コラム
サンロッカーズ渋谷 “渋谷ラストイヤー”となるシーズンスタート ~パートナー企業とともに歩む90周年~
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2025年11月18日
2016年にスタートしたB.LEAGUEは10シーズン目を迎えました。東京の流行や文化の発信地である渋谷区をホームタウンとするサンロッカーズ渋谷は、今シーズン、チーム創設90周年のメモリアルイヤー。来年のリーグ改編に伴いホームタウンの移転を予定するなか、渋谷区をホームタウンとして活動する最後のシーズンになります。今回は、メモリアルイヤーに期待を寄せるファンの方々のお話や、サンロッカーズ渋谷を支えていただいているパートナー企業の想いに迫ります。
メモリアルな年に目指す、青学でのチャンピオンシップ
シーズンのスタートとなった10月4日(土)。ホームアリーナの青山学院記念館にはチーム創設90周年のビジュアルが掲げられ、新シーズンの開幕を待ちわびた3,873人のファンを出迎えました。
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―祖母、母、息子の親子三代で観戦にきたご家族
母
息子がバスケットボールを始めたこともあり、3シーズン前からサンロッカーズ渋谷のファンになりました。今シーズンこそ、チャンピオンシップに出場してほしいです!
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―お子様連れの男性
4年前から応援しています。サンロッカーズ渋谷は、試合の盛り上げ方が好きですね。ベンドラメ選手とともにWキャプテンに就任したホーキンソン選手の熱いプレーが特に好きです。今年こそ、チャンピオンシップにいってほしいですし、優勝してほしい。まずはこの開幕戦、勝利から始めましょう!
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―シーズンシートを購入しているファンお二人
男性(右)
11年位前からサンロッカーズファンです。オーナーがセガサミーさんになってからは、さすがエンタテインメント企業といいますか、演出面がより充実しました。さらに楽しめる空間になり、チームがもっと好きになりましたね。ホームタウンが江東区に変わっても、もちろん今後も「箱推し」を続けますよ!
男性(左)
メモリアルな年に、ここ渋谷で繰り広げられるチャンピオンシップを見てみたい・・・私たちファンは、その大舞台を夢見ています!渋谷ラストイヤーに、とても期待しています!
メモリアルイヤーにおける、“渋谷でのチャンピオンシップ”。コートを駆け巡る選手を間近で観戦できることが魅力の1つである青学で、B1の頂点を決める熱き戦いが見られたら・・・90周年の節目の年に、ファンの皆さんの声援にも熱が入ります。
3シーズンぶりにホーム連勝でシーズンスタート
今シーズンのオープニングゲームとなったこの日。秋田ノーザンハピネッツを相手に迎えた試合は、まさに一進一退。息を呑む展開の中、サンロッカーズ渋谷は第4クォーター残り4分1秒に田中大貴がスリーポイントを沈め、70対65とリード。会場が大歓声に包まれました。追いかける秋田ノーザンハピネッツの猛攻を振り切り、最後は日本代表のジョシュ・ホーキンソンが豪快なダンクを叩き込み、76-69で勝利。大事なオープニングゲームに勝利した後、チームは勢いに乗り、3シーズンぶりのホーム連勝スタートを含む、3連勝で今シーズンをスタートさせました。
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カイル・ベイリーHC
今シーズンはチームが90周年を迎え、B.LEAGUEも10周年というメモリアルなシーズンです。関わる多くの方が今日という日を楽しみにしていたと思います。その中で開幕戦を選手たちが一丸となって戦ったことを嬉しく思います。コートに出ている選手だけでなく、ベンチにいる選手、スタッフ、全員でチームに貢献するということを今シーズンは改めて大事にしていきたいと思っています。各々が持っているものを全てコートに捧げ、強いフィジカルを意識したバスケットボールを展開していきます。
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ベンドラメキャプテン
今シーズンも、もちろん優勝を目指してやっていきたいと思います。シーズンを通して優勝という言葉を口にして、意識を高めていくことはすごく大事だと考えています。90周年というメモリアルな年でもありますし、僕自身もこのチームに加入して10年の節目になるので、良い結果を出したいと思います。
