企業情報
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
セガサミーグループは、コーポレート・ガバナンスを企業行動の最も重要な基盤として位置づけており、持続的な企業価値創造にとって不可欠なことだと考えています。
企業経営の「効率性の向上」、「健全性の確保」、「透明性の向上」を「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」として掲げ、取締役候補者の選任、取締役報酬の決定、
経営の監視、監査報酬の決定等、経営の重要な問題をこの方針に従い判断しています。
効率性の向上
迅速かつ適正な意思決定プロセスの確立および企業経営の効率性を向上させることで企業価値の最大化を目指し、株主の皆さまをはじめとするステークホルダーに対して、その利益の還元に努めます。
健全性の確保
激しく変化する事業環境の中、企業価値の最大化を図るため、グループを取り巻く様々なリスクを適切に認識・管理するとともに、法令のみならず倫理・社会規範等をも遵守する体制(コンプライアンス体制)を確立することで経営の健全性の確保を図ります。
透明性の向上
企業に対して情報開示の重要性が高まる中、セガサミーグループは、株主の皆さまをはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たすとともに、積極的なIR活動を行うことでディスクロージャーをさらに充実させ、経営の透明性の向上を図ります。
コーポレート・ガバナンス体制
セガサミーホールディングスでは取締役会における一層の審議の充実と監督機能の強化を目的として、重要な業務執行の決定の相当部分を業務執行取締役に委任できる監査等委員会設置会社を選択しており、加えてグループ各会社では、業界・市場動向・製品・商品・サービス等に関する知識や経験等に富んだ取締役が迅速かつ最適な経営判断を導き出すと考え、監査役設置会社を選択しております。
また、社外取締役の選任、執行役員制度と内部監査体制の強化等を行い、監督と執行の両面からコーポレート・ガバナンス体制を充実させています。
コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図

主な施策の実施状況
取締役会
原則として毎月1回の定時取締役会並びに適宜開催する臨時取締役会において、現在12名の取締役により機動的経営を図っています。
なお、各事業会社における一定の経営上の重要事項等については、当社の取締役会等の機関においても決議・報告を行っています。
監査等委員会
監査等委員4名で構成され、原則として毎月1回、また、必要に応じて適宜開催しています。監査等委員会においては、各監査等委員の業務分担を定め、当グループのコーポレート・ガバナンスや内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の評価などを主な検討事項として審議しています。
任意設置委員会
取締役会から特に付託された当グループの経営に関する特定事項について議論・検証を行い、その結果を取締役会へ報告・上程するための機関であり、現在、任意設置委員会として、独立諮問委員会とグループ経営委員会が設置されています。また、さらに特化したテーマについて議論・検証を行う機関として、サステナビリティ、リスク・コンプライアンスの分科会を設置しています。
取締役会の実効性評価
評価目的
当社は、企業経営の「効率性の向上」「健全性の確保」「透明性の向上」を確保するために取締役会がその役割を実効的に発揮できるよう、毎年、取締役会の実効性を分析ならびに評価することとしております。
評価方法
2023年3月期につきましては取締役会の実効性評価につきまして、すべての取締役監査等委員を対象にアンケート調査を実施しました。
当社の取締役会がその役割・責務を実効的に果たすうえで重要と考えられる事項(取締役会の構成と運営、戦略にかかる審議等)を確認するとともに、人的資本かかる取り組みへの取締役会の関与など、市場の期待する取締役会の役割について確認しました。当期は客観性を担保した評価を実施するため、アンケートの設計及びその分析評価にあたり外部機関を活用しました。また、独立諮問委員会及び取締役会において、アンケートの分析結果に基づき当年度の取締役会の実効性と課題の所在等について審議を行いました。
評価結果(概要)
審議の結果、取締役会は多様性ある独立社外取締役が建設的に議論に参画している点などを踏まえ、実効的に機能していると評価されました。また、前期に指摘があった取締役会がグループの全体方針等について議論を深めることについて、事業を取り巻く中長期的な視点に基づく議論が充実し、改善がみられたことなどが良好に評価されました。
