コラム
来シーズンにかける思いとは セガサミーフェニックス吉野監督×近藤選手対談企画
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優勝まであと一歩と迫った「Mリーグ2021-2022」シーズンの終了から約5ヶ月。
いよいよ来シーズンが10月3日に開幕します。今回は悲願の優勝に向けて気持ちを高める近藤誠一選手と吉野慎一監督にインタビューをしました。

最初にMリーグとは何か、Mリーグの魅力とは何かを聞いてみました。
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吉野: 「Mリーグは2018年にスタートした競技⿇雀のプロリーグです。(リンク:MリーグHP)試合の様子はABEMAで放送されており、麻雀関係者、麻雀ファンにとって最高の舞台になっています。」
近藤: 「麻雀の放送自体はこれまでもありましたけど、Mリーグの放送はファン層も広くて、本当にたくさんの方に見ていただけています。」
MリーグはABEMAの中でも上位の人気番組となっており、2021-2022シーズンでは常時100万を超える視聴がありました。お二人の話にもあるように、多くの方が見る最高の舞台となっています。
そんなMリーグには8つのチームがある中、「セガサミーフェニックス」の魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。
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吉野: 「やはりなんと言っても『高打点』ですかね。見る人を常にワクワクさせるような魅力的な麻雀を打つエンタテインメント性の高いチームだと考えています。」
「大きく打って大きく勝つ」を自身の麻雀として掲げる近藤選手の『高打点』の一撃に魅了された人は数知れません。
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近藤: 「監督の言った『高打点』ということも含めて、感動する場面を作りやすいチームかなと思います。面白い選択は常に探している感じですかね。勝ち負けで言うとどっちの選択も同じぐらいっていう時は、こっちのほうが面白そうだ、感動できそうだっていう方を極力選ぶような感じです。チームの雰囲気はすごく『自由』で、みんな好き勝手やっているんですけど(笑)、最終的には勝つ、『優勝』っていうところに向かっているっていう意味では(全員の意思が)統一されている、そんなチームですかね。」

チームの雰囲気を表すかのような笑顔で答える近藤選手の、優勝に全員で向かっているという言葉に大きく頷く吉野監督。監督から見たチームの雰囲気はどうなのでしょうか。
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吉野: 「いやーいいですね~。近藤選手が『お父ちゃん』、魚谷選手、茅森選手、東城選手が『三人娘』といったイメージが定着しつつあり、いつの間にか『ファミリー感』が出てきています(笑)。自分は親戚のおじさん的な感じで(笑)。たまにクッキーとかあげたりして、色々美味しい物くれるおじさんだなっていう良い感じでやっています。」
近藤: 「監督自身が結構色んな事をやってくれてみんなを笑わせてくれるので、そういうのも含めてすごく良い雰囲気だなと思います。」

チームスポーツにおいてチームの雰囲気は本当に大事ですが、家族のような良い雰囲気を作れている「セガサミーフェニックス」は来シーズンでもそれぞれのベストプレイがたくさん見られそうです。
そして、チーム戦とはいえ戦う時は必ず1人という競技において、監督とは一体どのようなことをするのでしょうか。また、昨シーズンを振り返って良かった点についても伺いました。
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吉野: 「(監督の)一番大きな仕事は選手起用(登板)です。それ以外にも選手のメンタル面をケアし選手の気持ちをどうサポートしていくかを第一に考えるなど、サポート支援にも重きをおいています。昨シーズンの良かったところは、その前のシーズン(Mリーグ2020-2021)の課題であった『アガリ率』が上昇したことです。新加入の東城選手を筆頭に『アガリ率』が大きくアップし、より多くの感動的な『アガリ』を視聴者の方に届けられた事が一番良かったと思います。」

