SS通信アーカイブ
SS通信 アーカイブ(2024年3月期 冬号)

2024年3月期 冬号
(2023年4月1日~2023年9月31日 / 発行日: 2023年12月22日)
「SS通信(セガサミー通信)」について:
株主・個人投資家を含むすべての皆様にセガサミーの情報をわかりやすくお届けするため、これまで株主通信としてお届けしていたコンテンツを本ページに移動して、情報を集約しました。これに伴い名称を「SS通信(セガサミー通信)」と改め、さらに内容を充実させていきます。特集記事は、本サイト内「感動体験レポート」ページにて、引き続きお届けします。
CEO業績報告

2024年3月期第2四半期の当グループの業績は、遊技機の好調を背景に、前年同期⽐で⼤幅な増収増益となり、売上高は2,211億円(前年同期1,500億円)、経常利益は420億円(前年同期123億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は231億円(前年同期96億円)となりました。一方で、各事業の進捗を鑑み、通期業績予想を修正いたしました。
エンタテインメントコンテンツ事業では、コンシューマ分野において、リピート販売が売上・利益ともに安定して貢献したことや、9⽉からRovio社の業績を取り込んだことから売上高が増加した一方、フルゲームおよびF2Pの新作が軟調に推移したこと等により、全体では、前年同期比で増収減益となりました。遊技機事業では、『スマスロ北⽃の拳』、『スマスロ バイオハザード:ヴェンデッタ』等のパチスロ機を中心に販売を進め、パチスロで130,395台(前年同期34,712台)、パチンコで56,498台(前年同期23,960台)と好調に推移し、前年同期⽐で⼤幅な増収増益となりました。リゾート事業では、フェニックス・シーガイア・リゾートにおいて個人のお客様が順調に推移したことに加え、コロナ禍で低調に推移していた団体顧客需要の回復が進みました。また仁川のパラダイスシティにおいても、⽇本⼈VIPを中⼼に好調に推移し、経常利益が⿊字転換いたしました。
今後の見通しにつきましては、先にご説明した通り、通期業績予想を修正いたしました。遊技機事業が好調に推移していることから、売上高・経常利益は前回予想を上回る見込みですが、エンタテインメントコンテンツ事業のコンシューマ分野において、欧州拠点を対象とする構造改⾰に伴う事業再編損等を特別損失として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては前回予想を下回る見込みとしております。
各事業の詳細ですが、エンタテインメントコンテンツ事業において、コロナ禍における巣ごもり需要からの反動減やインフレ等による経済環境の悪化など、特に欧州地域におけるコンシューマ分野を取り巻く事業環境の変化が急速に進み、収益性が悪化傾向となりました。これを受けて2023年9月28日に発表の通り、Creative Assemblyを中心とした欧州スタジオの構造改⾰実施を決定しました。また、直近の市場環境、販売状況に鑑み通期のコンシューマ分野の計画値を下⽅修正しましたが、引き続き既存IPのグローバルブランド化を進めるべく、第3四半期以降に、ソニック、ペルソナ、⿓が如く、の各主⼒シリーズの新作を全世界同時・マルチプラットフォーム向けに相次いで投⼊する予定であり、これらをしっかりと販売すべく取り組んでまいります。構造改革についても現時点で既に⼀定の⼿は施しておりますが、今後も必要な施策については継続的に検討を進めてまいります。
遊技機事業では、『スマスロ北⽃の拳』の⼤ヒット等の貢献により、パチスロ機の販売が好調に推移しており、下期以降も引き続き、『スマスロ北⽃の拳』や『パチスロ甲鉄城のカバネリ』の追加販売等を⾒込んでおります。また、2024/3期に予定していた⼀部タイトルの導⼊時期を適合状況に鑑み2025/3期にスライドいたしました。スマートパチスロが順調に普及する反面、スマートパチンコの普及は低調に推移しております。一部稼働好調なスマートパチンコが出てきたことや、規制見直しなどにより、今後スマートパチンコの普及が進むと考えています。加えて遊技機市場は、現在規制⾯で良好な環境が継続していることに加え、部材の調達⾯も改善傾向にありますので、引き続き「稼働・設置・販売」シェア三冠王を⻑期で⽬指すとともに、パチスロ・パチンコ「合算稼働シェア」ナンバー1を本中計期間における短期での⽬標として⽬指してまいります。
成長投資につきましては、コンシューマ分野において、Angry Birdsの開発会社でありグローバルモバイルF2Pゲームの高い開発・運営力を持つRovio社をグループ会社化し、9月より当社連結決算への取り込みを開始しています。また、ゲーミング領域への投資として、⽶国カジノオペレーター向けSaaS事業及び欧州・南⽶向けB2Cオンラインゲーミング事業を展開するGAN社の買収を発表いたしました。今後GAN社の株主総会で承認を得ることに加え各国・地域管轄における当局の承認⼿続きを取得していくことが前提となります。本件成⽴まではまだ若⼲時間がかかりますが、引き続きしっかりと仕上げてまいります。このように成⻑投資は順調に推移しておりますが、投資余⼒も増しているため、経済合理性をベースに、今後も将来の成長に向けた投資を検討してまいります。
中期計画の最終年度も後半を迎えました。連結中期計画目標は上回って推移しているものの、今回発表した通期修正計画をきちんと達成した上で、さらなる改善につなげていけるよう尽力いたします。今後も感動体験を創造し続け、持続的な企業価値向上に取り組んでまいりますので、ステークホルダーの皆様におかれましては、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。
業績ハイライト
連結業績
(単位:億円) | 2024/3(第2四半期) | 前年同期比 |
---|---|---|
売上高 | 2,211 | +47.4% |
営業利益 | 395 | +315.8% |
経常利益 | 420 | +241.5% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
231 | +140.6% |
セグメント別の業績
(単位:億円) | 2024/3(第2四半期) | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | エンタメ | 1,210 | +3.8% |
遊技機 | 934 | +239.6% | |
リゾート | 60 | +7.1% | |
経常利益 | エンタメ | 90 | -47.7% |
遊技機 | 393 | +1865.0% | |
リゾート | 2 | - |
- エンタメ
-
売上が堅調な一方、経常利益は軟調で前年同期比で増収減益。構造改革により損失計上
- 遊技機
-
引き続き、パチスロ機中心に好調に推移し、前年同期比で大幅増収増益
- リゾート
-
国内、海外ともに堅調に推移
連結業績予想の修正
2023年11月8日に以下の通り通期業績予想を修正いたしました。
詳細については、以下リンクをご参照ください。

