決めた3番打者の技術と精神力がバッテリーの思考を上回った結果だったと言えるが、あまりにも簡単に1点を献上した印象はどうしても拭い去ることができなかった。
2回表は、遊撃手・坂本一将の失策が失点につながった。一死一塁。マウンドの石垣は、9番打者を141キロのストレートで空振り三振に仕留めたところまではよかった。だが、ボール先行の中で1番打者に四球を与え、走者を得点圏に進めて傷口を広げた。失策もそうだが、無駄な四球は失点につながる可能性は高い。案の定、二死一、二塁から2番打者に左前安打を浴びて、二塁走者のホームへの生還を許した。
一方の攻撃陣も、立ち上がりからバットが湿りがちだった。1回裏は、二死から3番江藤圭樹がチーム初安打となる中前安打を放って出塁。今大会は不振に喘いでいた主将の一打がチームの士気を高めたのは事実だ。だが、その流れに乗じることができずに後続が倒れて無得点に終わった。一死から9番宮之原裕樹の右前安打と相手投手の野選で一、二塁とチャンスを築いた3回裏は、2番谷澤恭平、3番江藤がいずれも討ち取られて反撃のきっかっけを失った。
後半もチャンスは作った。4回裏は5番佐藤と7番高島秀伍の左前安打で一、二塁、5回裏は1番坂本が四球を選んで出塁、6回裏は4番川端裕也の左前安打を起点に得点圏に走者を進めるなど、中盤3イニングスは毎回走者を出して得点の足がかりを築いた。
だが、いずれも「あと一本」が出ない。4回裏に6番澤良木喬之のライン際への強烈な打球を左翼手が好捕するなど、相手野手陣の堅守にチャンスの芽を摘まれたシーンがいくつかあったが、準決勝まであった攻撃の粘り、そして力強さは鳴りを潜めた。
攻撃陣の援護がない中、投手陣は6回表から再び失点を重ねた。4回表から登板して安定したピッチングを続けていた2番手の前原侑宜が6回表、さらに7回表と1点ずつ奪われると、8回表には3番手の陶久亮太、4番手の山崎福之が相手打線につかまり、計3失点。8回表を終わった時点で点差は7点に広がった。
迎えた8回裏。完封負け、そしてコールドゲームだけは何としてでも阻止したい。そう意気込んで向かったそのイニングも、攻撃陣のバットから快音が響くことはなかった。三者凡退。
結局、散発5安打に抑えられて無得点。8回コールドで敗戦を迎え、準優勝に終わった。
試合後のミーティングでは、初芝清監督が選手たちにこう語った。
「悔しい思いはあると思うが、こういうところを乗り越えていかないと本当の力は得られない。当たり前のことを当たり前にやる。最低限のことをきっちりとできるチームになっていかなければいけない。ワンプレーの重みを感じながら、これからやっていかなければいけない」
そして、主将の江藤はチームメイトを前にこう言った。
「この悔しさを今後の練習に生かして、九州大会に向かっていきましょう」
5試合中4試合に登板するなど、大会を通した活躍が評価されて敢闘賞を手にしたのは前原だった。成長著しいアンダースロー右腕が大会を総括する。
「大事なところを任せてもらう中で、慌てることなく投げることができました。気持ちに余裕があって、周りをしっかりと見ながら投げられたことが、良かった要因だと思います。決勝では、投球フォームのバランスが崩れて失点してしまいましたが、全体的には自分でも成長を感じることができた大会だったと思います」
最後は大敗を喫して悔しさが残る準優勝に終わった。だが一方で、前原の躍動、さらにリーグ戦での3試合連続2ケタ安打や延長戦を2試合制した粘り強さなど、チームとしての成長が見えた大会でもあった。
すべての要素をこれからのエネルギーに換え、4月の関東選抜リーグを経て、チームは5月7日から始まるJABA九州大会に向かっていく。
(文・写真:佐々木亨)