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コラム

サンロッカーズ渋谷・大森康瑛の現在地~プロ1シーズン目を終えて~

2025年6月4日

2023-24シーズンよりBリーグは新たに「U22枠選手制度」※(以下U22枠)を新設しました。このU22枠を利用し、サンロッカーズ渋谷にて「プロバスケットボール選手になる」という夢を叶えた大森康瑛(おおもり・こうえい)選手(194㎝/スモールフォワード)。都内の進学校である麻布中学校・高校に通いながら、サンロッカーズ渋谷U15、U18で活躍し、現在は国内でプロ選手と大学生活を両立する道を歩んでいます。今シーズンはレギュラーシーズン60試合中5試合の出場に留まった悔しさはありながらも、シーズンを振り返る彼の前向きな言葉はエネルギーに溢れていました。来シーズンに向けてさらなる成長を誓う“19歳”(2025年5月現在)の現在地に迫ります。

※U22枠とは、できる限り早い段階から高いレベルでプレーする選択肢や環境を提供することを目的に、クラブのユースチームに3か月以上在籍したことのある18歳以上19歳以下の選手をメンバー登録できる制度。大学に通いながらB.LEAGUEの大舞台でプレーする選択肢が与えられている

学ぶものが多かった1年に~体作りで体重は8kg増

―― U22枠の選手としてプロ1シーズン目が終わりました。振り返ってみていかがでしょうか

すごく充実した1年でした。プロとしてバスケットボールと学業を両立する最初の年だったので、昨年の夏に(当時ヘッドコーチの)ルカ(・パヴィチェヴィッチ)からは「プロ生活に慣れる1年にするといいよ」という言葉をもらった中で、バランスよく取り組めたと思っています。

プレータイムは少なかったのですが、フィジカル面や体の動かし方、シューティングやハンドリングも含めて全方向でコーチと相談して取り組めました。プロの世界で戦っていくためにケガをしない、且つ試合で押し負けない体作りが必要であることから、食事管理を徹底して、筋トレもほかの選手よりも何倍かのペース・ボリュームで行い、体の土台作りをしました。

―― 体重はどれくらい増やしたのですか

8kgぐらいです。昨シーズン終わりの登録体重が84kgで、今は92kgぐらいです。シーズン中は90kgから91kgぐらいにシェイプし、キープできました。トレーナーやストレングスコーチと相談して体の可動域を広げたり、エクササイズをしたりして、体を大きくしながらも動けるようになっています。

―― U22枠の選手としてプロ入りしたきっかけの一つは、元ヘッドコーチであるルカ氏からのオファーだったそうですね。プロとしてチームに所属した一年間の学びは大きかったのでしょうか

本当に学ぶことが多かったと思います。ルカヘッドコーチの戦術的なバスケットボールを学んで、一つ一つのプレーに意味があると知りました。また、それを正確にコートで体現している先輩方の姿を目の前で見ることは、自分がしたい動きをイメージしていく上で大事な経験でした。ルカヘッドコーチは熱量が高く、疑問があって質問をした際は僕の意見を受け止めた上で、求めている動き、またその理由を的確に説明してくださいました。バスケットボールは常に状況が変わるスポーツですが、ルカヘッドコーチは自分のやりたいバスケが言語化されていて、衝撃を受けました。

―― 日々の練習ではどんなことを求められ、どう応えていたのでしょうか

ルカヘッドコーチの求めるバスケットボールをオフェンス・ディフェンスともに的確に遂行することを求められていました。同じミスを繰り返さないことはもちろんですが、僕がコートサイドで見ている時間も、ルカヘッドコーチが何に注目をし、どんな動きをしたときに指摘をしているのか観察することを心掛けていました。

―― 観察の対象は、ポジションが近い田中大貴選手だったのでしょうか

そうですね。大貴さん、トロイ(・マーフィージュニア)を参考にしていました。ただ、僕は自分のスタイルが確立されているわけでないので、吸収できるものは全て吸収しようと思い(ベンドラメ)礼生さん、サップ(=アンソニー・クレモンズ)といったガードの選手の動きも見ていました。

