コラム
ダーツはスポーツ!創業20周年のダーツライブが提唱する『ダーツの可能性』
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2024年2月27日
2023年11月に創業20周年を迎えた株式会社ダーツライブ。セガサミーグループの一員として、ダーツ機器の開発やダーツの魅力を広める活動をしています。ダーツライブが開発する国内シェアナンバーワンのダーツマシン『ダーツライブシリーズ』は、「一度はプレーしたことがある!」という方も多いのではないでしょうか。近年、ダーツは部活動化や生涯スポーツ化が進められるなど、新たな展開が始まっているといいます。今回は、その盛り上がりをレポートします!
ダーツとは
14世紀にイギリス・ロンドンで生まれたダーツ。今では日本国内に約595万人(2023年3月現在)の競技人口がいるとされ、男女比率も女性プレーヤーが3割を超えるなど、近年では女性人気が高まってきています。点数を多く取り合う『カウントアップ』、指定されたナンバーにダーツを投じる陣取りゲームの『クリケット』といった定番ゲームのほか、複数人で盛り上がれるものやネットワークを活かした通信対戦など、時代と共に多彩なルールが編み出され、プレーヤーを楽しませています。
ダーツは「スポーツ」だ
ダーツバーなどでお酒を楽しみながらプレーするイメージのあるダーツですが、「ダーツはスポーツだ・・・」と強く感じた出来事がありました。それは、ダーツライブが特別協賛する報酬総額1億円のプロダーツトーナメント『SOFT DARTS PROFESSIONAL TOUR JAPAN』を見学したときのことです。このツアーは全国約20会場を巡って開催され、参加者は多い時で1試合男女合わせて700人以上にのぼり、150台以上のダーツマシンが会場に持ち込まれます。
見学して驚いたことは、選手がダーツを投じる際、多くのギャラリーがいるはずの会場がシーンと静まり返り、非常に張り詰めた空気になることです。それはまさに『真剣勝負』の舞台であり、勝利を手にした選手は涙を流していました。ダーツバーでお酒を飲みながら和気あいあいとプレーする『遊び』のダーツとは全く違う世界観に、「これはスポーツなのだ・・・」と感じずにはいられませんでした。
そんな、国内でも競技人口が増加しているというダーツについて、株式会社ダーツライブの広報担当・谷津(やつ)さんに現状をお伺いしました。
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谷津:
国内のプロダーツトーナメントであるSOFT DARTS PROFESSIONAL TOUR JAPANは2012年から行われていて、近年は世界大会に挑戦する人も出てきています。何よりツアーの継続開催によって大会のステータスもあがり、プロを目指す人も増えました。プロへの道筋ができたことで目標ができ、さらに練習を重ねていく環境が生まれたので、ここ10年ほどで国内ダーツの競技レベルは段違いに上がったと感じています。
ダーツが部活に!?
競技人口が増えているというダーツの拡がりは、プロ大会開催だけに留まりません。ダーツの世界観をさらに広めるべく、ダーツライブは2020年8月に「ダーツの生涯スポーツ化」に向けて『スポーツダーツプロジェクト』を立ち上げました。この活動の一環として2023年3月からは『つくろう!ダーツ部応援キャンペーン』を展開しています。小・中・高校生の『ダーツ部』や『同好会』設立を応援するキャンペーンとして始動し、これまでに全国4つの学校に同好会が誕生しています。
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谷津:
プロ選手の活躍や競技としての発展を実感する一方で、以前から抱いていた「ジュニア世代にもっとダーツを楽しんでもらいたい」という思いも増していきました。ですが、若い世代の近くに肝心のダーツが気軽にできる環境がないという状況がありました。また、彼らの最も身近な場所である学校は、部活や同好会立ち上げのためにまずは道具を揃えなければならないという予算のハードルもありました。そこで、学校関係者や生徒向けにキャンペーンを実施することになったんです。応募があった学校には、ダーツライブからダーツボード、ダーツ、スタンドを贈呈しハード面での課題を解決するとともに、活動開始後も交流会や練習会の実施を行うなど、学校をサポートできる体制を整えました。
今回、その取り組みによりダーツ同好会が発足した『高知県立須崎総合高校・ダーツ同好会』の生徒、顧問の先生にお話を伺いました。
