戦評・コラム
2026年セガサミー野球部/手応え十分!チーム一丸で都市対抗出場を狙う/第97回都市対抗野球大会東京都二次予選展望
2026/06/05
いよいよ社会人野球最高峰の大会である第97回都市対抗野球大会(8月26日~9月6日・東京ドーム、以下都市対抗)の東京都二次予選が始まる。今季限りでの活動終了が決まったセガサミー野球部は最後の都市対抗出場を狙い、6月13日(土)13時(予定)から大田スタジアムで、NTT東日本を相手に初戦を戦う。
「悔いなく!その一言に尽きます」
今季、助監督から昇格した佐藤俊和監督は予選への意気込みを語る。自身も現役時代にミキハウスで廃部(2019年から復活)を経験。創部されたセガサミーへ移籍し1期生、初代主将となった経緯がある。選手たちの感情も痛いほどわかるが「様々な思いはあるだろうけれど、“チームとして動く”と伝えています」と話す。
入社7年目で副将を務める中川智裕も「戸惑いはありましたが今は切り替えられています。チーム一丸は絶対条件。しっかり声かけをしていきたいです」と前を向いている。
そんな監督や選手の言葉に偽りはない。5月下旬のオープン戦では過去10年で4度の全国大会優勝を飾っている大阪ガスや一昨年の都市対抗優勝の三菱重工Eastにも接戦の末に勝利を収めた。
今季から主将を務める入社9年目の北川智也は「(過去の都市対抗予選や本戦で)勝っていた時の感覚に似ています」と手応えを明かす。佐藤監督が就任してから取り組んできた小技や機動力、走塁への意識といった細やかな野球ができるようになっているからだ。
加えて、選手間での競争もチームの活性化に大いに作用していて「誰が出ても勝負できる」「どこと戦っても負ける気はしません」と自信をみなぎらせる。
廃部が決まり、選手生活の有終の美を飾ろうとする者、プロの世界や他チームへの移籍を目指す者――それぞれの事情はあれど、高いモチベーションで取り組めていることが、チーム力を確実に上向きなものにしている。
佐藤監督も「 “野球ができていることは当たり前ではない”という感謝や成長に繋がる機会であることは間違いありません」と、選手たちの姿を見て実感している。
新人の立花祥希も「今回の件でたくさんの連絡をいただいて、これだけ応援してくれている人がいるんだと実感しました」と、あらためて感謝の気持ちが湧いたという。その中で「社会人として何のために野球をやっているのか、今後の人生を考える時間になりました」と熟慮した末、プロ野球を目指すことを決意。三菱重工Eastとのオープン戦では横浜スタジアムのレフトスタンドに本塁打を叩き込むなど打撃も好調で、捕手としても「予選の経験が無いからこそ、恐れるものはないという気持ちで戦います」と頼もしく語る。
チーム全体の雰囲気は明るい。北川が「セガサミー野球部は( 総合エンタテインメント企業グループの)会社と同じでエンタテイナーという感じ。波に乗れば強いチームなので、堅苦しくなく盛り上がることができてば、ウチの流れにしていけると思います」と笑う。
「ここで出会えたのも何かの縁だと思うので、このメンバーで勝って、歴代のOBたちの思いも背負いながら勝ちたいです」と北川が話せば、佐藤監督も「思いきってやりたいです。代表権を獲って泣きたいです」と歓喜の時を思い描く。
東京都に今年与えられた都市対抗出場枠は「5」。3年ぶり15回目の都市対抗出場を決めて神宮球場で嬉し涙を流し、そして最後の夏を東京ドームで戦うべく、チーム全員で激戦を勝ち抜く。
文・写真:高木遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)