戦評・コラム
2026年セガサミー野球部/シーズン展望 初代主将の新監督のもと求める現状打破と「あるべき姿」
2026/03/05
初の「生え抜き」監督
昨年、2005年の創部以来初めてとなる2年連続での二大全国大会進出を逃したセガサミー野球部。
社会人野球最高峰の大会である都市対抗で2020年、21年と2年連続4強入りに導いた西田真二監督が退任し、新たに就任したのは佐藤俊和監督だ。
創部時の初代主将。セガサミー野球部に在籍した選手から監督になったのは初めてのケースになる。
「やりがいしかないです。苦しい状況ですが、挑戦することやチームが1つになるきっかけを自分が作れたらと思います」と意気込む。
大切にするのは細かなことだ。
「当たり前のことを当たり前にできる準備は特に大切にしています。勝てないと、どうしても打たなきゃ抑えなきゃとなってしまいがちですが、根本はもっと下のところ。根がないと木は育たないですし、花を咲かせるための土台が必要だと思っています」
トレーニングをやりきる、ダッシュを最後まで走りきる。こうした小さな積み重ねが勝利へ繋がっていくと考えている。
また、2018年から21年まで野球部を離れて、社業に専念していた際の経験も大いに生きる。
「知らなかったのは情けないのですが、野球部が“ここまで“見られているんだ。応援されているんだ”と感じました」
「三方よし(売り手良し、買い手良し、世間良し)という言葉をすごく大事にする部署でした。野球部に例えると、選手がいて、応援してくれるファンがいて、野球を全く知らない人にも“野球っていいよね”って思える集団でないといけません」
だからこそ、あるべき姿を説いた『行動指針』を練習前に全員で声に出すことにした。そして成績の目標は当然、都市対抗と日本選手権の優勝。そのためにもまずは3年ぶりの出場権を掴むことだ。
チームには20年の歴史がある。たくさんのOBたちにも「セガサミー野球部で良かった」と誇りを持ってもらえるような戦いを目指している。
新主将と新戦力
新監督とともに就任したのが新主将の北川智也だ。福井工大福井高校を卒業後、入社し今年で9年目。その在籍年数の長さや副将を数年務めた経験や、積極的に声を出す姿勢も買われ、佐藤監督から任命を受けた。
目指す主将像を北川に聞くと「何をするにしても手を抜かず、1番にやることを心がけています」と話す。まさに佐藤監督の目指す姿で、先頭に立って背中で示す覚悟だ。
2年間、都市対抗と日本選手権に出られなかっただけに社業に携わる時間も多かった。その中で「出られなかった時の温度感も出た時の盛り上がりも知っています。期待してくれている、楽しみにしてくれているなと感じました」と再認識した。
選手にとっても社員やファンにとっても「都市対抗はお祭り。お祭りは楽しいので」と話す。「予選は過酷ですけどね」と苦笑いも浮かべるが、「佐藤という船に乗ったので、どれだけ信じてやっていくこと。勝つことにどれだけ向いていくかだと思います」との言葉には、大きな頼もしさを感じさせられた。
戦力としては、悔しい思いを糧とする選手たちに加え、新戦力6人が一挙に加入。投手に吉野蓮、樫村佳歩、山口謙作、中村匡伸、捕手に立花祥希、外野手に黒川怜遠といった豊かな将来性を持った選手たちの中には、すでにオープン戦で好アピールを見せている者もいる。
まずは3月から始まる公式戦、JABA東京スポニチ大会と、都市対抗予選の前哨戦となるJABA東京都企業春季企業大会でどんな姿を見せてくれるのか。
今年こそ社員やファンを大いに沸かせる1年にしたい。
文・キャンプ時写真:高木遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)