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BATTERY

東、氏家-喜多

■大会規定により16回からタイブレーク

戦評COMMENT

先攻のスコアボードに「0」が並ぶ。3番北阪真規がチーム初安打となるショートへの内野安打を放った1回表を含め、9回表まで5イニングスで走者を出したが、いずれもが二死からの出塁。攻め手に欠く中、得点を挙げることができなかった。

一方、後攻のスコアボードにも「0」が並ぶ。その原動力となったのが先発の東範幸だった。得点圏に走者を進められながら、2三振を奪って無失点で切り抜けた1回裏を皮切りに安定したピッチングが続いた。イニングの先頭打者に左中間への二塁打を浴びた4回裏も、後続を討ち取って得点を許さない。終盤3イニングスは2つの四球を与えたが、ヒットを1本も許さずにマウンドに立ち続けた。

9イニングスを投げ切り、与えたヒットは2本のみだ。抜群の制球力と、打者の手元で伸びるストレートのキレが光り、無失点に抑えた。東は言う。

「全体的にストレートがよかった。終盤は少しだけバテてしまって球が浮く場面もありましたが、自信につながるピッチングができたと思います」

オープン戦も含め、自身にとって社会人での最長イニングを投げた左腕は、充実した表情を浮かべた。

東が築いた流れをそのまま引き継ぎ、延長戦に突入してから好投を見せたのが同じく左腕の氏家優悟だった。毎イニングで三振を奪って無失点ピッチングを続ける中、2つの四球を与えて走者二、三塁とピンチを迎えた14回裏も、最後は気迫のストレートで空振り三振に仕留めて点を与えなかった。

両チームともにスコアレスが続く。試合は無死一、二塁から始まるタイブレークに突入し、スコアボードに待望の得点が刻まれたのが延長16回表だった。それまで3安打を放っていた1番砂川哲平が手堅く犠打を決めて、一死二、三塁。その好機で、2番宝楽健吾がセンターへはじき返し、途中出場の三塁走者・政野寛明がホームを踏んで「1点」が刻まれた。

ただ、互いに粘り強い戦いを見せていたそれまでの展開が物語るように、最後まで息の抜けない状況が続いた。1点リードの16回裏は、無死一、二塁から三塁線への絶妙な犠打が内野安打となり満塁。シングルヒットでも一気にサヨナラ負けという厳しい展開を強いられた。

同点は覚悟。状況を考えれば、失点する確率は限りなく高かったと言える。

しかし、マウンドの氏家は冷静だった。冷静の中にも、内なる気迫を持ち続けていたと言ったほうが正しいだろうか。4番打者から三振に奪うと、続く5番打者はフルカウントから三振に仕留めた。そして6番打者を、カウント1ボール2ストライクからのチェンジアップで空振り三振に。無死満塁からの3者連続三振で、4時間16分の大熱戦に終止符を打った。

初芝清監督は言う。

「先発の東は、本人にとって最長イニングとなる9回をしっかりと投げ切ってくれましたし、氏家は、先発、抑えと、どこでも投げられるところを証明してくれた。それぞれに今日のピッチングを自信につなげてほしい」

タフな試合を粘り強く戦い抜き、勝利を手にした選手たちを称えた。

(文・写真:佐々木亨)