一方で、更なる実効性の向上に向け、取締役会がグループ全体のリスク管理体制の高度化についてモニタリングを強化することやグループ全体の資源配分等にかかる議論を深めることの必要性を認識しました。これらの課題認識を踏まえ、取締役会はより実効的に機能できるよう努めてまいります。
役員の選任方針と手続
当社では、上場企業の経営陣として必要な経験・知見及び当社の長期ビジョン達成のために求められる経験・知見をもとにスキル・マトリックスを策定しており、取締役の候補者の選定においてはそのスキル・マトリックスに合致すること及び当該候補者の人格等を総合的に判断して決めることを基本方針としています。
独立諮問委員会は、代表取締役社長から示された当該候補者の案を検討し、当該候補者に対しヒアリング等を行い、その評価結果を代表取締役社長に対して意見として提出するものといたします。
代表取締役社長はその検討結果を参考として、上記方針に従い取締役候補者を判断し、取締役会がこれを検討、承認するものとします。独立諮問委員会が取締役候補者を代表取締役社長に推薦した場合もまた同様といたします。
取締役の解任については、心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められる場合、職務の執行に関し不正の行為又は法令・定款に違反する等、重大な事実があったと認められる場合には、適時に独立諮問委員会で審議を行い、その答申を踏まえ取締役会で処遇を決定いたします。
取締役会メンバーのスキル・マトリックス

役員の選任理由および取締役会等の出席状況
取締役(監査等委員である取締役を除く)
氏名 | 取締役会 出席状況 |
選任理由 | |
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里見 治 | 13/13回 100% |
当社及びグループ会社の経営者を歴任され、長年にわたりリーダーシップを発揮し、当グループの発展に貢献してまいりました。 このような豊富な経験と実績、培われた見識等は、引き続き当社取締役会の意思決定に資するとともに、 当社の企業価値向上に寄与することが期待できるため、取締役として選任しました。 |
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里見 治紀 | 13/13回 100% |
当社及びグループ会社の経営者を歴任し、企業業績の向上に貢献してまいりました。 現在は当社代表取締役社長に就任し、当グループの最高経営責任者として、リーダーシップを発揮しております。 このような経験と実績、リーダーシップ等は、引き続き当社取締役会の意思決定に資するとともに、当社の企業価値向上に寄与することが期待できるため、取締役として選任しました。 |
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深澤 恒一 | 13/13回 100% |
当社及びグループ会社の経営者として、経営企画部門、管理部門、新規事業部門等幅広い分野の責任者を歴任し、現在は当グループの最高財務責任者を務めるほか、ゲーミング事業を推進しております。 このような経験と実績等は、引き続き当社取締役会の意思決定に資するとともに、当社の企業価値向上に寄与することが期待できるため、取締役として選任しました。 |
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杉野 行雄 | 11/11回 100% |
当社グループのエンタテインメントコンテンツ事業会社の経営者を歴任し、現在は、㈱セガの代表取締役社長に就任、セガグループのグローバルでの事業成長を牽引しております。 このような経験と実績等は、当社取締役会の意思決定に資するとともに、当社の企業価値向上に寄与することが期待できるため、新たに取締役として選任しました。 |
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吉澤 秀男 | 13/13回 100% |
当社及び当社グループの遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業、リゾート事業の事業会社の経営者を歴任し、主要事業に関する幅広い知識と豊富な経験を有しております。 このような知識や経験等は、当社取締役会の意思決定に資するとともに、当社の企業価値向上に寄与することが期待できるため、取締役として選任しました。 |
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勝川 恒平 | 社外 | 13/13回 100% |
社外取締役として、公正な立場から経営の重要事項の決定及び業務執行の監督等の役割を適切に果たしております。 また、長年にわたる経営者としての豊富な経験と幅広い見識に基づき、当社の経営に有益なご意見やご指摘が期待されるため、社外取締役として選任しました。 |
