コラム
パラリンピック金メダリスト!欠端瑛子選手の人生を変えた「ゴールボール」の魅力とは
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2023年4月14日
今回はセガサミーホールディングス株式会社に所属し、現在ゴールボール日本代表「オリオンJAPAN」の一員として活躍する欠端瑛子(かけはた・えいこ)選手にインタビュー!
ロンドン2012パラリンピックではゴールドメダリストに輝き、東京2020パラリンピックでも銅メダルを獲得した欠端選手。ゴールボールを始めたきっかけや競技で得た感動体験、パリ2024パラリンピックへの思いなどを伺いました。
今回は動画にて欠端選手がプレーする様子、インタビューもお伝えします!そちらも是非ご覧ください!

ゴールボールとは
アイシェード(目隠し)を装着した状態で、鈴が入ったボールを投げ合い、聴覚と感覚を頼りにゴールを狙うチームスポーツ。
プレー中、ベンチの選手やコーチ、観客などは声を出してはならず、鈴の音と味方の声を頼りにボールを投げ合うことから「静寂の格闘技」とも呼ばれています。

- ―ロンドン2012パラリンピックでは優勝、東京2020パラリンピックでも銅メダルを獲得するなど、華々しい経歴をお持ちです。ゴールボールを始めたきっかけはなんですか?
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私は生まれつき先天性白皮症(アルビノ)で視力が弱く、高校は盲学校に通っていました。そこでの体育の授業でゴールボールをしたことが最初の出会いでした。転がってくるボールは重さが1.25キロあり、重くて硬いんです。そのため、最初はすごく怖かったのですが、高校2年生の時にゴールボールの関東大会があり「メンバーが足りないので一緒に出よう」って友人に誘われたんです。実際に出てみると「思ったより楽しいかも」と感じ、競技をスタートしました。
- ―競技の魅力を教えてください
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一つ挙げるとするならば、誰でも参加できるところです。アイシェードという目隠しをすれば、健常者でも障がいがあっても誰でも体験できるというのが魅力で、国内大会だと健常者も一緒になりチームで大会に出たりしています。


- ―ゴールボールに出会ってからご自身がどう変化しましたか?
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アルビノの影響で視力が低いので、普段歩いている際に、様々な表示が見えなくて道に迷ってしまったり、買い物するのにも商品がどこにあるのか、どういった商品なのか分からなかったりします。ゴールボールに出会う前はそういったことが嫌で塞ぎこみがちだったと思います。元々スポーツもそんなに好きではなかったし、人と話すこともすごく苦手なところがあったので・・・けれど、ゴールボールはチームスポーツでもありますし、目を隠して行う競技なので、声を出さないと味方に意思が伝わりません。自分の意思や思っていることを口に出して、しっかり人に伝える。このことができるようになったのは、ゴールボールに出会ってから私が変わった部分だと思います。
- ―性格にもいい変化があったと聞いています
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周りからは「凄く積極的になったね」と言われます。
競技を始めたばかりの頃は大きな声が出せず怒られる時もあったのですが、今ではベンチにいるチームメイトから「うるさい」って言われるくらい、誰よりも声を出せるようになりました(笑)

遠心力によって投げる際に鈴の音が鳴りづらいため、隙をついた攻撃に繋がるという
- ―2015年に新卒でセガサミーホールディングスに入社されました。セガサミーグループは『感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~』というミッションを掲げ各事業を展開していますが、欠端さん自身はゴールボールでどんな「感動体験」をされましたか?
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勝つことの嬉しさを知ったのが感動体験です。勝つと自分も感動しますし、競技を見てくださる方にもすごい大きな感動を与えられると感じています。勝負することの楽しさというのもゴールボールに出会う前はあまり知らなかったので、競技を通じて勝負をして勝つことの嬉しさ、負けることの悔しさも学べたことはよかったです。
- ―来年にはパリ2024パラリンピックが控えています。意気込みをお願いします
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ゴールボール代表は、男女ともパリ2024パラリンピックの出場権がまだ手に入ってないので、まずはそこを目標に頑張っています。出場権を得るためには8月にイギリスで行われる国際大会で優勝しなければなりません。去年の世界選手権でパラリンピックの出場権をとれなかった各国がエントリーしてきますので熾烈な戦いになると思いますが、絶対に勝ちたいと思います。

- ―今回の企画をきっかけにゴールボールに興味を持つ方もいらっしゃると思います。競技ではどんなところを見て欲しいですか
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ゴールボールは「駆け引き」が特徴的です。音のフェイクを出して相手を惑わせたり、ポジションをあえてずらして「なぜ今ここにこの選手が入ってきたのだろう」と、相手を混乱させたりする競技性もあります。なかなか伝わりにくいかもしれないのですが、そういった部分を気にしながら見てみると、さらに面白いと思います。
インタビューの受け答えからも、その柔らかな雰囲気が伝わってきた欠端選手。実際に回転投げのボールを受けてみると、話し方とは裏腹にボールのパワーが凄まじく、パラリンピック金メダリストの実力をしっかり感じることができました。
今回の取材時に撮影した欠端選手の迫力あるプレーの模様、インタビューなどはSEGA SAMMY GROUP公式YouTubeチャンネル内でお届けします!そちらも是非ご覧ください!
撮影場所提供:アイルしながわ
東京都品川区東品川2-3-2
【パラスポーツやアート活動などの施設利用を通じて、しながわの賑わいを創造する品川区の施設】

