経営方針
トップメッセージ
CEOメッセージ
次期中期計画に向け、事業基盤の再構築と収益力向上に取り組みます
2026年3月期における、セガサミーグループの売上高は4,875億円で、前期比で増収となりました。しかしながら、利益面においては、Rovio Entertainment Ltd(以下Rovio)およびStakelogic B.V. (以下Stakelogic)の減損損失を計上した結果、当期純損失を計上することとなりました。最終損益が赤字となったことについて、経営者としてその責任を重く受け止めています。これから両社の価値を最大限引き出していけるよう、事業の立て直しを図っていきます。
2026年3月期の実績は、遊技機事業が好調に推移したことや、ゲーミング事業における買収2社の連結開始により、売上高は前期比で増収となりましたが、経常利益段階までは概ね前期並みとなりました。また、当社の経営指標である調整後EBITDAは、調整項目にのれん等の減損損失を含むことから、前期比で大幅な減益となりました。当期における減損損失計上という結果に鑑み、キャピタルアロケーション方針を見直し、当面の間、大型M&Aの実施を凍結し、戦略投資枠を見直す決定をしました。
株主還元につきましては、基本方針に基づき、通期で1株当たり55円の配当を実施しました。また、大型M&Aに向けて確保していた資金を再配分し、期中に約200億円の自己株式取得を実施し、取得した株式の全数を2026年4月24日付で消却しました。この結果、2026年3月期の株主還元の総額は約314億円となりました。
中期計画の進捗
現在進行中の中期計画については、最終年度にあたる2027年3月期において、主要指標としている3か年累計の調整後EBITDA 2,300億円超、同3か年平均のROE 10%超という目標を下回る見込みを公表しました。
事業別進捗と今後の展望
エンタテインメントコンテンツ事業では、国内スタジオの開発力向上やライセンスアウト事業の伸長などの成果があった一方で、フルゲームの「売る力」やグローバル市場向けGaaS(F2P)タイトルの不振、Rovioの収益力改善といった課題が残りました。
こうした状況を踏まえ、まず、フルゲームの販売手法について改革を進めています。マーケティングや販売戦略及び組織・業務プロセスの見直しにも着手しており、データドリブンな意思決定を行える体制の整備を進めていきます。GaaS事業については、その戦略的な位置づけを見直し、事業ポートフォリオ上の投資割合は引き下げます。今後は、中長期的な成長の柱となる主力IPを中心に、フルゲーム開発の強化により一層注力していきます。一方で、GaaSへの取り組み自体は継続し、セガとRovioとの連携をさらに強化していきます。Rovioにおいては、既存タイトルの運営改善を着実に進めるとともに、映画を起点としたトランスメディア展開やライセンス・マーチャンダイジング事業の拡充を通じて、再成長を目指していきます。
2027年3月期には4本の主力新作タイトルを投入する予定であり、これらの取り組みを通じて、エンタテインメントコンテンツ事業のさらなる成長を実現していきます。
遊技機事業においては、ヒットタイトルの創出により着実に利益を生み出しています。27/3期は、主力タイトル減少による反動減や部材費等高騰による原価増を背景に減収減益の見込みですが、主力タイトルや遊技機化初となる新規IPタイトルを複数投入するほか、パチスロの新筐体(分離筐体)におけるユニット販売を本格展開します。部材供給の懸念はありますが、ユニット部のみの販売であれば部材も限られるため、影響の低減にもつながると考えております。
ゲーミング事業においては、既存事業の着実な成長が見られた一方で、買収した2社の収益力の向上を実現する必要があります。既存事業であるゲーミング機器販売及びパラダイスセガサミーは引き続き収益貢献を見込みますが、成長基盤構築に向けた先行投資により、今期は損失幅拡大を見込んでいます。買収が完了したGAN LimitedおよびStakelogicについては事業再生プログラムを実施し、次期中期計画期間内において経常利益段階での黒字化を目指します。同時に、買収した2社の技術やコンテンツ及びセガサミークリエイションの顧客基盤などを活用しながら、ソーシャルカジノやスポーツベッティング等を含む B2Bソリューションの提供拡大を進めていきます。
サステナビリティにおいては、マテリアリティとして掲げている「人」において、4つの重要指標のうち、「マルチカルチャー人財の育成」、「女性活躍」、「職場環境整備」にて2030年目標を前倒しで達成しております。引き続き、「中核人財の育成」の目標達成および他指標のさらなる推進により持続的な感動体験の創造を支える人財を育てていくべく、人財の強化に取り組んでいきます。
今後も当グループの強みを最大限に発揮して感動体験を創造し続けることで、長期的・持続的な企業価値の最大化を追求していきます。
CFOメッセージ
資本効率を重視し、持続的な企業価値向上を目指します
私はこれまで経営企画部門及び人材開発部門を管掌してまいりましたが、2026年4月より、新たにグループCFOとしての責務も果たして参ります。これまで培った経営管理の知見を活かし、当社の財務体質をより強固なものへと進化させていきます。
当社は、企業価値最大化を目的とした資本効率重視の経営システムを基に、エクイティスプレッドの拡大と積極的な株主還元による、TSR(株主総利回り)の拡大を進めています。
エクイティスプレッドを拡大していく構成要素として「利益成長」「資産効率向上」「資本コスト最適化」の3つがあります。一つ目の「利益成長」は、当グループの主力事業それぞれの事業効率を高めることで目指していきます。エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野において、安定的な利益成長を図る体制の確立を目指すとともに、環境変化に対応するため新たな収益機会創出および成長にむけた事業投資を実行し、収益拡大を継続してきます。また、遊技機事業においては、規制環境の変化に対応した競争優位性のある製品の投入により、シェアの拡大と事業効率の向上を図ることで、安定収益を創出できる体制を構築していきます。「資産効率向上」については、各事業部門が資産効率と採算性の向上を意識した経営を実現するために、各事業のROICおよびモニタリング指標の導入を進めていきます。「資本コスト最適化」については、最適資本構成によるWACC低減、成長事業投資資金のデット調達、ESG強化による長期リスク低減等を通じて実現する方針です。
キャピタルアロケーションについては、中期計画(2025年3月期~2027年3月期)期間中に、コンシューマ分野の開発投資およびコンシューマ分野、ゲーミング領域を主な対象としたM&Aを含む戦略投資として、合わせて2,500億円の投資枠を計画し、投資を進めて参りました。しかしながら、直近の状況を踏まえて、キャピタルアロケーション方針を見直し、当面の間は大型M&Aを実施しない方針としました。また、事業規模の拡大に伴う運転資金の拡充や、自己株式取得に資金を再配分する事を決定いたしました。
引き続き、企業価値向上に向けて、投資家の皆さまの期待に応える財務戦略を実行していきます。