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- A Message from the President and CEO「経営統合からこれまでの回顧」


課題を真摯に直視し、強い決意で構造改革に着手
(株)セガとサミー(株)の経営統合によりセガサミーグループが発足して、2014年10月で10年が経ちます。総合的に判断すると、大変多くの課題が残る10年間であったというのが私の偽らざる気持ちです。経営統合直後は、1,000億円以上の営業利益を創出しましたが、その後、当グループを取り巻く市場環境が大きく変化しました。特に、2004年7月に施行された風適法施行規則等の改正の影響が顕在化した2007年秋以降、収益の柱である遊技機事業の経営環境が著しく変調した間に、様々な対策を打ち出しました。例えば遊技機事業では、パチンコ遊技機の開発力を強化し、一定の成果を得てきました。しかし、私が思い描いた姿には達していません。特に、直近2~3年の遊技機市場は、スマートデバイス向けアプリをはじめとする遊びの多様化によって、若年層のパチンコ・パチスロ離れが進み、様々なエンタテインメントとの間でユーザーを奪い合う環境に直面しており、想定を超えた低迷が続いています。若年層に訴えかけるために、従来の延長線上にはない遊技機の開発が、業界全体の課題になっています。
(株)セガについても、アミューズメント施設事業では、スクラップ&ビルドを通じて、縮小する市場に対応する規模へと店舗数の適正化を進めてきました。またアミューズメント機器事業も、レベニューシェアモデルをはじめとする市場活性化に資する新たなビジネスモデルの開発と普及に努めてきました。しかし、低迷する業績が示す通り、十分に「セガブランド」を活用し、ポテンシャルを発揮するには至っていません。時代の変化に応じて組織文化を変えることができていないことがその理由です。
当グループが持続的に発展していくためには、こうした既存事業の構造的課題を早急に解決する一方で、デジタルゲーム分野をはじめとする成長領域を大きく伸ばし、再びグループを力強い成長軌道に回帰させていく必要があります。その上でIR事業*等、将来の大規模な経営資源の投入にも備えていく必要があります。このような考えのもと、私は構造改革を断行することとしました。遊技機事業を中心に一定のキャッシュを生み出している今こそ着手すべきタイミングだと考えています。
* IR事業:統合型リゾート(Integrated Resort)事業