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BATTERY

森井、横田、陶久、久保田、石垣、井上-吉田

HOMERUN

本間(4回、6回)、中川(6回)、根岸(9回)、澤良木(9回)

戦評COMMENT

理想的な試合運びに、三塁側ベンチに並ぶ顔はどれも輝いていた。

4回表、2番本間諒のバットが輝きの火付け役だ。2ボールからの3球目、JR東日本の好左腕が投じた139キロのボールを本間が豪快に振り抜く。打球が高々と舞い上がる。打った瞬間に「それ」とわかるライトへのソロホームランだ。序盤まで本間のレフト前ヒット1本に抑えられてチャンスらしいチャンスがなかっただけに、チームに勇気を与える一発だった。本間は言う。

「いい形で1打席目で(ヒットを)打てたので、その流れのまま打てました」

6回表は、とびっきりの花火が2発も上がった。一死から打席に立ったのは、2打席目まで2三振だった1番中川智裕だ。

「2打席目まではストレートに差し込まれるなどタイミングが合っていませんでしたが、3打席目は切り替えて打席に立ちました」

少し緊張気味だった体の硬さが和らいだ。投球に対して自然と反応する、自らのスイングができた。1ストライクの2球目、114キロのカーブをとらえた打球は、中川にとって逆方向、つまりは右中間最深部のスタンドに飛び込んだ。貴重な追加点がスコアボードに刻まれる。そして、再び本間である。気落ちする相手投手の初球をとらえた打球が、ライトスタンドへライナー気味に突き刺さる。2者連続ホームラン、本間にとっては2打席連続でもあるアーチが飛び出し、三塁側ベンチのボルテージは一気に高まった。

打線の援護を受けながら、強打・JR東日本打線を封じたのは先発の森井絃斗だ。

「初回、2回裏と力みがあって、ストレートの精度もあまりよくなかった」

森井が言う通り、1回裏は先頭打者に対して9球を要する苦しいピッチング。結果的に内野安打を浴びて出塁を許した。2番打者をファーストへの併殺打に討ち取り二死とするが、3番打者にはセンター前ヒット、続く4番打者には死球を与えて再び走者を背負うピッチングとなった。2回裏も一死から四死球を連発して得点圏に走者を置く。それでも、2回裏のピンチも併殺で切り抜けるなど、この試合での森井は、走者を出してからのピッチングに粘りがあり、相手に点を与えなかった。

「3回以降はバランスよく投げられた。今日はカットボールがよかった」

4回表は一死一塁から併殺打に討ち取って無失点。6回表は一死一、二塁からの併殺打で、これまた無失点で切り抜ける。落ち着いたマウンドさばき。そして、「チームに勝利を呼び込むピッチングがしたい」という心意気を感じるマウンド上の姿に、森井の成長を見た。西田真二監督は言う。

「本間のソロでゲームが動き、森井が6回まで無失点。また、相手チームの拙攻というか、併殺が非常に多かったですし、7回までは完全にウチの流れだった」

そう、7回までは……。

勝利まで残すは2イニングとなった8回裏。まさに、『魔のイニング』が待っていた。7回途中から登板していた陶久亮太が代打の先頭打者にレフト前ヒットを浴び、さらに1番打者に四球を与えたところでゲームの空気が変わったような気がした。2番打者にレフト前へタイムリーヒットを浴びて2点差。3番打者には右中間を破る2点タイムリーとなる二塁打を浴び、ついに試合は振り出しに戻った。なおもピンチは続き、代わった久保田淳希が押し出し死球もありながら失点を重ね、さらに5番手で登板した石垣永悟も流れを変えることができずに失点し、結局は1イニングで8失点。同点、勝ち越し、さらに加点と、目を疑うようなビッグイニングを作られて試合の空気は一変した。

5点を追う9回表、先頭の4番根岸晃太郎がレフトスタンドへソロアーチを放った。5番澤良木喬之がライトスタンドへのソロアーチで続き、2者連続弾で3点差まで詰め寄った。だが、反撃もそこまで。チームとして5本塁打を放ち、守っては5併殺を決めながら、勝ち切れなかった現実が横たわった。好投した先発の森井は言う。

「チームが勝たないと意味がない。自分が、あと1イニングでも長く投げられる状態であれば、後ろの投手陣の負担は変わっていたはず。悔しいです……」

ホームランを放った各選手たちも、森井と同じく「勝たないと意味がない」と語るのだ。その悔しい思いをエネルギーに換えて――。

チームは、9月25日の第2代表ゾーン1回戦、次なる戦いからの逆襲を誓う。

 

文:佐々木 亨

写真:政川 慎治