パートナー企業とともに ~チームを支える理由~
90年という長い歴史において、サンロッカーズ渋谷は多くのパートナー企業の皆さまに支えられてきました。今シーズンもホームアリーナである青山学院記念館には毎試合、サンロッカーズ渋谷のロゴとチームカラーでデザインされた『大型横断幕』が設置されています。この横断幕を制作し、今シーズンの開幕戦で冠パートナーにもなっていただいたのが、オフィシャルトップパートナーとしてユニフォームへのロゴ掲載などもしていただいている、株式会社LIXILです。
『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』というPurposeのもと、スポーツでも多くの人々に感動のある暮らしをお届けすべく、サンロッカーズ渋谷のパートナーを務めていただいているLIXIL。今シーズンの開幕戦となった10月4日(土)開催の秋田ノーザンハピネッツ戦では冠協賛をいただき、『LIXIL Presents GREEN COURT OPENING GAME』という名称で実施。『2050年カーボンニュートラル』実現を視野に地球にも優しい企業活動を行っているLIXILが、ホームアリーナで使用する電力や、観戦のために来場したお客様の移動により発生するCO₂を、事業活動を通じて創出した「J-クレジット(※)」によりオフセット(相殺)する“カーボンオフセット試合”として開催され、社会課題解決にも取り組む、LIXIL協賛ならではの開幕戦となりました。
(※)企業や自治体が省エネ設備の導入、再生可能エネルギーの利用、森林管理などによるCO₂排出量削減・吸収量を、国が『クレジット』として認める仕組み。クレジットは売買でき、他の企業や自治体が自分の環境目標を達成するために活用できる。環境に良い取り組みを価値に変えて、社会全体で温暖化対策を進められる制度。
また来場者にはLIXIL製作の『サンロッカーズ渋谷・2025-26シーズン開幕記念ハンドフラッグ』をプレゼントいただきました。
株式会社LIXILは、住宅設備機器を製造販売している総合メーカーです。今回は、LIXILのDesign&Brand Japan ブランド&マーケティングストラテジーでシニアアドバイザーを勤めている大矢尚史(おおや・ひさし)さんと、リーダーを務めている児玉大輔(こだま・だいすけ)さんにお話を伺いました。
- ―お二人はこれまでどのようなスポーツをされてきて、今のお仕事にはどのように関わられたのでしょうか
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大矢
私は高校までハンドボールをやっておりました。LIXILは2011年に5社(トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリア)が統合してできた会社になります。統合後も今までやってきた仕事を継続するケースが多く、当時たまたま宣伝の部署におりましたので、そのまま同じ仕事をさせていただいております。
児玉
私は大学まで野球をやっておりました。スポーツ全般が好きで、何かしらの形でスポーツに携わりたいと思っていました。また一方で、入社当時から広報や宣伝に興味がありました。様々な部署を経験させていただいた中で、社内のジョブポスティングという制度を利用し、スポーツに関われる部署に応募させていただき、今に至ります。
- ―サンロッカーズ渋谷へのパートナーシップに至った経緯を教えてください
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大矢
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のパートナーとしてのゴールが見え始め、新たなスポーツとの関わりについて可能性を模索していた中で、B.LEAGUEが候補に上がりました。B.LEAGUEのチームの中でも、サンロッカーズ渋谷のホームタウンである渋谷区はロケーションが非常に魅力で、様々なことができそうだと感じました。また、LIXILを若い世代に知っていただきたいという弊社の思いとも親和性がありました。クラブの歴史なども調べさせていただき、総合的に判断をして、サンロッカーズ渋谷とのご縁を持たせていただくことになりました。
まずはシーズンチケットを購入し試験的な取り組みとして取引先をゲームへ招待するなどの活用からスタート。1シーズンチームとの取り組みを進めた結果、正式にパートナーとしてサンロッカーズ渋谷との契約に至りました。しかしそんな矢先、新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断するという事態となりました。