もっと詳しく知りたい方へ
最新トピックス
最新トピックス(2023年12月22日更新)
ペルソナ5シリーズが累計販売1,000万本を突破 ~IPのさらなる拡大に向けたグローバルブランド化展開~(2023年12月22日更新)

エンタメコンテンツ事業のコンシューマ分野では、2024年3月期までの中期的な重点戦略として、引き続き「既存IPのグローバルブランド化による収益基盤の増強」を掲げ、既存主力IPのさらなる強化による収益拡大を目指しています。
『ペルソナ』シリーズは、『真・女神転生』シリーズから派生した主力IPです。自分の中に眠るもうひとりの自分“ペルソナ”の能力に目覚めた少年少女たちがオカルティックな事件に立ち向かうジュブナイルRPGで、世界中で人気を博しています。2016年9月に発売した『ペルソナ5』は、マルチプラットフォーム展開、リマスターやスピンオフ作品の展開などにより積極的なIPのグローバルブランド化を推進しています。この施策が奏功し2023年12月に『ペルソナ5』シリーズ累計販売本数が1,000万本を突破いたしました。前期に発売した『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』リマスター版(2022年10月)は、アジアを中心に今期もリピート販売が堅調に推移しています。

さらに、本作の最新スピンオフ作品『ペルソナ5 タクティカ』を2023年11月17日に、全世界同時、マルチプラットフォームに向けてリリースしました。
本作では、『ペルソナ』シリーズとしては初の試みとなるシミュレーションRPGのシステムを取り入れるなど、IP展開の幅を広げるための新たな挑戦をしています。「1MORE」や「総攻撃」、シリーズ最大の特徴でもある「ペルソナ」での攻撃などバトルの魅力はそのままに、戦術を練り、仲間と連携する新しい楽しさを体験いただけます。

2024年2月2日には全世界同時、マルチプラットフォームで『ペルソナ3 リロード』の発売を予定しています。
2006年7月に発売され、『ペルソナ』シリーズの人気の礎になった『ペルソナ3』を現行最新ハードに向けてリメイクした本作は、シナリオや登場キャラクターなどゲームの根幹はそのままに、様々なアップグレードを行っています。キャラクターのサイドエピソードやボイスシーンなどのストーリーを追加するとともに、グラフィックは現行最新ハードに向けてすべて美麗に刷新。アニメーションも新規に制作しています。さらに、ゲームシステムも細部までより遊びやすく調整することで、旧作のファンだけではなく『ペルソナ5』シリーズからファンとなった新たなファン層に向けてもアピールしていく予定です。