メラニー ブロック | 社外 | 12/13回 92% |
社外取締役として、公正な立場から経営の重要事項の決定及び業務執行の監督等の役割を適切に果たしております。 また、国際的なビジネスリーダーとしての幅広い経験と豊かな実績から、多様な思考と価値観に基づき、当社の企業統治システムの強化や経営の意思決定の品質を引き上げることが期待されるため、社外取締役として選任しました。 |
石黒 不二代 | 社外 | 13/13回 100% |
社外取締役として、公正な立場から経営の重要事項の決定及び業務執行の監督等の役割を適切に果たしております。 また、ネットイヤーグループ㈱の創業者としての企業経営及びデジタル分野の豊富な知見、他の上場会社における社外取締役としての経験に基づき、当社の経営に有益なご意見やご指摘が期待されるため、社外取締役として選任しました。 |
(注)杉野行雄氏の開催回数及び出席回数は、2022年6月22日の取締役就任後に開催された取締役会を対象としております。
監査等委員である取締役
氏名 | 取締役会 出席状況 |
監査等委員会 出席状況 |
選任理由 | |
---|---|---|---|---|
阪上 行人 | 13/13回 100% |
11/11回 100% |
当社子会社であるサミー㈱に入社以来、法務や監査に関する業務を中心に従事し、当社グループ会社の監査役を歴任、監査に関する豊富な経験と企業倫理、コーポレートガバナンスに関する見識を備えており、当社の経営に適切な助言と提言が期待できるため、監査等委員である取締役として選任しました。 | |
大久保 和孝 | 社外 | 13/13回 100% |
11/11回 100% |
公認会計士として監査業務を長年にわたり経験し、財務及び会計に関して高い専門性を備えています。また、社外取締役の経験からガバナンスにおいても豊富な知見を有しており、客観的な立場により当社の経営に適切な指導、監督が期待されることから、監査等委員である社外取締役として選任しました。 |
木下 潮音 | 社外 | 13/13回 100% |
11/11回 100% |
弁護士としての経験に加え、第一東京弁護士会労働法制委員会副委員長を務める等、労働法における高い専門性を備えています。また、社外取締役の経験からガバナンスにおいても豊富な知見を有しており、客観的な立場により当社の経営に適切な指導、監督が期待されることから、監査等委員である社外取締役として選任しました。 |
村崎 直子 | 社外 | 13/13回 100% |
11/11回 100% |
警察庁、外務省及びリスクコンサルティングファームでの長年のご経験を通じて、グローバルでのリスクやガバナンスの分野において高い専門性を有しております。また、社外取締役の経験からガバナンスにおいても豊富な知見を有しており、客観的な立場により当社の経営に適切な指導、監督が期待されることから、監査等委員である社外取締役として選任しました。 |
(注)当社は、2022年6月22日開催の定時株主総会の決議により、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行いたしました。当事業年度においては、監査等委員会設置会社に移行した2022年6月22日までに監査役会を3回、その後、当事業年度末までに監査等委員会を11回開催しております。
役員報酬額及び算定方法
透明性の確保及び企業価値向上へのインセンティブを高める目的で役員報酬制度を設計しています。
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)に対する報酬制度は、以下に掲げる基本方針のもと決定しています。
- 株主との価値共有や株主重視の経営意識を高める制度であること
- 当グループの企業価値向上に向け、経営陣の業績責任を明確にできるもの
- 当グループの持続的成長に向けたインセンティブとして機能するもの
- 当社取締役が担う役割と責務を遂行するに相応しい優秀な人財を確保・維持できる報酬水準であること
また、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)の報酬体系は、基本方針の観点から、「固定報酬」と「業績連動報酬」として「役員賞与」、「譲渡制限付株式報酬」とで構成しています。
固定報酬
基本報酬・役割報酬の要素ごとに報酬額を定めた報酬テーブルを策定し、これらの各報酬の合計額を月額固定報酬として支給しています。
役員賞与
経常利益額の水準・事業計画達成度・対前年成長度の3つの要素から役員賞与月数を定めた賞与テーブルより算出された係数を乗じた役員賞与額を支給しています。
株式報酬(譲渡制限付株式報酬)
