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- A Message from the Chairman of the Board and CEO:構造改革の概要
構造改革の概要
中核事業を明確化し、ポートフォリオ経営を強化
2015年3月期末までに実施した構造改革の内容と各施策の目的を以下にご説明します。
[ 施策1. 中核事業の明確化 ]セガサミーグループは国内外約90のグループ企業で構成されていますが、その中には事業領域が重複している、或いは関連性があるにもかかわらず連携が不十分な事業会社・部門が存在していました。そのため、遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業、リゾート事業の3事業を総合エンタテインメント企業としての強みが発揮できる中核事業として明確化した上で、事業ドメインを整理・再編しました。全役職員に当グループが向かうべき方向性を認識させることもこの再編の目的です。
厳しい経営環境と対峙し続けることが予想されるとはいえ、これからも遊技機事業を「グループ収益の柱」と位置付けていくことに変わりはありません。旧(株)セガの事業を中心に、提供するチャネルは異なるものの、優良な「エンタテインメントコンテンツ」が競争力の根幹にある事業群は一つに束ねました。早期での収益貢献を実現したいと思います。
リゾート事業には、IR事業、同事業と関連性が高い旧(株)セガのエンタテインメントパーク分野(「東京ジョイポリス」「オービィ横浜」等)、フェニックスリゾート(株)を中心とするリゾート施設分野を加え、人財やノウハウを集約しました。国内におけるIR事業の本格化を見据え、中長期的な成長の柱にするべく育成を進めていきます。
[ 施策2. 不採算・低採算事業の抜本的見直し ]中核事業の明確化と並行して、恒常的に不採算となっていた事業のうち、戦略的な重要性が乏しい事業やサービスの撤退・縮小を実行しました。自主製作映画のプロジェクト中止はその一例です。アミューズメント機器分野では、収益の見通しが厳しいタイトルの開発を中止しました。パッケージゲーム分野においても、主に海外においてコーポレート機能を中心とする固定費の削減を実行しました。
一方、現時点では不採算ながらも継続事業としたものもあります。マーザ・アニメーションプラネット(株)が進めるCGアニメーション映像制作事業はその一つです。国内トップクラスを誇るCGアニメーション技術は、CGアニメーション映画への展開やグループ内での有効活用といった将来性が大いに見込めるためです。
[ 施策3. 事業ポートフォリオの運営強化の基礎を構築 ]IP(知財)や開発人財、キャッシュ等の経営資源の最適かつ機動的な配分と、さらなる事業再編に向けた素地形成等、ポートフォリオ運営の強化に向けた基礎を構築しました。
セガサミーホールディングス(株)の直下に、中間持株会社として(株)セガホールディングスを設置しました。そして、一足先に分社化していたアミューズメント施設分野やデジタルゲーム分野に加え、旧(株)セガ本体のアミューズメント機器分野やパッケージゲーム分野も分社化した上で、その傘下に置きました。また、セガサミーホールディングス(株)の直下にあった映像分野、玩具分野等の事業会社も(株)セガホールディングスの管理下に移しました。
戦略のグランドデザインと経営資源配分の調整は(株)セガホールディングスが担う一方、開発人財をはじめとする経営資源の付与を通じて、分社化した各事業会社が事業を自己完結できる体制となりました。大幅な権限移譲を通じて、意思決定の迅速化と経営責任の明確化を図ることがその目的です。2012年に分社化した(株)セガネットワークス(現(株)セガゲームス セガネットワークス カンパニー)や(株)セガ エンタテインメントが、組織運営の効率性の飛躍的向上という形でこの組織体制によって期待できる効果を実証しています。
[ 施策4. 人財配分の最適化 ]構造改革を通じた「形」の整備と並行して、人財配分の最適化も実施しています。
以前より進めてきたパッケージゲーム分野からデジタルゲーム分野への人財のシフトに留まらず、全グループ的視野で、より大規模に人財の異動を進めています。例えば、アミューズメント機器分野では、メカトロ技術の専門家の一部をカジノ機器の開発に、映像技術の知見を有する開発者は、デジタルゲーム分野等にシフトしています。それでもアミューズメント機器分野や玩具分野等では、市場規模に照らして人員が余剰であると判断したため、誠に残念ではありますが希望退職者の募集を含む人員数の適正化に取り組みました。旧国内セガグループの約120名を含め、セガサミーグループ全体での人員削減数は約300名となりました。
これらの取り組みにより、戦略分野への人財の重点配置や収益規模に見合った人員数への調整、年齢構成の若年化が進展しています。