コラム
“鉄人”や家族連れも参加~『バーチャファイター』初の公式世界大会アジア予選に密着!
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2025年7月24日
7月6日、セガサミーグループ本社(東京都品川区)にて『バーチャファイター』シリーズ初の公式世界大会予選のひとつ『VIRTUA FIGHTER Open Championship ASIA Qualifier in JAPAN』が開催されました。北米、欧州、アジアの3地域にて予選が行われる本大会は、各予選を勝ち抜いた10人のプレイヤーにより優勝賞金10万ドル(約1400万円)をかけてバトルが行われる『グローバルファイナル』の開催が予定されるなど、eスポーツシーンで話題となっています。格闘ゲーム史にその名を刻んできた“バーチャ”。往年の名プレイヤーや世代を超えたエントリーも見られたアジア予選に密着した、熱狂の1日を振り返ります。

“3D格ゲー”の金字塔『バーチャファイター』とは
バーチャファイターは、世界初の3DCG格闘ゲームとして1993年にアーケードゲームの稼働が開始されました。略称の“バーチャ”として親しまれ、シンプルな3ボタン構成(パンチ・キック・ガード)と、接近戦の駆け引きによる“読み合いの奥深さ”が人気を博しています。3DCGで格闘アクションを表現したその先進性がデジタルゲーム史の発展に貢献したとして、アメリカの『スミソニアン博物館』に日本ゲーム界としては初めて“永久所蔵品”として収蔵。現在の最新作は『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』(2025年1月28日リリース)。昨年冬にはシリーズ完全新作となる『New VIRTUA FIGHTER』Projectが発表され、注目が高まっています。

177人が集結、セガサミーグループ本社が“熱き戦いの場”に
177人のプレイヤーがエントリーした『VIRTUA FIGHTER Open Championship ASIA Qualifier in JAPAN』。会場となった東京都品川区にあるセガサミーグループ本社内のイベントスペースは、試合開始を待ちわびるプレイヤーの皆さんの熱気に包まれました。試合で使用するコントローラは、各自が持参するルール。日々の練習での汗と努力がしみ込んだ各々の“相棒”を手に、戦いの時が待たれます。



色褪せない30年前の衝撃~“鉄人”池袋サラ
1993年の登場以来、実に30年以上の歴史を数える『バーチャファイター』シリーズ。当日のイベント会場には90年代からバーチャ界で名を馳せ、“鉄人”※の称号を持つ往年の名プレイヤーの皆さんの姿もありました。その中の一人が、90年代に行われていた『バーチャファイター』公式大会での優勝経験もある、池袋サラさんです。
※『バーチャファイター』シリーズにおいて、ゲームセンターなどで高い実力を誇った強豪プレイヤーのこと。100人と順番に戦う「100人組手」イベントなどで活躍し、その中でも特に優れたプレイヤーが「鉄人」と呼ばれている。

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池袋サラさん:
30年以上前、アーケードゲームで初めて目にしたバーチャの3D対戦画面には、本当に感動しました。「3Dで格闘ゲームができる!」という技術的革新の衝撃が忘れられず、アーケードゲーム時代から今に至るまで、バーチャファイターをプレイしなかった日はないと思います。
なんと初登場から32年目となるバーチャを、未だにほぼ毎日プレイし続けてくれているという池袋サラさん。
まさにレジェンド級の大ファンといえます。

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池袋サラさん:
こうしたイベントでバーチャの人口が増えてくれると嬉しいですし、もっと色々な年代の人に遊んでもらいたいですね。私は今年60歳を迎えますが、老後は今後リリースされる『New VIRTUA FIGHTER』Projectのゲームを思う存分楽しんで、余生を過ごしたいと思っていますよ(笑)。リリースを楽しみにしています!
eスポーツシーンの盛り上がりにより、近年は国内格闘ゲーム界のレベルも底上げされたと語るベテラン・池袋サラさん。この日は惜しくも途中で敗退となりましたが、プレイを始めてから30年以上経った今でも、バーチャへの情熱はまだまだ尽きることがありません。
父から子へ~受け継がれる“バーチャ”のバトン
会場では親子3人でイベントへの参戦を果たしたファミリーの姿もありました。
ハンドルネーム・氣志團さんご一家です。

