経営意思決定の迅速化及び多様化する顧客ニーズに応えるサービスの提供を図り“感動”や“体験”を提供すること、また、拡大するネットワークゲームコンテンツ市場における事業収益の最大化を目指すことが、(株)セガネットワークス設立の目的です。
国内外の家庭用ゲームソフト市場を取り巻く環境は劇的に変化しています。とりわけSNS(Social Network Service)、スマートフォン向けゲームコンテンツ市場は、日々、めまぐるしく変化を遂げています。市場の成長を掴んでいくためには、変化の先を見通す洞察と迅速な意思決定、そして戦略施策の速やかな実行が欠かせません。(株)セガのネットワーク事業の主要機能を会社分割して設立された当社は、権限体制を改めた上で、意思決定フローを簡素化したことで、競合に伍する十分な経営のスピードを確保し得る体制となりました。
(株)セガが長年培ってきたブランド力、研鑽を積み重ねてきた開発力をいかんなく発揮し、市場でのプレゼンスを高めつつ、(株)セガの収益力の改善と成長軌道への回帰を支えていきたいと考えています。
ネットワークゲーム業界は、ここ数年で飛躍的に成長を果たしてきました。例えば、ネットワークゲーム市場は、2011年度には、国内で約2,400億円、全世界で約2兆500億円の市場規模*にまで急激な成長を遂げており、2012年度にはさらなる拡大を遂げるだろうと予想されています。数多くの企業によるスピード感ある戦略展開や、開発環境のオープン化と低い参入障壁を背景に無数のプレイヤーが市場に参入したことが成長を加速させてきた要因といえます。
当社としましても、まずは日本のコア市場で地位を確立するべく、スマートフォンやタブレットPCなどのスマートデバイスを中心に、競合他社以上のスピードで魅力あるタイトルや新しいジャンルのタイトルを次々に投入し、それらの分野で優位的なポジションの獲得を狙っていきます。
また、現在サービスインを開始しユーザー様から大変な好評を得ています(株)POKELABOとの「運命のクランバトル」や(株)Cygamesとの「サカつくSワールドスターズ」のように、協業という形での相互の強みを最大限発揮したタイトルの充実化にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
また、グローバルマーケットでもネットワークビジネスでの(株)セガとしてのポジションを早期に獲得したいと思っています。海外子会社である、Sega of America, Inc. とSega Europe Ltd.のデジタルコンテンツチームや、2011年11月に(株)セガが買収した米国オンラインゲーム開発会社 Three Rings Design, Inc.、スマートデバイス向けF2P(Free to Play)、IAP(In App Purchase)ソフトの開発に向けヨーロッパで新設したHardlight Studio、オーストラリアのSega Studios Australiaなどグループには豊富なIP資産や優秀な開発人材を有しています。こうした経営資源の活用とグループ企業間での有機的な連携が、新しいデジタルビジネス創造の基盤になると確信しています。
一方、今年に入り急速な市場成長の負の側面として、射幸性が高いコンテンツが社会問題化しました。利潤追求への過度な傾倒は、ユーザーの信頼を裏切り、結果として市場の成長に水を差しかねません。またIPの価値を毀損する可能性もあります。当社は、企業の社会的責任を強く認識し、健全な事業運営を心掛けることで、市場の長期持続的な発展に貢献していきたいと考えています。
少人数で、より迅速かつ的確な意思決定ができるよう、開発・事業・経営の機能を一元集約し、独自の制度及びプロセスを構築することで、事業展開のスピードを向上させています。また、重複や無駄の排除に向けてインラインプロセス(プロジェクトマネジメント機能)を整備し、権限規程についても大幅に改定しました。日々刻々と変化する顧客ニーズに臨機応変に対応できるよう、様々な開発体制の強化にも注力します。
開発部門はゲームの真の面白さを追求する一方、運営プロデューサーは、ユーザーの視点に立ち、そこに継続的に楽しめる付加価値を盛り込んでいくという、それぞれの視座のもと、より良いコンテンツの創造に向けて活発な議論ができる場を醸成していきます。このような仕組みをフルに機能させることで、ユーザーに本当に楽しんでいただけるエンタテインメントを提供していくことができると確信しています。
国内では、トップ3のネットワークゲームパブリッシャーになることを目標とします。また、私が代表取締役社長CEOを兼務する(株)サミーネットワークスや、(株)セガの海外子会社も含めた全体のデジタル事業分野で、今後2年間で営業利益100億円を達成し、グローバルマーケットでもトップ3のネットワークゲームパブリッシャーを目指していきます。2年間というのはとても短い期間です。しかし、それほどのスピード感で事業拡大を図らねば、変化の激しいマーケットで勝ち抜いていくことはできません。
(株)セガネットワークスの一人ひとりの社員が、時代の“変化”に対する感度を高めて、積極果敢に挑戦していくことでゲームを通じてゲームそのものの在り方や業界、世の中を変えることができる“GAME CHANGER”となることで、当社を中心とするネットワーク事業を、早急にセガサミーグループの収益の柱とするべく強化していきたいと考えています。