個人投資家のみなさまへ
SS通信
2024年3月期 夏号
(2023年10月1日~2024年3月31日 / 発行日: 2024年7月31日)
「SS通信(セガサミー通信)」について:
株主・個人投資家を含むすべての皆様にセガサミーの情報をわかりやすくお届けするため、これまで株主通信としてお届けしていたコンテンツを本ページに移動して、情報を集約しました。これに伴い名称を「SS通信(セガサミー通信)」と改め、さらに内容を充実させていきます。特集記事は、本サイト内「感動体験レポート」ページにて、引き続きお届けします。
業績報告
2024年3月期の当グループの業績は、遊技機事業や、コンシューマ分野において主に国内・アジア地域での販売が好調に推移したこと、また、新たにRovio Entertainment Corporationがグループ入りしたことにより、前期から大きく増収となりました。その結果として、経常利益も前期から大きく増加しており、売上高は4,678億円(前年同期3,896億円)、経常利益は597億円(前年同期494億円)となりました。一方で、コンシューマ分野において、欧州スタジオを中心とする経営環境の悪化に伴い、構造改革の実施を決定したこと等により約192億円の特別損失を計上しました。その結果として、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で減益の330億円(前年同期459億円)となりましたが、今後の収益性改善に向けた道筋を整えることができたと考えています。
次に、各事業の詳細についてご報告します。
エンタテインメント事業の2024年3月期は、前期比で増収・減益となりました。コンシューマ分野において、国内・アジア地域を中心とした販売好調や、Rovio Entertainment Corporationのグループ入りにより増収となった一方で、主に欧州コンシューマ分野が低調に推移したことと、それに伴い、構造改革を実施したことにより減益となっております。
欧州コンシューマ分野における構造改革では、欧州地域の経営体制の立て直しとグローバル経営体制の強化を目的とし、欧米のパブリッシング機能を統合することで強化、効率化を図ると共に、欧州スタジオにおける開発管理機能の強化を目的として、開発・評価プロセスの見直しを実施しております。
個別のタイトルにつきましては、国内スタジオ開発の新作タイトル『龍が如く8』や『ペルソナ3 リロード』が、それぞれシリーズ最速で100万本の販売を突破し、また、定番タイトルである『Football Manager 2024』や、ヴァニラウェア社が開発を手掛ける『ユニコーンオーバーロード』などのタイトルも高い評価を受け、販売が好調に推移しました。また、リピート販売や既存のF2Pタイトルも底堅く推移し、2024年3月期の業績に貢献しました。
遊技機事業は、当社主力タイトル『スマスロ北斗の拳』を中心に、パチスロ機の販売が好調に推移したことから、大幅な増収・増益となりました。『スマスロ北斗の拳』導入後は高い稼働水準を背景に『スマスロ北斗の拳』のリピート販売が進んだほか、複数の新作タイトルも堅調に推移しました。その結果、パチスロ販売台数は約18万台となり前期比で大幅に増加しました。一方で、パチンコ機の販売台数は約8.8万台と前期比で減少する結果となりましたが、これは、期中に販売スケジュールを見直した結果、主力タイトルを含む一部のタイトルの販売時期が2025年3月期に変更になったことが要因となっております。2024年3月期に発売した『P北斗の拳暴凶星』などの各タイトルの販売は概ね堅調に推移しております。
リゾート事業は、国内のフェニックス・シーガイア・リゾートにおいて、団体客が想定以上の回復を見せ、2期連続の黒字を達成しました。韓国・インチョンのパラダイスシティについては、日本人VIPを中心に好調に推移し、2024年3月期の持分法取込額は9億円となり、リゾート事業の黒字化に貢献いたしました。
2025年3月期より、新・中期計画「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」を開始するにあたり、報告セグメントの「エンタテインメントコンテンツ事業」、「遊技機事業」及び「リゾート事業」の3つの区分のうち「リゾート事業」を廃止し、新たに「ゲーミング事業」を新設する再編を行いました。これは新・中期計画の戦略、事業ポートフォリオの観点から実施するものであり、新設する「ゲーミング事業」には、海外におけるオンラインゲーミング関連事業や既存の統合型リゾートの運営、カジノ機器の開発・製造等を集約しております。
新・中期計画では、事業ポートフォリオの強化を進め、各事業の位置づけをより明確化していきます。成長投資を進める領域としては、引き続きコンシューマ分野とゲーミング事業への投資を進めます。そして、その成長投資を支えるのが、遊技機事業等から創出される豊富なキャッシュフローとなります。遊技機事業から創出されるキャッシュフローを、成長を続けるコンシューマ分野、そして新たな事業の柱を構築すべくゲーミング事業に投資をしていくことで、企業価値の向上を実現いたします。