糧となった5試合の出場経験

―― 一方で、コートに立てない歯がゆさもあったと思います。サンロッカーズ渋谷U15、U18では中心選手でしたが、今シーズンは立場が変わりました

もっと試合に出たいという気持ちはありました。ただ、ルカヘッドコーチの求める戦略レベルはすごく高く、練習中にも、理解はできても体の動きが追いつかなかったり、判断ミスをしてしまったり、もどかしさもありました。

それでも体が動かない原因を究明すると、例えば自分の体の向きが右側に寄りがちという課題が見えて、改善に取り組みました。悔しい気持ちはありましたが、チームの勝利に貢献できる状態になるまで、まだまだやれることがたくさんあるぞと前向きに試行錯誤を続けることができたと思います。

―― そんな中で5試合に出場し、合計で6分1秒のプレータイムを刻みました。わずかな機会でしたが、コートに立った経験はどう振り返っていますか

コートに立ってプレーできた時間は、大きな経験になりました。完璧ではありませんが、試合に出られない期間に取り組んできたディフェンスのフットワークや、シュートにいくべきかの判断には、ある程度手応えを感じています。

―― ホームの青山学院記念館(以下青学)では、横浜ビー・コルセアーズ戦 GAME1(4/26)と、アルバルク東京との東京ダービー GAME2(5/4)で出場しました。特に東京ダービーでは満員となりましたが、あの空間はどう感じましたか

青学はユース時代からプレーした経験がありましたが、満員のお客さんの前でプレーするというのは、エモーショナルな体験でした。僕が海外の大学へ進学せずに国内でプロになると決断した理由の一つも、昨シーズン青学で観客を沸かせる礼生さんやジョシュ(・ホーキンソン)のプレーを見て、自分もそこに立ちたいと思ったからです。そこに今シーズン立ってプレーができたことはすごく嬉しかったですね。

ただ、あの舞台を経験したからこそ、もっとコートに立ちたい、もっとチームの勝利に貢献したいという思いも芽生えてきました。

「価値観が変わった」職業講話

―― 一方で、今シーズンはプロ選手としてオフコートの活動もありましたね。クラブの社会貢献活動である『S-Ring』の一環で、東京都中野区内の中学校へベンドラメ選手やホーキンソン選手と職業講話に行かれました。プロバスケットボール選手として見られた場面だったと思いますが、その経験からはどんな学びがあったのでしょうか

中学校への訪問で、僕の価値観が変わりました。プロ選手になってみないと感じられない経験であり、今シーズン記憶に残っている出来事のうちトップ3に入るぐらいです。プロバスケットボール選手はファンの皆さんや子どもたちへの影響力があり、自分の一挙手一投足がポジティブな気持ちを与えることにつながるのだと、生徒の方の表情や感想を聞いて間近に感じました。

プロバスケットボール選手が次世代をインスパイアするという目的にすごく賛同できますし、これからも続けていきたいと思います。いまはクラブとしての活動ですけど、ゆくゆくは自分なりにできることも考えていきたいですね。

講話ではおススメの勉強法の話なども行われた
―― 中学、高校と文武両道に励んできた大森選手の言葉とあって、 年齢の近い中学生の皆さんにも響いたのだろうと想像しています

僕の勉強法は特別なものではありませんが、それこそ壁にぶつかったときの対処法などが、少しでも中学生のヒントになれば良いなと思います。質疑応答で感じましたが、高校受験を控えるとどうしても将来が不安になるので、僕の経験や取り組みが少しでも助けになれば良いなと思って答えていました。自分も学ぶことがあって、楽しかったです。

(該当講話コラム:中学生企画の講演会にサンロッカーズ渋谷が『S-Ring』プロジェクトで貢献!

