戦評・コラム
第80回JABA東京スポニチ大会 リーグ戦 vs 日本製紙石巻
2026.03.07 [Sat] 12:00VS 日本製紙石巻
場所:等々力球場
主将・北川智也の決勝打や植田匡哉の4打点の活躍で公式戦初戦を制す
今年初の公式戦となったJABA東京スポニチ大会初戦は、日本製紙石巻に打ち勝って白星スタートとなった。今季から指揮を執る佐藤俊和監督にとっても、これが嬉しい公式戦初勝利となった。
入社7年目の中川智裕、植田匡哉が打線を引っ張った。2回に先頭の4番・加藤巧也が内野安打で出塁すると、植田が犠打で得点圏に走者を進める。ここで6番・中川が「チャンスだったので初球から絶対にいこうと思っていた」と変化球を捉えると、打球はレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打となり先制点をもたらす。さらに3回には新人ながら1番の黒川怜遠がセンター前に運ぶと、相手の守備の乱れもあり1死満塁の絶好機を迎える。ここで植田が「チームで相手投手に球数を投げさせるような野球をしようと言っていた」との言葉通り、追い込まれてからファウルで粘り、押し出し四球をもぎ取ってガッツポーズを見せた。
しかし直後の4回表、3回までわずか1安打、三者連続も含む4つの空振り三振を奪っていた先発の長谷川優也が乱れる。先頭のファウルフライを強風の影響もあって野手が捕球できず。その後連打を浴びて走者を背負うと、1死後には死球を与え満塁に。吉井憲治ヘッドコーチがマウンドへ行き間を取ったが、その直後に6番・坂口雅哉に対してボール先行となるとライトへ逆転の満塁本塁打を浴び試合をひっくり返される。さらに代わってマウンドに上がった下薗咲也は四球、自らのけん制悪送球と流れを止められず5点目を奪われた。
それでも代わったベテランの伊波友和が後続を断ち試合を落ち着かせると、4回裏に先頭の主将・北川智也が左中間を破って二塁に到達し、新人の立花祥希がライト方向へのタイムリーを放ち反撃開始。5回には1死から植田、中川、谷口嘉紀の3連続二塁打が飛び出して一気に同点に追いつく。さらに北川に回ると、二塁走者の谷口は相手捕手が弾いた隙を見逃さず三塁を陥れる好走塁をみせ、北川も犠飛で応えて6対5と勝ち越した。
「自分が流れを持ってこられたらチームがさらに盛り上がると思った」と話す今年から主将の北川は持ち味の明るさだけでなく、思い切りの良さでこの試合2本の二塁打に決勝打とバットでも結果を残した。
投げては伊波が5回も続投してテンポよく三者凡退に抑えると、6回は新人右腕の中村匡伸が三者凡退と流れを引き寄せた。中村は2回を投げて被安打1本に抑える好投だった。
打線も6回に1死二、三塁のチャンスを迎え、加藤がサードフライに倒れたが、植田が強振するとレフトフェンスを越えるダメ押しの3ランに。「去年から加藤に頼りっぱなしだったので、あとは任せとけと思って打席に入りました」と最高の結果に笑顔を見せた。
8回はコーチ兼任の陶久亮太が安打は許したものの失点は許さず。9回は草海光貴が先頭打者にソロ本塁打を浴び、2死からフライのお見合いからピンチを背負ったものの最後の打者をサードゴロに仕留めリードを守り切った。
今季から指揮を執る佐藤俊和監督にとってこれが公式戦初勝利。試合後には第一声で「勝てたことは素直に嬉しい」と口にしたものの、「内容的には良くなかった」と表情は緩めず。複数回のバント失敗やフライの捕球ミスなどキャンプ、オープン戦を通して地道に積み上げてきたはずのことに綻びが目立った。
それでも2回から6回まで毎回得点で9点を奪った攻撃、好救援をみせた新人の中村には手応えを掴んだ。「(次戦の)JFE東日本さんは強いので今日のようにはいかないと思います。一つひとつ丁寧にアウトを取って、1点ずつ取れたらいいなと思います」とオフシーズンにやってきたことを、試合で出すことができるかが鍵になりそうだ。
文・写真=矢吹大輔(株式会社スポーツオフィスタカギ)