チームが勝つためだけでなく、一貫して視聴者の皆様により良い麻雀をお届けすることで、より楽しんでもらえるようにというチームの姿勢というものが感じられます。
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吉野: 「そうですね。誰かが調子悪い時に他の選手がカバーするなど、徐々にチームとして完成度が高まって、最終的にファイナルが終わった時にはお互いを信頼し合えるチームになったんじゃないかなと思います。」
チームとしての完成度が高まってきたことで、チームマネジメントという点で、成功を収めた1年と言えます。

次に近藤選手へ、年々大きくなっていくMリーグが選手に与える影響や、麻雀のファン層の変化について選手目線ではどう感じているのか伺いました。
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近藤: 「プロ活動としてはYouTubeなども含めた放送が増えたので、そういうところでどういう風に立ち回りをするのが良いのかとか、そんなところにも力を入れているところです。あと、ファン層で言うと、これがMリーグ始まる前と今とで随分と違うところだと思いますが、前はいわゆるマニア層の方がほとんどだったと思います。それがMリーグが始まってからは、どんどんライト層の方が増えて、本当に極端な話、麻雀が全然分からないという方まで見ていただけているので、そういう広がりを嬉しく思います。」
Mリーガーとなり、ファン層が大きく広がったと語る近藤選手に来シーズンの目標を聞いてみました。
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近藤: 「昨年は準優勝でしたから今年は優勝ですね。それと個人の目標は全てのタイトルを獲得する」
MリーグにはMVP(個人スコア)、最高スコア、4着回避率の3タイトルが設定されています。レギュラーシーズンの成績に応じて贈られますが、同時に3タイトルを獲得した選手はまだいません。
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近藤: 「言えるうちに言っておこうかなと思って(笑)」
それに向けて何か意識することはあるのでしょうか。
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近藤: 「意識することは特にないです。むしろなるべくフラットな状態を保つことが一番大事だと思っているので、特に技術的なところでこういうところをこうしようとかではなく、いつもの自分をいかにフラットな状態で出していくかということに専念するのが一番大事だと思っています。」

来シーズンも熱いシーンが多く見られそうです!
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近藤: 「チームとしては、ちょっと寂しい話になるかもしれませんけど、現実的に近藤は未来が長くないので(笑)、年齢的にはそういう時が来るわけですよね。その時に新しくどういう人が選ばれるか分かりませんが、強くてカッコいい打ち手であってほしいなと思います。」
吉野: 「Mリーグ最年長プレイヤーとして熟年層の期待を一気に背負ってると思うので、そういった近藤選手のファンのために、これからもお願いしますよ~ (笑)」
近藤: 「いや、今は若い人が増えていますからね(笑)。意外とお子さんにも人気があるんですよ。」
吉野: 「たしかに(笑)。お子さんにも人気ありますね。幅広いんですよ、近藤選手のファンは。まだまだ頑張っていただければと思いますね。」
Mリーグが始まってから今までなかった若い層向けのイベントも増えていき、さらなるファン層の拡大が見込まれます。今後についてはどのように考えているのでしょうか。
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吉野: 「今はSNSやYouTubeでいつでもどこでも気軽に映像が見れる時代なので、今後さらに麻雀プロが露出する機会が増えていくのかなと思います。そういった麻雀プロの魅力を存分にアピールした映像が、日本だけでなく世界に広がっていって欲しいですね」
近藤: 「お子さんに対しては、特に昔は(麻雀の悪い)イメージの問題があって、それがここにきて一気に良くなってきていると思うんですよね。そうするとお子さんの方も触れやすいし、我々も控えていたところをもっと積極的にいきやすくなったというのがあると思うんですよね。本当にまるでダムが決壊するかのような勢いになりつつあるんじゃないかと思います。」
これからMリーグ、麻雀界、そして「セガサミーフェニックス」がどんどん大きくなっていく未来はもう見えていると言っても過言ではありません。
「セガサミーフェニックス」はその未来に向けて、10月からの来シーズンも、観る人を魅了する麻雀で悲願の優勝を掴みに、不死鳥の如く大きく美しく羽ばたくでしょう。