業績ハイライト
連結業績
(単位:億円) | 2024/3(通期) | 前年同期比 |
---|---|---|
売上高 | 4,678 | +20% |
営業利益 | 568 | +21% |
経常利益 | 597 | +20% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
330 | -28% |
セグメント別の業績
(単位:億円) | 2024/3(通期) | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | エンタメ | 3,180 | +12% |
遊技機 | 1,359 | +44% | |
リゾート | 123 | +7% | |
経常利益 | エンタメ | 307 | -26% |
遊技機 | 418 | +101% | |
リゾート | 0 | - |
- エンタメ
-
国内・アジアコンシューマーの堅調やRovioのグループ入りにより増収。主に欧州CSの低調に伴い減益
- 遊技機
-
パチスロ機中心に好調に推移し、前年同期比で大幅増収増益
- リゾート
-
経常利益段階での黒字化を達成
もっと詳しく知りたい方へ
最新トピックス
最新トピックス(2024年8月6日更新)
IP価値の最大化を目指しトランスメディア戦略を強化(2024年8月6日更新)
エンタテインメントコンテンツ事業のコンシューマ分野では、ゲームだけでなく、映像やライセンス商品の展開などにより、IPの価値を最大化するトランスメディア戦略の強化を進めています。
トランスメディア戦略にいち早く取り組んできた「ソニック」シリーズでは、2024年は“FEARLESS: Year of Shadow”をテーマに掲げ、主人公「ソニック」のライバルで人気キャラクターの「シャドウ」をテーマに戦略的な取り組みを展開していきます。
2024年10月25日には、「シャドウ」が縦横無尽に駆け抜ける待望の完全新作『シャドウ ジェネレーションズ』を含む、シリーズ最新作『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』を発売するとともに、年末の2024年12月20日には、「シャドウ」が登場するソニック映画の第3弾が北米を皮切りに公開予定です。
さらに、世界中のソニックファンに向けた新作カジュアル×モバイルタイトル、『ソニックランブル』も今冬に配信される予定です。
2024年6月からParamount+で国内配信を開始した、ソニック映画シリーズのスピンオフ作品である、全6話のドラマシリーズ『ナックルズ』も、Paramount+のオリジナル作品史上最も視聴されたドラマとなり、世界的に人気を博しています。
セガの代表的なIPの一つである「龍が如く」シリーズでは、Amazonでの実写ドラマ化が実現し、2024年10月25日(日本時間)からPrime Videoで世界独占配信されることが決定しました。
Amazon Originalドラマ『龍が如く〜Beyond the Game〜』は、巨大歓楽街・神室町を舞台に、“堂島の龍”と呼ばれる主人公、桐生一馬の成長物語をオリジナル脚本で描くクライム・サスペンスアクションです。主人公が青春時代の1995年と刑務所から出所した10年後の2005年、二つの時間軸を交差させながら描かれるコントラストが見どころの一つです。主人公の桐生一馬役には俳優の竹内涼真氏を起用。世界的にも大ヒットしたドラマシリーズ『全裸監督』の総監督を務めた武正晴氏が本作の監督を務めます。オリジナル部分は、原作にリスペクトを払いつつ、一から新しい『龍が如く』を作り上げる覚悟で取り組まれた期待の作品となっています。
グループ会社のロビオ・エンタテインメントの代表的なIPである「アングリーバード」については、長編アニメーション映画『The Angry Birds Movie 3(原題)』の制作が開始されています。本作は全世界で50億ダウンロード(2022年時点)を超える大ヒットを記録した人気モバイルゲーム『アングリーバード』の映画シリーズ第3作で、映画第1作『アングリーバード』(2016年)は公開時に50カ国で第1位を獲得し、全世界で3億5000万米ドル以上の興行収入を樹立しました。続編の『アングリーバード2』(2019年)とあわせて過去2作品で全世界興行収入5億米ドルを突破しています。
記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