海外への武者修行に挑戦

―― いまオフシーズンを迎えましたが、Bリーグとオーストラリアトップリーグ・NBLとのパートナーシップに基づき、大森選手がNBLの下部リーグとその育成リーグに3カ月間派遣されることが発表されました。立候補されたそうですね

海外リーグで自分よりも身長の高い相手に挑戦できる良い経験になると思って、チームには海外に行きたいという思いを以前より伝えていました。今シーズン、個人として成長を感じた一方で、試合に出てチームの勝利に貢献するということはできず、ファンの方々に自分の姿を見せることができなかったと感じています。

だからこそ、試合に出られる環境があるのは楽しみですね。オーストラリアでは今シーズン取り組んできたスキルやバスケットボールへの理解力がどれだけ通用するのか試せることにワクワクしています。

ただ、サンロッカーズ渋谷を代表して派遣される立場でもあります。まずディフェンスを頑張り、オフェンスでは状況判断をしっかりと行って、チームに必要とされる存在になれるよう頑張っていきます。

                  取材日も派遣に向け自主練習を重ねていた大森選手
―― NBL派遣は佐取龍之介(さとり・りゅうのすけ)選手(琉球ゴールデンキングス)とともに、Bリーグとしても初の試みです。その期待も感じているのでしょうか

サンロッカーズ渋谷U15からU18へ昇格したとき、クラブとして初の選手でした。最初に行ける立場は光栄であり、後進の選手たちに対して責任も伴います。結果を残すことへ貪欲にやっていきます。

―― 大森選手のバスケキャリアは前例が無いケースが多いと感じました。ユース時代のU15からU18への初昇格や、U22枠として初の契約もそうです。道を切り開く挑戦を楽しめるタイプですか

「初めての試み」というワードに心が踊ります。自分なりに道を見つけて新しいことに取り組んでいく難しさはあるものの、その分得られるものもたくさんあります。これからバスケットボールでも勉強でも新しいことに挑戦していきたいです。

                              B.LEAGUEモテ男No.1決定戦でメンズノンノ賞を受賞し雑誌モデルを務めたことも『新しい挑戦』の1つだ
―― とても前向きな姿勢です。どう身につけてられたのでしょうか

もともと自分は一人で考えるのが好きなタイプでした。友だちや先輩、家族にも相談しますが、自分は何がしたいのか。設定した目標を実現するためにやるべきことを考え、達成していくのが好きです。そうすれば自分の自信にも繋がります。

ですから、今シーズンの収穫の一つとして、プロ選手としてプレーする上で最も重要なのは『自信』なのだという気づきがありました。僕は、トロイが試合に出続けることで自信がついて、シーズン終盤にはどんどん活躍していったと感じています。彼も「試合からしか得られないものもあるし、練習とは全く別物だよ」と言っていたぐらいです。

やはり、試合に出て自分の力が通用するのか理解をして、一つ一つのプレーを積み上げていく先に自信が生まれていく。これが試合で活躍する可能性を上げるために、一番重要だと思うようになりました。

 

そういう意味でも、オーストラリアで通用できるよう努力して試合経験を積むことは、自分の自信を向上させることに絶対つながると思います。その自信を得られれば、バスケットボールに対する自分の姿勢にも大きな変化を与えられ、一皮むけてサンロッカーズ渋谷にまた合流できるので、皆さんの期待に応えられる挑戦にできたらと思います。

                  優しい口調の中にもみなぎる闘志を感じた
―― 派遣先のオーストラリアで20歳の誕生日を迎えます(2005年6月29日生まれ)。最後に、この先1年をどうしていきたいか抱負を聞かせてください

20歳になるのが信じられないです(笑)でも、20歳になるといろいろと変わります。人生のチャレンジとしてバスケットボールも、学業も、プライベートも充実させたいですし、プロの世界でお給料をもらっている分、責任も伴います。頑張ることは無限にあります。

20歳の節目は、サンロッカーズとしても渋谷ホームのラストシーズンであり、クラブ創設90周年というメモリアルなシーズンになります。来シーズンこそ絶対更なるプレータイムを得て、チームに貢献できるよう頑張っていきたいと思います。

プロ1年目を終え、フィジカル面や語学面を含めたさらなる成長が期待される大森選手。

ユース時代も含めるとサンロッカーズ渋谷の一員としては『ラッキー7』の7シーズン目を迎える背番号『77番』の若武者の、今後の活躍に注目です。

 

 

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