• TEAM T
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  • R
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  • 日本通運
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  • セガサミー
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BATTERY

東、田中、井上、陶久-喜多


■大会規定により7回コールドゲーム

戦評COMMENT

リーグ戦の勝ち越しをかけた一戦で、先発マウンドを託されたのは新人左腕の東範幸だった。「ストレートは良かった」と本人が振り返るように、1回表は伸びのあるストレートを中心とした配球で無失点に抑えた。

だが、そのピッチングに不安要素がなかったわけではない。フルカウントから四球で出塁を許した先頭打者へのピッチングにもよく表れていたが、制球に苦しんだのは事実だ。特に変化球に苦しんだ東は、こう振り返る。

「変化球はストライクゾーンに投げているだけの感覚でした。コースにきっちりと投げ分けられなかった」

変化球の精度を欠く中で、2回表には一死からのレフト前ヒットを足掛かりに1点を奪われた。苦しいマウンドは続き、3回表には先頭打者への四球をきっかけに、2番打者のレフトオーバーのタイムリー二塁打、5番打者のセンターオーバーのタイムリー二塁打で2点を追加される。なおも二死二塁とピンチが続くと、野手の失策で1点、さらに7番打者に右中間へ運ばれてさらに追加点を献上。3回表だけで4失点。東にとっての公式戦初マウンドはほろ苦いものとなった。

攻撃陣が攻め手に欠く中、序盤を終わって5点のビハインドだ。4回裏には2番砂川哲平が相手野手の失策で出塁、3番北阪真規が左中間への二塁打でチャンスを広げ、4番根岸晃太郎のショートゴロの間に1点。5回裏には6番須田凌平のレフト前ヒットを起点に、7番江藤圭樹のレフト線への二塁打、9番喜多亮太の技ありのセンター前ヒットで1点と、小刻みに得点を重ねたが、大きな反撃にはいたらなかった。

悔やまれるのは、5回裏だろう。3点差にしてなおも一死一、三塁とチャンスが続く中で、反撃ムードを加速させる追撃の一打が生まれなかったのは大きな痛手となった。仮に、さらに得点を重ねて2点差、もしくは1点差で後半戦に向かうことができれば、ゲーム展開は違ったものになっていたかもしれない。

流れを引き寄せられないままに迎えた6回表には、2番手で登板して好投を続けていた田中太一が先頭打者の二塁打をきっかけに追加点を許した。さらに、3番手の井上和紀と4番手の陶久亮太がマウンドに立った7回表には、2つの四球、長短打2本、ピッチャーの暴投や内野の失策も絡んで一挙3点を奪われた。

7回裏は先頭の7番須田がライト前ヒットで出塁するも、後続が併殺に倒れてチャンスは一瞬にして消えた。二死から8番宮川和人が意地のセンター前ヒットを放ち、9番喜多が四球を選んで追いすがるも、反撃はそこまで。7点差による7回コールドゲームが成立し、リーグ戦の勝ち越しを逃すとともに、決勝トーナメント進出を果たすことができなかった。

大敗後の選手ミーティングでは、現状のチーム力を認識し、次なる戦いへ向けた話し合いが続いた。打撃においては、まずは個々の技術不足を反省した上で「状況に応じたバッティング」の精度を高めることを確認した。投手陣からは「守備からのリズム」の大切さが語られた。この試合での各投手は、イニングの先頭打者に対して3ボールになるピッチングが5回表まで続いた。その中で、先頭打者の出塁を許したのは7イニング中5イニングと、苦しい守備の時間が続いた。「守備から攻撃のリズムを作る」ことができなかったことも、敗因の一つだったとも言える。

投打に課題が多く見られた東京スポニチ大会の最終戦。今は現実を受け止め、1週間後に行なわれる東京都企業春季大会に向けてチーム力を上げていくしかない。

(文・写真:佐々木亨)