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BATTERY

横田、横山、石垣-須田

INFO

※大会規定により10回から1死満塁、選択打順

戦評COMMENT

先発の横田哲にとって、京セラドーム大阪のマウンドは2015年の日本選手権2回戦以来、実に6年ぶりだった。相性の良いマウンドだ。14年の同大会ではチームを準優勝に導いた左腕。かつての記憶を再び呼び起こすかのように、円熟期を迎えた横田はマウンドで躍動した。

1回裏は三者凡退。2回裏は、イニングの先頭となったHondaの4番・佐藤竜彦選手を3球三振に仕留め、続く5番打者に二塁打を浴びるも、後続をきっちりと抑えた。3回裏は、持ち前の“技”が冴える。一死から9番打者にセーフティバントで出塁を許すも、真骨頂とも言える一塁への牽制球で2つ目のアウトを奪う。1番打者は、最後に138キロのキレのあるストレートを投じて空振り三振だ。そして、4回裏は簡単に三者凡退である。計45球を投じて、打たれたヒットはわずかに2本。相手に点を与えることなく、先発マウンドを全うした。

横田の好投を引き継いだのは、今シーズンは抜群の安定感を誇る横山楓だ。5回裏は、イニングの先頭となった5番打者を最後は152キロのストレートで空振り三振に。続く6番打者も力感溢れるストレートで押して空振り三振に仕留めるなど、完璧なピッチングを見せた。三者凡退で切り抜けた6回裏を経て、7回裏には自己最速を更新する153キロを記録。唸るストレートはイニングを追うごとに勢いを増し、Honda打線を封じ込めた。9回裏までマウンドを守った右腕は結局、5イニングスを投げて被安打2。横田と同じく、点を奪われることはなかった。横山が自身のピッチングを振り返る。

「真っすぐで空振りを取れたのがよかった。チームの役に立てたことがよかったですし、点を取られなかったこと自体は、自分でも評価できるところだと思います」

横田と横山の継投で9イニングスを無失点である。本来であれば勝ちパターンのはずだったが、この試合での攻撃陣は「あと一本」に泣き、投手陣を援護できずに苦しんだ。1回表は、一死から2番北川智也が右翼線への二塁打で出塁。4番澤良木喬之の死球で走者一、二塁と攻め立てた。だが、5番北阪真規が空振り三振に倒れて先制のチャンスが潰えた。3回表は、イニングの先頭となった9番市根井隆成がセンター前ヒットで出塁。一死後、2番北川が一、二塁間を抜けるヒットを放ち、チャンスは一、三塁と拡大した。だが、ここでも3番中川智裕が空振り三振、4番澤良木が快音を残すもライトフライに討ち取られて点を奪えない。4回表と5回表は、ともに死球で先頭打者が出塁した。それでも、打線がつながらない。得点圏に走者を進めるも、決定打を欠いてスコアボードに「ゼロ」を並べた。8回表には3番中川が、9回表には途中出場の6番政野寛明がそれぞれセンター前ヒットを放つも、やはり得点シーンは生まれない。9回表を終わって無得点。重い空気が流れる中で、試合は延長戦へ突入した。

10回表からは一死満塁から始まるタイ・ブレーク。4番澤良木が、そして5番北阪が2者連続で空振り三振に倒れて無得点に終わった時点で、勝利の風は遠のいた。直後の10回裏、マウンドには3番手の石垣永悟が登った。一度は二塁手・北川の好守でピンチを脱したが、最後はHondaの4番佐藤選手にライト前へ運ばれて万事休す。2時間32分の息詰まる試合は、サヨナラ負けという悔しさだけが残る幕切れとなった。

西田真二監督は準決勝進出を逃した悔しさを噛みしめ、3試合を戦った今大会をこう振り返る。

「良いチームになってきたのは確か。あとは、いかに勝ち切れるか。(攻撃陣の)あと一本が出るか。そこだけだと思う」

初戦と2回戦でともに本塁打をマークして勝利に貢献。ただ、準々決勝では無安打に終わった澤良木はこう語るのだ。

「勝負所での1点……。攻撃において、食らいついていく姿勢をもっと出しながら、秋に向けてやっていくしかない」

昨年の都市対抗準決勝でも苦汁を飲まされた相手に再び延長戦の末に敗れた現実。「勝ち切る」強さがほしい。今大会の経験を糧に、チームはさらなる高みを目指していく。

 

文:佐々木  亨

写真:政川  慎治