当社は、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)を対象に、企業価値の持続的向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度(勤務継続型及び業績連動型)を導入しており、具体的な支給及び配分については、中期計画を達成した時点における単年度の固定報酬、単年度業績連動賞与、譲渡制限付株式報酬の割合が概ね1:1:1となるよう、当社の取締役会において決定します。また、中期計画における、勤務継続型譲渡制限付株式と業績連動型譲渡制限付株式の割合は概ね1:3となる予定です。
2023年3月期の取締役及び監査役の報酬の内容は以下の通りです。
役員区分 | 対象となる役員の員数(人) | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 賞与 | 業績連動型譲渡制限付株式 | 勤務継続型譲渡制限付株式 | 左記のうち、非金銭報酬等 | ||||
取締役 (監査等委員及び社外取締役を除く) |
5 | 1,408 | 594 | 641 | 72 | 100 | 172 | |
取締役(監査等委員) (社外取締役を除く) |
1 | 18 | 18 | - | - | - | - | |
監査役 (社外監査役を除く) |
1 | 4 | 4 | - | - | - | - | |
社外役員 | 6 | 85 | 85 | - | - | - | - |
(注)
- 賞与、業績連動型譲渡制限付株式及び勤務継続型譲渡制限付株式の報酬額は、いずれも当事業年度に費用計上した額であります。
- 当社は、2022年6月22日開催の定時株主総会の決議により、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行いたしました。監査役(社外監査役を除く)に対する支給額は、監査等委員会設置会社移行前の期間に係るものであり、監査等委員である取締役(社外取締役を除く)に対する支給額は、監査等委員会設置会社移行後の期間に係るものであります。
- 当事業年度末現在の人員は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)5名、監査等委員である取締役(社外取締役を除く)1名、社外役員6名であります。
2023年3月期の連結報酬等の総額が1億円以上である者の報酬は以下の通りです。
氏名 | 役員区分 | 連結報酬等の総額(百万円) | 会社区分 | 連結報酬等の種類別の額(百万円) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 賞与 | 業績連動型譲渡制限付株式 | 勤務継続型譲渡制限付株式 | 左記のうち、非金銭報酬等 | ||||
里見 治 | 取締役 | 532 | 当社 | 216 | 247 | 28 | 39 | 68 |
里見 治紀 | 取締役 | 562 | 当社 | 237 | 255 | 30 | 40 | 70 |
深澤 恒一 | 取締役 | 135 | 当社 | 60 | 53 | 7 | 13 | 21 |
杉野 行雄 | 取締役 | 105 | 当社 | 45 | 53 | - | 6 | 6 |
役員報酬制度の詳細は、有価証券報告書をご覧ください
政策保有株式の保有方針

当社が純投資以外の目的で保有する株式は、当該株式を保有することで業務提携、取引拡大等が可能になるものに限定し、かつ当該株式を保有する結果当社の企業価値を向上させ、株主の利益につながると考えられる場合に限り、その株式を保有することとしています。
当該保有株式については、取締役会において定期的に経済合理性と将来の見通し等を検証し、今後の保有の是非等について検討することとしています。
当該保有株式に係る議決権行使については、原則すべての議案に対して行使することとしており、当社と投資先双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するかどうかを基準に行っています。
内部統制システムの整備状況
当社及び当グループにおけるコーポレート・ガバナンスの充実を図るため、グループリスク・コンプライアンス推進会議を設置し、グループ経営に係る内部統制構築上の問題点、進捗等について審議・確認し、その維持向上に取り組んでおります。また、当グループでは、グループ内部統制プロジェクトを2006年3月期に立ち上げ、企業集団として金融商品取引法に定められた「財務報告に係る内部統制報告制度」(いわゆる日本版SOX法)が求める内部統制システムの評価・報告の仕組みを整備し、また評価によって発見した不備の改善を進めてまいりました。この結果、財務報告の信頼性確保への取り組みが定着し、2023年3月期における当グループの財務報告に係る内部統制は有効であると判断するに至りました。今後につきましても、財務報告の信頼性を継続的に確保するとともに、効率性の向上と健全性の確保も視野に入れ、内部統制システムの維持と構築に取り組んでいきます。