さらに、かつてアーケードや家庭用ゲームとして世界中で人気を博した剣と魔法のファンタジーアクション『ゴールデンアックス』も、アニメーション制作されることが決定され、現在制作が進行中です。なお、「ゴールデンアックス」シリーズは現在新作ゲームを開発中であることも発表しています。新たな展開にご期待ください。
また、人気の主力IPである『ペルソナ』シリーズでは、Perfect World Co.,Ltd.へのライセンスアウトによりスマートフォン向けゲーム『Persona5:The Phantom X』の簡体字版、繫体字版、韓国版*のサービスを開始しています。
*日本、その他の公開地域は未定
今後も、トランスメディアを重要戦略の一つと位置付け、主力IPの多方面のメディア展開や商品化を加速させるとともに、コンソール・PCゲームのみならず、モバイルを中心としたGaaS**としてもグローバルに展開していくことで、さらなるIP価値の向上を目指します。
**GaaS Game as a Serviceの略
サミーのスマパチ第一弾『e北斗の拳10』投入!スマパチ市場活性化を狙う(2024年7月31日更新)
「スマパチ」の名で親しまれているスマートパチンコは2023年4月より導入が開始された次世代型のパチンコ機です。従来のパチンコ機とは異なり、遊技機内に封入された玉が内部で循環する仕組みであり、物理的な玉の払い出しがないことから、パチンコホールの玉の運搬や洗浄に係る負担、また消費電力の軽減等に寄与し、また不正行為の撲滅やユーザーにとっての遊技性・遊技環境の向上など多くのメリットが見込まれます。また、出玉情報等が遊技機情報センターにより管理されることから、のめり込み対策となることも期待されていますが、2022年11月の導入開始以来、『スマスロ北斗の拳』をはじめとした複数のヒット機種の登場により市場に定着したスマスロと比較して、スマパチではヒット機種がまだそれほど多く登場しておらず、本格的な普及には至っていません。
一方で、パチンコ市場にも明るい兆しがあります。パチンコ機向けに2024年3月より導入が開始された、ラッキートリガー機能を搭載した機種が好調な滑り出しを見せています。ラッキートリガーとは、プレイヤーが一定の条件を満たしたときに発動する特別な機能のことで、発動すると従来より多くの出玉獲得が期待できる点が魅力です。2024年3月に導入が開始された『P北斗の拳 強敵 LT』は、サミーのラッキートリガー搭載パチンコ第一弾となり、北斗シリーズ最高の大当たり継続率95%など、ラッキートリガーが可能にした次世代のラッシュ性能が実現されています。同機の稼働は好調で、既に追加販売を実施しており、今後導入予定のラッキートリガー搭載機種にも期待が集まっているなど、この追い風を受けて、パチンコ市場の稼働水準の向上及びスマパチの普及が進むことが期待されています。
このような市場環境の中、サミーでは、サミーのスマパチ第一弾となる『e北斗の拳10』を2024年8月※に投入予定です。北斗シリーズ伝統の遊技性にこだわった『e北斗の拳10』では、真髄である「王道バトルスペック」が「高突入×高継続×高出力」と、新時代に合致したゲーム性で完全復活しております。本機もラッキートリガー機能を搭載しており、ラッキートリガー発動で突入する上位モード「HYPER BATTLE MODE」では、圧倒的な爽快感と出玉感をお楽しみいただけます。また、人気お笑い芸人・かまいたち(吉本興業所属)によるTVCMなど、各種プロモーションについても計画しており、『e北斗の拳10』のヒットを通じ、スマスロに続くスマパチの普及に尽力するとともに、パチンコ市場の盛り上がりに貢献してまいります。
※ 一部地域導入済み
フェニックスリゾートの運営においてFortressと戦略的パートナーシップを締結(2024年7月31日更新)
当社は、2024年5月31日付でフェニックスリゾート株式会社(以下、フェニックス)の全株式をFortress Investment Group LLC(以下、その関係会社と総称してFortress)に譲渡いたしました。
2012年のフェニックスの子会社化以降、リゾート事業として企業価値の向上に取り組んできた結果、2023年3月期、2024年3月期は2期連続でセガサミーグループ入り以来最大の売上高を更新し、同時に2期連続となる営業利益の黒字化を達成しました。
こうして日本有数の複合型リゾート施設としての存在感を高め、収益性の回復も実現したフェニックスの、更なる企業価値向上のため、ホテル・リゾート事業において豊富な経験、知識を有するFortressを戦略的パートナーとして迎え、フェニックスの運営の主導を引き継ぐことを決定いたしました。
株式譲渡に伴いフェニックスは当社の連結子会社から外れましたが、当社はフェニックスが新たに発行した種類株式を取得し、引き続き20%の議決権を保有しております。今後もFortressとのパートナーシップ契約に基づき、フェニックスの企業価値向上を支援していくとともに、地域企業・地元関係者のご理解をいただけるような関係を維持してまいります。