アニメから始まった、麻雀との出会い
佐野選手が初めて麻雀に触れたのは、中学2年生の頃。アニメ『咲-Saki-』を観たことがきっかけでした。女子高校生たちが麻雀部で切磋琢磨し、それぞれの個性を武器に勝負へ挑む姿に心をつかまれたと振り返ります。
佐野
登場人物一人ひとりの得意なことや個性がすごく面白くて、魅力的でした。「私も麻雀やってみたい!」と思ったのが始まりです。
―アニメに影響を受けてからプロライセンスを取得されるまでの10年間は、独学で麻雀の勉強を重ねたのでしょうか
佐野
テレビやインターネット中継で麻雀を見る機会がとても増えました。見ているのが当たり前になるくらい、麻雀が身近なものになっていきましたね。私の中では、麻雀は気合を入れて勉強するものというよりも、日常のひとつになりました。
麻雀の魅力は佐野選手の暮らしの中に自然と入り込み、存在感を増していきました。仕事を終えた後に仲間とセット(仲間内で行う対局)を楽しむ時間も増える中、当初は初心者だった佐野選手を支えたのが、セガのオンライン麻雀ゲーム『MJ』の存在でした。
佐野
麻雀を覚えるきっかけのツールとして、本当に長くお世話になってきたゲームです!MJの「チュートリアル」や「トレーニング」モードは本当によくできていると思いました。「麻雀を覚えたい」という人には、いつもMJを勧めてきたので、そのゲームを開発している企業グループの選手になれてご縁も感じています!他にも実はグループのコンテンツやサービスに触れていて、「龍が如く」や「ソニック」のゲームを遊んだこともありますし、韓国の『パラダイスシティ』にも行きました。プロバスケットボールの試合で唯一見に行ったことがあったのが、実は東京サンロッカーズ(当時:サンロッカーズ渋谷)のホームゲームなんですよ!
ゲームからスポーツチームの観戦に至るまで、セガサミーグループの様々なコンテンツに触れてきた佐野選手。なかでもMJは、対局を楽しみながら役やルールを少しずつ身に付けることができ、麻雀の世界への入口として最適なものだったと語りました。
実力が徐々につく中で、「リーグ戦に出て、もっと学びたい」という思いが佐野選手の中に芽生えます。タレント活動と並行しながら、2024年にプロテストを受験し、合格。合格後は所属団体のリーグ戦やタイトル戦に出場し、競技者として経験を積み重ねてきました。
―佐野選手にとって麻雀の魅力とはなんでしょうか
佐野
麻雀は時に実力以上の結果が出ることもあって、そんな状況に痺れながら自分の運を楽しむことも魅力だと感じます。でもなにより、勉強したことが確実に自分の力になっていくことが実感できますし、どれだけ学んでも終わりが見えない“沼”のような競技性が大好きで、本当に素敵な競技だなと感じています。
4人が同じ卓を囲んで、手元の牌と相手の選択から次の展開を読み、勝利を目指していく麻雀。自分の番が巡ってくるたび、場況を読み、アガリを目指して攻めるのか、相手のアガリを防ぎ守るのか、判断に迫られます。一つの選択が結果を大きく変えるからこそ、経験と知識を重ねるほどに見える景色が変わっていく――その奥深さこそが、佐野選手を惹きつけ、プロ雀士を目指す原動力となったのです。
「感情がジェットコースター状態」になった、ドラフト会議指名の瞬間
シーズン中は「ほぼ毎試合見る」と語るほど長年のMリーグファンでもある佐野選手にとって、2026年6月25日のドラフト会議は忘れられない一日となりました。指名を行うチームが発表され、会議が進行。ライバルチームであるU-NEXT Piratesの指名では、“あさぴん”の愛称で知られる元U-NEXT Pirates選手の朝倉康心(あさくら こうしん)さんが4年ぶりに再指名されるビッグサプライズが巻き起こり、佐野選手は1ファンとして涙したと話します。そんな興奮冷めやらぬ中、セガサミーフェニックスの指名選手として自身の名前が発表されました。
佐野
あさぴんさんの再指名に感情が大きく揺さぶられ、泣いている途中で私の名前が呼ばれました。嬉しさと安堵感もやってきて、感情がジェットコースターのようになっていました(笑)
発表直後には、麻雀ファンの友人・知人から祝福の連絡が相次いだといいます。さらに、ニュースやSNSを通じて幅広い層から反響が寄せられ、Mリーグが多くの人に愛され、大きな注目を集める舞台であることを改めて実感しました。
負けん気の強さで“攻めの麻雀“を見せる
―プロとしてのご自身の持ち味は何だと思いますか
佐野
私は結構負けん気が強い方だと思うのですが、強気な選択というか、強気な麻雀が強みだと思います。ただまだプロ歴は浅いですし、先輩雀士の皆さんには「攻めだけじゃなく守備も頑張りなさい!」と叱咤激励を受けています(笑)自分らしさを伸ばしつつ、戦略性をもっと取り入れられたら・・・という思いで日々頑張っています。
―セガサミーフェニックスの選手と練習する機会もあると聞いています
佐野
いまは醍醐選手によく教わっています。醍醐選手と言えば“先切り10段”※1という異名があるくらい、牌を早めに切っていくことでも知られていますが、私は「あれもこれも」と考えていろいろな選択肢を残してしまうタイプ。
醍醐選手の「読み」からくるスマートな決断と思考はすごいなと思います。練習の成果もあって“醍醐検定”※2も正解するようになってきて、たまに100点ももらえるようになってきました!
