戦評・コラム
第96回都市対抗野球大会 東京都二次予選 第3代表2回戦 vs 明治安田
2025.06.18 [Wed] 10:00VS 明治安田
場所:大田スタジアム
幸先よく先制も中盤以降に得点を奪えず敗戦 都市対抗出場へもう1敗もできない崖っぷちに
Honda相手に中盤まで接戦に持ち込むも終盤に大量失点し0対10で大敗した6月14日の東京都二次予選初戦から4日。気持ちを切り替え、明治安田との第3代表決定戦2回戦に臨んだ。
試合の入りは最高の形だった。先頭の植田匡哉が死球で出塁すると、この日2番に起用された高島大輝がセンター前安打で続くと、新人の加藤巧也がライト前安打を放ち、打者3人で先制点を奪った。さらにその後もチャンスが続くと、同じく新人の宮浦柚基が左中間への2点タイムリー。前戦では流れることが無かった「檄!帝国華撃団(サクラ大戦)」が初回からスタンドで響いた。
しかし、先発の草海光貴が波に乗れない。内野安打を含む2安打や味方失策2つで1死二、三塁のピンチを招くと、連続タイムリーを浴びて、あっという間に追いつかれてしまった。それでも直後の2回表、𠮷田高彰、高島の安打でチャンスを作ると、加藤が再びタイムリーを放って勝ち越した。流れはセガサミーかと思ったが、これがこの日最後の得点となってしまった。
2回から4回は、初戦で見事な火消しを見せた陶久亮太が「流れを持ってこようと投手有利なカウントで投げることができました」と振り返ったように、ストライク先行のテンポの良い投球で明治安田打線を無失点に抑えていった。
だが、3回に中川智裕の三塁打で作った無死三塁のチャンスをモノにできないなど得点を奪えずにいると、5回からマウンドに上がった田中法彦が四球と安打でピンチを招き同点打を浴びた。
6回からは初戦の先発を任された尾﨑完太を投入。6回は3四死球でピンチを招きながらもなんとか凌いだものの、7回に連打とバント安打で無死満塁のピンチを招くと、犠牲フライ、2点タイムリー、スクイズで4点の勝ち越しを許した。
打線も8回に2死満塁のチャンスを作るが、相手のピックオフプレーによる牽制で一塁走者が刺されてしまうなど、最後までリズムが作れず。試合の入りこそ良かったものの、中盤・終盤に持ち味が出せず、悔しい連敗となった。
それでもまだチャンスは残る。19日10時から始まる第4代表決定トーナメントで3連勝すれば最後の枠をかけた代表決定戦(7月4日18時から神宮球場)に進むことができる。主将の高本康平が「去年と違って連敗で終わりではない」と話すように、西田真二監督らスタッフ、選手たちは「やるしかない」と口を揃える。
都市対抗出場のためにはもう1敗もできないが、今年のスローガンに掲げた『喝!克!勝!~カツにこだわれ~』の言葉通り、自らに喝を入れ、プレッシャーに打ち克ち、勝利をもぎ取っていく。
文:高木 遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)
写真:政川 慎治







