戦評・コラム
第96回都市対抗野球大会 東京都二次予選 2回戦 vs Honda
2025.06.14 [Sat] 10:00VS Honda
場所:大田スタジアム
4年ぶり現役復帰の陶久亮太らの好投で中盤まで接戦に持ち込むも初戦を落とす
ついに社会人野球最高峰の大会である第96回都市対抗野球大会の東京都二次予選が始まった。大事な初戦ということに加え、土曜の日中とあって両チームの応援席やバックネット裏はほぼ満員。熱気に包まれた中で試合は始まった。
大事な初戦のマウンド任されたのは尾﨑完太。今季のエースと期待される2年目左腕だったが、初回から毎回走者を背負う苦しい投球を強いられた。3回に内野安打と連続四球からピンチを招くと、サードへの内野安打で1点を失う。続く4回にも2死からバント安打と盗塁、二塁打を浴びて2点目を失った。
ここで西田真二監督は、4年ぶりに現役復帰した陶久亮太をマウンドへ送った。これ以上失点すれば主導権を完全に握られるところだったが「緊張せずに楽しむことができて、自分の投球ができました」と思いきりよく腕を振ってレフトフライに抑え、ピンチを脱出。かつて幾度もチームの窮地を救ってきた右腕が「ピンチで行くのは慣れているので」と追加点を許さない頼もしい投球を見せた。
その後も草海光貴、伊波友和と経験ある右腕がHonda打線に追加点を与えずに粘る。だが、8回裏に2イニング目となった伊波が代打・村田雄大に3ラン本塁打を浴び、9回は下薗咲也がワンポイントの役目をきっちりと果たすが、代わった長谷川優也が辻野雄大にタイムリー、小口仁太郎に2ラン本塁打を浴びるなど5点を失い、ダメ押しを許した。
打線はHonda先発左腕の東野龍二の老獪な投球の8回まで2安打に封じ込まれた。9回は代わった岡野佑大から代打の笠松拓真と福森秀太の連打や高島大輝の内野安打でチャンスを作るが、後続が続かず0対10の完封負けを喫した。
この結果により第3代表決定トーナメントに回ることになり、6月18日10時から大田スタジアムで、全府中野球倶楽部と明治安田の勝者と戦う。ここからは連敗すると即敗退となる厳しい戦いになるが、「負けは負けと認めて次へ行くしかない」と西田監督が前を向いたように、気持ちを切り替え3日後からの再起を図る。
文:高木 遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)
写真:政川 慎治