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氣志團さん:
私はバーチャファイターを25年以上はプレイしています。今日は21歳と17歳の息子2人と3人でエントリーしました。
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氣志團 Jr.さん(次男):
幼い頃から父がバーチャをプレイしてきたのを見ていました。『バーチャファイターeスポーツ』(2021年6月1日リリース)がリリースされるタイミングで僕も興味が湧き、兄と一緒にバーチャを始めました。ゲーム内では相手に大技を当てられた時が一番楽しいですね。

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氣志團さん:
バーチャをアーケードでプレイしていた頃は、それこそ家が建てられるのではないかというくらい、コインを使いましたよ(笑)。バーチャは他の格闘ゲームと違い、技を避けたり“対人間“と戦っている感覚になれるところが、私にとって面白いと感じるポイントですね。のちに結婚して子どももでき、人生のステージが変わる中でも、古参の知り合いの方との交流も続いていてプレイできています。自分が遊んできたゲームを我が子と一緒に遊べることは感無量ですし、これからはU-20大会の開催といった、若いプレイヤーに対してさらにバーチャを広めてほしいですね!

この他会場では、幼い頃お父様に連れて行ってもらったゲームセンターで遊んだバーチャの思い出が忘れられず、オープンチャンピオンシップ情報解禁日から毎日練習を重ねた女性プレイヤーの方がeスポーツ大会初出場を果たすなど、様々なバックボーンを持った選手の皆さんと出会うことができました。登場から30年以上の年月を重ねてきたバーチャファイターだからこそ、世代を超えた思い出や繋がりが生まれているのかもしれません。
1/177 の頂点へ
優勝者ただ一人が『グローバルファイナル』への出場権を手にする、この日のアジア予選。決勝戦(グランドファイナル)はVirgo選手と、とんちゃん選手が争いました。3セット先取で勝利となるルールのもと、決勝では互いに2セットずつを取り合いファイナルセットまでもつれ込む大接戦!


最後はVirgo選手が連続技を繰り出し勝利をおさめ、参加者177人の頂点に立ち、来年に行われる予定の『グローバルファイナル』出場権を獲得しました。


バーチャファイターの未来
今後も各地域での予選が続いていく『VIRTUA FIGHTER Open Championship 2025』。
シリーズプロデューサー・青木盛治(あおき・せいじ)さんにも想いを伺いました。

- -青木さんが思われるバーチャファイターの魅力を教えてください
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青木プロデューサー:
一言で言うと『シンプルかつ、奥深い』ということです。使用ボタンは3つのみのシンプルな操作性は、様々なプレイヤーの方に触れてもらいやすいのではと考えています。“奥深さ”を生み出しているのは、そのシンプルな操作性の中において高速で行われる判断力や、相手の動きを読む思考力、そのための経験値も必要になってくるところではないでしょうか。対戦者同士の読み合いによる状況判断の積み重ねがヒリヒリした試合展開を生み出していくため、そこに魅力を感じていただいているプレイヤーの方も多いのではと思います。
- -昨年冬に『New VIRTUA FIGHTER』Projectの始動も発表されました
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青木プロデューサー:
バーチャファイターは、これまで国内のイベントが中心で海外のファンの皆様に楽しんでいただく機会は決して多くはありませんでした。2006年以来となるシリーズ完全新作が開発される新たなプロジェクトを盛り上げるためにも、こうした大会を通じて世界中のバーチャコミュニティを呼び起こし、さらに発展させていければと考えています。世界3地域にて行われている予選では遠征するプレイヤーの方もいらっしゃり、アメリカ・イリノイ州で行われた北米地域予選では日本人プレイヤーの方が優勝しました。“オープンチャンピオンシップ”という名の通り、地域を超えてプレイヤーコミュニティが活性化していく開かれた大会になるよう我々も場を作り上げていきたいですし、国際色豊かな本大会を通じて、往年の“鉄人”の皆さんのような、新たなスターが生まれてくれたら嬉しいですね。さらに熱いバトルとなること必至の『グローバルファイナル』にも、是非ご期待ください。
『グローバルファイナル』の開催、そして『New VIRTUA FIGHTER』Projectへ向けたさらなるコミュニティ活性化へ。往年のファンはもちろん、プレイヤースピリットのバトンも受け継がれているバーチャファイターの今後が、ますます楽しみとなったアジア予選となりました。
【VIRTUA FIGHTER Open Championship】ASIA Qualifer in JAPAN アーカイブ動画は下記をご覧ください
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