- ―当時はどのような状況だったのでしょうか
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大矢
「これから様々な施策を打っていくぞ」というタイミングでコロナ禍に突入したので、当時は大変でしたね(笑) 試合が無観客となり、その中での露出をどのように行うかなどについて、チームとは様々なコミュニケーションを取らせてもらいました。でも、だからこそサンロッカーズ渋谷との結束が強まったと感じています。
- ―サンロッカーズ渋谷のどこに魅力を感じていただけたのでしょうか
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大矢
実際にアリーナへ伺わせていただき観戦されているファンの皆さまを拝見しますと、渋谷というロケーションもあり「若年層が多い」と感じました。新規のファン層に継続的にリーチできるというメリットを強く感じましたね。具体的に何ができるのかというのはまだまだ模索中ではありますが、少しずつ成果が出始めていると感じます。わかりやすいところで言えば、ホームゲームで勝利した際に最も活躍した選手に贈られる『LIXIL賞』や、弊社のコーポレートカラーであるオレンジを使用した特別なユニフォームを選手の皆さんに着用いただき、来場者にも同色のオリジナルTシャツを配布してアリーナをオレンジ一色に染める『ORANGE CRUSH! Presented by LIXIL』という施策では、ブランドの露出をさせながらゲームの盛り上げにも寄与していることに関して、とても敏感にファンの皆さんに反応していただいています。
- ―実際に施策として想像以上の満足度があったものは何かありますか
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大矢
関係企業や取引先を試合へご招待すると、「とても満足した!」と言っていただけます。コートサイドからみる試合の選手との距離感の近さはバスケットボールの試合ならでは。その特別な体験は他のスポーツでは味わえません。初めて観戦された方には特に試合の高揚感を味わっていただけて、評判が良いです。今では取引先からも非常に多くの関心をいただいており、リレーション構築にも大きな役割を果たしてもらっています。
児玉
バスケットボールは“魅せる”パフォーマンスとしてもとても強みがあると思います。私自身、この部署に来て初めてバスケットボールを観戦したのですが、直感的に「面白いな」と感じました。やはり目の前で選手がプレーするという、こんな迫力あるシーンが見られるのはバスケットボールしかないと思います。そして試合前後はもちろん、タイムアウトやハーフタイムでのエンタメ性も高い。アリーナに行った方々がバスケットボールを好きになるきっかけが、至る所にあると感じました。
- ―様々な取り組みをする中で、社内での盛り上がりはいかがですか?
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大矢
社内の認知も広がってきており、盛り上がりを感じています。冠ゲームなどはサンロッカーズ渋谷に協力いただき、従業員100名を招待して観戦イベントを実施しているのですが、抽選倍率が5倍にもなるんです(笑) おかげさまで、従業員にもスポンサーシップに関する理解は浸透・定着してきています。また、今シーズン一部の営業拠点では、シーズンを通して1000人規模のお客さまを招待するキャンペーンを行わせていただくことになりました。 チームの魅力をより多くの方に知っていただける機会を創出できればと考えています。
サンロッカーズ渋谷を通じて、LIXILが伝えたいこと
- ―10月4日のオープニングゲームでは冠パートナーをされて、様々な取り組みを行われました。記念品としてご配布いただいた『サンロッカーズ渋谷2025-26シーズン開幕記念ハンドフラッグ』も、たくさんのファンが掲げていましたね
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大矢
ホーム開幕戦は特別なものだと考えており「開幕は是非とも弊社で冠パートナーをさせていただきたい」と以前からお願いしていて、クラブにご協力いただきました。今シーズンはカーボンオフセットをこの試合でやらせていただきましたが、単純なブランディングだけではなく、LIXILの事業を認知していただくための仕掛けも必ず入れさせていただいております。ハンドフラッグに関しては、ファンの皆さんとの一体感を出して、かつ形に残るものがいいと思い、製作しました。普段はチームカラーのイエローをベースにするのですが、今回は90周年ビジュアルを入れ、もう片面にはここ数年恒例となった漫画家の千田純生(ちだ・じゅんせい)さんによる全選手とサンロッカーガールズのイラストを入れさせていただきました。
