経営方針
トップメッセージ
CEOメッセージ
新・中期計画「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」を掲げ、更なる企業価値の向上を目指します
中期計画の最終年度となった2024年3月期は、遊技機事業の好調や、コンシューマ分野において主に国内・アジア地域での販売が好調に推移したこと、また、新たにRovio Entertainment Corporationがグループ入りしたこと等により、前期から大きく増収となりました。また、その結果として、営業利益及び経常利益も前期から大きく増加しております。
一方で、コンシューマ分野において、欧州スタジオを中心とする経営環境の悪化に伴い、構造改革の実施を決定したこと等により約192億円の特別損失を計上しました。その結果として、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で減益となりましたが、今後の収益性改善に向けた道筋を整えることができたと考えています。
株主還元につきましては、基本方針に基づき、24/3期通期で50円の配当を実施いたします。また、さらなる成長および企業価値向上に向けた取り組みを進める上で、この度発表した新・中期計画を前提とした今後の事業成長と、足元の株価水準を対比して、100億円の自社株買いを行うことを併せて決定いたしました。これにより、24/3期の株主還元額は約209億円となり、総還元性向は63.3%となりました。
「Beyond the Status Quo」と銘打った22/3期-24/3期の中期計画は、利益面において当初計画を大きく超過して達成することができました。このように、まさに現状を打破して、成長軌道にもう一度乗っていることを示すことができた中期計画だったと考えています。こうした状況を受けて、2025年3月期からスタートする新・中期計画については、「WELCOME TO THE NEXT LEVEL!」というスローガンを掲げています。ここに込めた思いは、前中期計画で現状を打破した我々が、次のレベルに上がっていく、というメッセージです。
新・中期計画では、第3の事業の柱としての確立を目指すゲーミング事業を新たにセグメント化した他、セガフェイブの設立に伴い、アミューズメント機器分野と玩具分野を統一して「AM&TOY」に変更することに加え、映像・玩具分野に含まれておりました、映像分野を新たに成長分野と位置づけ、単独のサブセグメントに変更いたしました。また、これまで主要経営指標としていた経常利益を、グローバル企業と比較しやすく、かつ本来の事業収益力を適切に測ることができる指標となる調整後EBITDAに変更いたしました。
目標とする経営指標としては、2025年3月期から2027年3月期の3ヵ年の累計で「調整後EBITDA2,300億円超」、同3ヵ年の平均で「ROE10%超」の達成を目指します。新・中期計画では、事業ポートフォリオの強化を進め、各事業の位置づけをより明確化していきます。遊技機事業から創出されるキャッシュフローを、成長を続けるコンシューマ分野、そして新たな事業の柱を構築すべくゲーミング事業に投資をしていくことで、企業価値の向上を実現いたします。
サステナビリティにおいては、第一の重要課題として掲げている「人」において、「マルチカルチャー⼈財の育成」、「⼥性活躍」、「中核⼈財の育成」、「職場環境整備」を4つの重要指標を掲げておりますが、全て順調に進捗しております。引き続き、さらに多くの持続的な感動体験の創造を支える人財を育てていくべく、2030年に向けた目標を達成していきます。
今後も、感動体験を創造し続け、社会をもっと元気にカラフルにすることで、長期的・持続的にセガサミーグループを成長させてまいります。
CFOメッセージ
最適資本構成にこだわり、積極的な投資を実行して、エクイティスプレッドを拡大します
当社は、2022年3月期に導入した企業価値最大化を目的とした資本効率重視の経営システムを基に、エクイティスプレッドの拡大と積極的な株主還元による、TSR(株主総利回り)の拡大を進めています。エクイティスプレッドを拡大していく構成要素として「利益成長」「資本効率向上」「資本コスト最適化」の3つがあります。それぞれの要素を改善すべく、経営資源と利益の配分を行い、有効な手を打っていくことがCFOとしての私の役割と考えています。
利益成長は、当グループの主力事業の利益拡大を維持させることで、確実に進捗できると見込んでいます。エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野において、安定的な利益成長を図る体制の確立を目指すとともに、将来の環境変化を見据えた上で積極的な投資を行い、収益拡大を継続してきます。また、遊技機事業においては、規制見直しに対応した競争優位性のある製品の投入によりシェアを拡大しつつ、事業効率を向上させることで、安定収益体制を構築していきます。資産効率向上については、各事業部門が資産効率とキャッシュを稼ぐことを意識した経営を実現するために、ROICを各事業の管理指標として導入を進めています。資本コスト最適化については、最適資本構成によるWACC低減、成長事業投資資金のデット調達、ESG強化による長期リスク低減等を通じて実現する方針です。
投資については、2026年3月期までに、コンシューマ分野、ゲーミング領域、その他のそれぞれの成長領域へ合わせて2,500億円の投資を計画しています。コンシューマ分野では、オーガニックな成長を実現するために開発パイプラインの充実などに対して投資を行うことに加え、戦略に適合する投資先のM&Aなども検討していきます。ゲーミング領域においては、国内外のIR(統合型リゾート)および海外ランドベースのカジノへの参入検討を継続することに加え、海外でのオンラインカジノやスポーツベッティングなどへの投資も視野に検討していきます。参入障壁が高く収益マージンも大きいゲーミング領域を第3の柱として大きく成長させることが、当グループの将来を力強いものにしていくと考えています。
このように、資本効率や財務規律を重視した上で、積極果敢に攻めの財務戦略を実施していきたいと考えています。変化の時代に一歩踏み出した当グループは、挑戦の姿勢を継続することで、投資家の皆様のご期待にお応えしていきます。