この調子で醍醐さんの麻雀も取り入れられるように頑張りたいです。
※1 先切り:将来不要になりそうな牌を早めに捨てておくこと。手の内を読まれにくくしたり、相手のアガリ牌となるのを避けたりする狙いがある。
※2 醍醐選手がどの牌を捨てるかを予想すること。
麻雀を通じ、ファンとともに成長する
―佐野選手は以前からInstagramやXなどSNSを通じてファンの方と交流していますが、Mリーグに関する発信も増えそうですか
佐野
毎回“勝ちました”ってつぶやきたいですよね(笑)それは夢として、勝利報告がたくさんできるようになったら嬉しいです。私は日頃麻雀の勉強会で様々なご意見を聞くのも好きなので、wingth※の皆さんとSNSを通じて牌譜検討(対局内容の振り返り)をしてみたいです。ファンの皆さんと一緒に成長していけたらいいなって思います。
※セガサミーフェニックスのファンネーム。読み方は「ウィングス」。
―二つ名は『麻雀小悪魔』に決まったそうですね
佐野
ちょっと気恥ずかしさはありますが・・・(笑)皆さんにすぐ覚えてもらえる二つ名がよかったので、気に入っています。ファンの方にはSNSでも小悪魔っぽいスタンプを投稿してもらって、交流してもらいたいです!
Mリーガー1年目の舞台へ
佐野選手はタレントとしての活動をつづけながら、Mリーガーとして新たな舞台に挑みます。生放送やドラマ、番組で見せるタレントとしての顔と、真剣勝負の卓に向き合うプロ雀士としての顔。その二つを併せ持つ佐野選手がMリーグ1年目にどのような姿を見せてくれるのか、期待が高まります。
佐野
Mリーガーになってからのインタビューなどでは、これまでの経験もあって、自分の考えを緊張せずきちんと伝えられたかなとは感じています。でも、試合では勝ち負けによって結構感情が揺らいでしまうタイプなんです。雀士として大きな舞台も少しずつ経験できてきているので、まずはMリーグという大きな舞台で気持ちを落ち着かせられるかが課題かもしれません。
佐野選手はこれまで、ファンの一人としてセガサミーフェニックスの戦いを見つめてきました。チームが初優勝を果たした24-25シーズンには、メンバーが感極まる姿に胸を打たれたといいます。
佐野
セガサミーフェニックスの皆さんから感動をもらってきたからこそ、今度はそのチームの一員として卓に座れることが本当に嬉しいです。チームが優勝した時の感動を、今度は私もチームの一員となって味わいたい。そして、もう一度ファンの皆さんと喜びを分かち合いたいんです。初めてのMリーグの舞台で正直不安に感じることもありますが、卓に座ったら自分らしく打ちたい。しっかり準備して臨むので、皆さん、楽しみにしていてください!
セガサミーフェニックスの真新しいユニフォームに袖を通し、力強く意気込みを語ってくれた佐野選手。チームの新たな翼“麻雀小悪魔”が放つ一打は、Mリーグの頂へと昇る強力な上昇気流となってチームを支えてくれるはずです。佐野ひなこ選手とセガサミーフェニックスが紡ぐ物語は、私たちにどんな感動体験を魅せてくれるのでしょうか。新たなシーズンから、目が離せません。
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