戦評・コラム
2024年セガサミー野球部/第95回都市対抗野球大会東京都二次予選が幕を開ける!
2024/05/17

95回目を迎える都市対抗野球大会の東京都二次予選が、5月20日に幕を開ける。今年も4つの代表権をかけた熱戦が予想される中で、セガサミーは開幕日の第2試合、大田スタジアムでのゴールドジムベースボールクラブとの初戦を迎える。目指すは、5年連続15回目の本大会出場だ。
今シーズン、チームの好不調の波は激しい。東京スポニチ大会では、投打の歯車が噛み合ってリーグ戦3連勝を飾り、決勝トーナメントに進出した。準決勝で今年から同地区となるHondaに2点差で敗れたが、大会を通じて大きな収穫があった。だが、3月末に行なわれた東京都企業春季大会では、チーム状況が暗転。2試合連続のコールド負けが象徴するように、3戦全敗で8位に沈む。苦しい流れは、5月に行われたベーブルース杯でも変わらない。信越硬式野球クラブ、王子、そして結果的に優勝することになる日本製鉄東海REXとのリーグ戦で全敗を喫して、不安を残したまま都市対抗予選前の公式戦を終えた。
だが、逆境を跳ね返し、土壇場での強さを見せるのがセガサミーだ。投手陣では、力強いストレートで打者をねじ伏せる古屋敷匠眞、マウンド上で気迫を見せながら、安定して試合を作ってくれる舘和弥が先発を担う。春先は出遅れたが、予選に向けて徐々にパフォーマンスを上げてきた草海光貴、さらにルーキー左腕で150キロ超のストレートを誇る尾﨑完太が先発に加われば、大きなアドバンテージになることは間違いない。そして、今シーズンの戦いで目を引くのは、セットアッパーの右腕・田中法彦、抑えを担う左腕・荘司宏太の無類の安定感だ。同い年でもある両輪は、互いの実力を認め合う間柄にして、切磋琢磨できる仲間。
「野球部の寮でも一緒に話しているんです。今シーズンは『二人で試合終盤に頑張れたらいいな』って。でも、荘司には負けたくない」
クスッと笑いながら田中はそう言うのだが、ライバルでもある二人がマウンドに上がった時、おのずと勝利は近づくはずだ。
攻撃陣では、上位打線を担う北川智也と植田匡哉が好調を維持しているのは明るい材料。出塁率が高く、長打力も兼ね備える両者が、得点力のカギを握りそうだ。高本康平、中川智裕、黒川貴章、高島大輝といった経験と実績を誇る各打者の奮起が待たれる中で、いかに先取点を奪い、試合を優位に運ばれるかが重要である。歴代のチームが築いてきたセガサミーの「畳みかける攻撃」ができれば、勝利を積み重ねることができるはずだ。
何度となく苦しい状況から代表権を獲得して、その喜びを味わってきたベテラン勢。投手では横田哲、石垣永悟、野手では須田凌平、砂川哲平、宮川和人といった10年以上もチームを支えている彼らの経験値は大きい。トーナメントの大会において重要な要素となる「勢い」を考えれば、武冨陸、岩本大地、尾﨑、下薗咲也、神山福生といったルーキーの活躍も大きなポイントになるだろうか。
一昨年の2022年は、初戦から2連勝したが、代表決定戦で3連敗を喫した。それでも、最後の一枠に滑り込んで第4代表を獲得。そして、23年は第1代表決定トーナメントの準決勝、第2代表決定トーナメントの初戦で敗れたが、同じく第4代表決定戦で延長タイブレークの末に勝利して「東京最後の枠」に滑り込んだ。今年も「激戦区・東京」を勝ち抜くことは、決して容易なことではない。それでも、彼らは目指すべきものを掴み取ってくれるはずだ。
今こそ、ワンチームに――。東京ドームへの切符をかけて、いよいよ熱い戦いが始まる。