- ―千田純生さんはLIXILさんが運営するSNSアカウント『LIXIL×SPORTS』にて漫画『サンロッカーズ日和』を描かれています。あの漫画が生まれた経緯も教えてください
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児玉
LIXILではサンロッカーズ渋谷のほかにも、サッカーJリーグの鹿島アントラーズや女子プロゴルファーの堀琴音(ほり・ことね)選手などもスポンサードさせていただいており、『LIXIL × SPORTS』でも様々な企画を展開しています。例えば鹿島アントラーズでは『The session』という、チームや選手の裏側に迫るYouTube番組に取り組んでおり、選手にも登場いただきながら、チームの公式コンテンツではなかなか出せない一面をファンと共に作り上げることを目指しています。一方、B.LEAGUEは試合数が多いので、選手に何度もご協力をお願いすることは難しいのではと感じていました。結果的にサンロッカーズ渋谷では、漫画という形で選手の魅力や裏側をファンの皆さんに届けようということになりました。実際に千田さんには取材に立ち会っていただいています。先日もサンロッカーズ渋谷の練習拠点である千葉・柏市にみんなで伺わせていただきました。
大矢
千田先生が描く漫画はとても面白く、私も漫画きっかけで選手の魅力を知ることが多いです。気づいたら、オフシーズンに加入選手が気になって、リリースが出るたびにインターネットで検索してしまったりして(笑) 今シーズンも「ドンテ・グランタム選手は凄そうだぞ!」と盛り上がっていました!
今後の展開として考えていることは、LIXIL × SPORTSを通じて、競技の違いを超えた各スポーツチームや選手の皆さまの横のつながりを広げていくこと、そして、SDGsなどの取り組みをさらに広げていきたいということです。
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大矢
LIXILがサポートしている各チームやアスリートの皆さまのご縁からアントラーズの選手がサンロッカーズ渋谷の試合に観戦に来ていただいたりもしています。スポーツへの支援も、競技ごとに単体でまとまるのではなく、シナジーを生み出せるといいですね。今シーズンはタイミングが合えば堀琴音選手にも来ていただけたらなと考えております。
- ―今後はどのような展開をお考えでしょうか
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児玉
サンロッカーズ渋谷は、S-Ring(サンロッカーズ渋谷がSDGs活動を行う社会貢献プロジェクト)という活動もされていますよね。弊社もユニバーサル・ラン(スポーツを通じて多様性を学ぶ体験授業)を行っており、双方の取り組みの中でコラボレーションすることもあります。例えば、サンロッカーガールズの方々に参加いただき、学校にダンスを教えに行ったりしています。今回の開幕戦のコンセプト『GREEN COURT GAME』などもそうですが、サンロッカーズ渋谷とコラボすることによって、環境への取り組みや社会への貢献などを自然に感じてもらいながら、理解を広げていけたらと考えております。
大矢
来シーズンからリーグが改革され、サンロッカーズ渋谷はホームタウン移転に伴って使用するアリーナも変更されることでホスピタリティ面が充実しますので、その部分には期待があります。私自身は渋谷に愛着があったので、正直寂しいところはありますけれどね(笑) 今後の展開という意味では、弊社は環境課題への取り組みとダイバーシティへの対応を2本柱として、今後はより様々な施策を行い、皆さんにそういった取り組みを少しでも知っていただけたらと思います。
多くの人々に感動のある暮らしをお届けするきっかけづくりとして、情熱と感動をもたらす様々なスポーツを応援しているLIXIL。その姿勢は、セガサミーグループのMission/Purposeである『Captivate the World 感動体験を創造し続ける ~社会をもっと元気に、カラフルに。~』にも通ずるところがあります。90年の歴史を歩んだサンロッカーズ渋谷が、ホームタウン渋谷で迎えるラストイヤー。B.LEAGUE 10周年の節目に、支えてくださるトップパートナー企業とともに、ファンの心により深く刻まれるシーズンにしてまいります。
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