戦評・コラム
2024年JABA東京都企業春季大会 5、6位決定戦 1回戦 vs 明治安田生命
2024.03.22 [Fri] 9:00VS 明治安田生命
場所:大田スタジアム
1回裏、先発の舘和弥が四球と野手の失策で二死二、三塁とされ、5番打者にセンター前への2点タイムリーヒットを浴びて先制を許した。攻撃陣が反撃に転じたのは、その直後だ。2回表の先頭となった4番中川智裕が、バットを折りながらライト線への二塁打を放つ。5番高島大輝のファーストゴロで一死三塁に。6番植田匡哉がライトへの犠飛を放って1点を返す。さらに、7番福森秀太が右中間を深々と破る特大の三塁打。内外野の中継プレーが
乱れる間に、福森が一気にホームを陥れて同点とした。
打撃戦の様相か……。だが、互角に点を取り合った時間は一瞬だった。
2回裏、イニングの先頭となった7番打者への死球を起点に一死二塁とされたマウンドの舘が、9番打者に初球をレフトスタンドへ運ばれる2ラン本塁打を食らって勝ち越しを許す。直後に先発右腕からバトンを譲り受けた伊波友和も踏ん張り切れずに、2番打者にタイムリー二塁打を浴びて1点を追加された。
3回裏にはライトスタンドへ飛び込むソロ本塁打で1失点。4回裏から登板した岩本大地は、イニングの先頭打者に四球を与え、3番打者のレフト線へのタイムリー二塁打、4番打者のセンター前への2点タイムリーヒットで、さらに点差を広げられた。
失点シーンは続く。5回裏にはイニングの先頭となった8番打者のセンター前ヒットを皮切りに、2番打者のサード強襲ヒットで1点を追加される。6回裏には、5回途中から登板していた下薗咲也がレフトスタンドへソロ本塁打を浴びて、さらに1失点……。毎イニングで点を失った投手陣に、最後まで相手打線の勢いを止める力はなかった。4番手で登板して公式戦デビューを果たした下薗は言う。
「(失点する)流れを食い止められなかった。自分自身のピッチングをもう一度、考え直さなければいけない」
スライダーをレフトスタンドへ運ばれたピッチングを思い起こしながら、ルーキー左腕は悔しさを滲ませた。
一方の攻撃陣は、「今日はボールの見極めができた」と言う1番北川が第一打席に続いてヒットを放ち、2番宮川和人が左中間への二塁打、さらに3番竹谷理央が四球を選んだ3回表、そして7番福森と8番吉田髙彰がライト前ヒット、1番北川が四球で続いた4回表。ともに満塁の好機を得点に結びつけられなかったのは痛い。流れを引き寄せられないままに、5回以降は無安打に抑えられた。
2試合連続でのコールド負け。大きな課題を突きつけられた試合を、いかに今後の糧にできるかが重要だ。佐藤俊和ヘッドコーチが、選手たちの声を代弁するかのように言う。
「切り替えてやっていくしかない」
企業春季大会の最終戦に向けて、チームは前を見据えて進んでいく。
文・写真:佐々木 亨