また、Perfect World Co., Ltd.(本社:中国北京市朝陽区、CEO:魯 暁寅、以下 Perfect World)とのライセンスアウトディールとして、スマートフォン向けゲーム『Persona5 : The Phantom X』の中国*におけるサービス開始も予定しています。本作は『ペルソナ5』の世界観と基本設定をベースに、東京を舞台にした新たな怪盗団によるオリジナルストーリーを描く全く新しいスマートフォンゲームとなります。アジアのモバイルゲーム市場に高い知見と実績を持つPerfect Worldとの協業を通じて中国市場へ参入することで、本IPのさらなるグローバルブランド化を推進していきます。
*日本、その他の公開地域は未定
さらに、『ペルソナ』シリーズ公式アンバサダーに俳優の川口春奈さんと志尊淳さんをお招きし、ブランドイメージCMやテレビCM等を作成するなど、既存のファンだけにとどまらず、幅広い層に向けたプロモーション展開にもより力を入れていきます。『ペルソナ』シリーズは、今後も個別のタイトルだけでなく、IPとしてもう⼀段上のプレゼンスを獲得できるよう様々な施策を行ってまいります。
サミーのパチスロ好調が継続し、業績を牽引(2023年12月22日更新)
中期計画において「パチスロ・パチンコ合算稼働シェアナンバー1」と「安定収益の維持」を目標に、「ヒットの創出」と「事業効率の向上」を重点戦略に掲げる遊技機事業では、サミーのパチスロタイトルにおける好調が継続し今期の業績を牽引しています。売上高、経常利益ともに期初想定を上回る水準で推移していることから、当事業の業績予想を上方修正しました。
2023年7月末時点で既に販売台数が6万台を突破していた『スマスロ北斗の拳』は、引き続き稼働好調に伴う需要の高さが続き、当第3四半期においても追加販売を実施しました。その結果、サミーの6号機として最大の販売台数となる累計8万台を達成しております(2023年11月末時点)。

©Bandai Namco Sevens Inc.
©Sammy
下期の新作としては、パチスロ5号機時代を牽引した人気機種、初代『パチスロ交響詩篇エウレカセブン』のDNAを継承した『パチスロ交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION ZERO TYPE-ART』を2023年11月より導入開始しました。本機は、2023年6月にサミー「A-SLOT+(*1)」の第1弾として導入された『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ3 C.C.&Kallen ver.』に続く、「A-SLOT+」第2弾となります。
初代のゲーム性を継承しつつも、本機はさらに歴代シリーズ最高のボーナス合算確率を実現するなど、ボーナスを引く喜びを存分に楽しんでいただけるように進化しています。加えて、BB(BIG BONUS)成立時点で、ART(*2)への突入期待度が50%を超え、遊びやすいながらも出玉獲得に期待ができる機種となっております。導入以降は高稼働で推移し、好調なスタートを切っています。
*1 ボーナス主体で出玉を獲得するゲーム性にさらなるアクセントをプラスしたサミーの機種
*2 アシストリプレイタイムの略。ARTに突入すると、小役を獲得するためのボタンの押し順についてナビが発生するとともに、リプレイ確率もアップする。

Character Design ©2006-2017 CLAMP・ST
©SUNRISE/PROJECT L-GEASS
Character Design ©2006-2018 CLAMP・ST
©Bandai Namco Sevens Inc.
©Sammy
さらに、スマスロ新作として、『スマスロ コードギアス 反逆のルルーシュ/復活のルルーシュ』を2024年2月より順次導入予定です。2012年に5号機として登場した初代『パチスロコードギアス反逆のルルーシュ』は以降のコードギアスシリーズの礎となる特化ゾーンを搭載したA+ART機として人気を博しました。
本機は、歴代のコードギアスシリーズのゲーム性を踏襲しつつ、本シリーズ初のAT(*3)機として登場します。「このATは、何度でも甦る。」をキャッチコピーとした本機は、甦るたびにATが強化される「無限新生」を搭載しており、更にシリーズ伝統の最強トリガーである「ギアスラッシュ」はST(ストックタイム)型超高確率上乗せ特化ゾーンとしてさらに進化し、成立役に応じた上乗せに期待できます。
*3 アシストタイムの略。小役を獲得するためのボタンの押し順について、液晶の表示や音声などでナビゲーションが発生するメダルが獲得しやすい状況のこと。
スマートパチスロ(スマスロ)はメダル投入にわずらわされることなく快適にプレイできるというユーザーにとってのメリットのほか、ホール側にとってもメダルの運搬や洗浄に係る負担や消費電力の軽減が期待できる筐体です。『スマスロ北⽃の拳』等の⼤ヒットもあり、スマスロの普及は順調に進んでおります。引き続き好調が期待できるスマスロ市場に向け、来期以降の当社におけるパチスロ機のラインナップについてはスマスロ中心にシフトし、『スマスロ北斗の拳』や『パチスロ甲鉄城のカバネリ』に続く新たなヒット作の創出を目指します。