須崎総合高校では、3年生1名、2年生6名の計7名で、昨年春に『ダーツ同好会』が誕生しました。応援キャンペーンには、顧問である植村先生が応募。ダーツ歴約20年のベテランである先生は、仕事終わりに同僚の方と立ち寄った職場近くのダーツバーでダーツと出会い、その魅力にハマったそうです。「学校現場においてもダーツを活かせる面があるのでは?」と学校行事にダーツを取り入れたことが、同好会発足のきっかけでした。
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植村先生:
運動が苦手だったり集団競技が苦手だったりする子たちにもスポーツを楽しんでもらえないかと、学校行事に持ち込んだところ、今の同好会長と副会長が参加してくれたんです。
毎年冬に行われる学校行事『ホームマッチ』。全校生徒が参加する、いわゆる球技大会のようなものだそうで、球技以外にも『UNO』など変わった競技も実施OKだったとのこと。ダーツ好きの植村先生は、そこにダーツを持ち込みました。
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同好会長・二宮さん:
私はもともとアニメが好きで、アニメの中でビリヤードやダーツを見たことがあり、楽しそうだなと思っていたのでホームマッチで初めてダーツに挑戦しました。すると思っていたよりもボードに矢が刺さって楽しかったので、もっとやってみたい!と思い同好会にも参加しました。会員・山本さん:
以前、漫画喫茶のような施設に両親が連れて行ってくれて、そこでダーツをプレーしたことがありました。球技は全般的に苦手なのですが、ホームマッチにダーツがあると聞いて、やったことのあるダーツだったら出てみようと思い出場しました。するとやはり楽しくて!今回、先生から「同好会でもやらないか」と声をかけてもらって、すぐに参加を決めました。今は、ダーツボートが置いてある教室の前を通る他の部活の先生や生徒に「やりませんか」と声をかけてワンスロー対戦する時もありますし、(学業の関係で)部員が少ない日にも先生や友人を呼んで一緒にプレーしています。部員以外の生徒も、休み時間に教室に来て投げていたりと、いつでもどんな方でも是非やってください!というスタンスです。
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植村先生:
球技は体力が衰えてしまうとプレーが難しくなってくる面もあると思うのですが、ダーツは歳を重ねても遊べますし、コミュニケーションツールにもなりえると思っています。高校時代から少しでもそういったツールを知っていると、周りから「すごいじゃん」という感じで見てもらえるような、1つの材料にもなると思います。
システム工学系学科の実習室を活動場所としている須崎総合高校のダーツ同好会。放課後以外でも常にダーツボードが設置されており、部活動以外の時間にも『開かれた交流の場』となっています。ダーツを通じてコミュニケーションが生まれ、さらには生徒にとって打ち込めるものができる環境は、とてもいい循環なのではないかと感じました。
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谷津:
2023年8月にはスポーツダーツ競技大会を開催し、小学生から高校生までを対象とした大会を開きました。「部活や同好会を通じてダーツをもっと好きになってくれた子たちが目指す舞台を創造したい!」という思いからスタートしたものです。目標があれば、そこに向かって打ち込む姿勢も変わってくると思っています。
『生涯スポーツ』としてのダーツの可能性
前述の『SOFT DARTS PROFESSIONAL TOUR JAPAN』では、なんと70歳となった今も現役でプレーし、20代の選手と渡り合っている男子プロ選手(ポール・リム選手)が存在します。それは、ダーツが年齢にかかわらず長く続けられるスポーツだという、良き実例になっています。
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谷津:
『ダーツを誰もが楽しめるスポーツに』というスローガンを掲げ社内で活動している『スポーツダーツプロジェクト』は活動5年目を迎えています。ダーツを通じた健康寿命の延伸や地域交流のきっかけづくりなども行っていて、定期的に学校や高齢者福祉施設を巡ってダーツ講座を開いています。ダーツは『投げる、刺さる、嬉しい』というシンプルなスポーツです。なので子どもからご年配の方まで、体験会ではダーツが刺さると同じリアクションをしてくれます(笑)
さらに合計得点も計算しながらプレーするので、実は脳トレにもなるんです。ダーツは場所もとりませんし、体と頭を同時に動かせます。今ではWEBで別地域の学校や高齢者福祉施設を繋いで、ネット対戦も始めています。エンタテインメントの数は地方都市ではどうしても少なくなりがちですが、ダーツには地域を超え、活性化させる可能性があると思いますし、何より誰もが楽しめる『生涯スポーツ』になりえます。ダーツの魅力を、もっと広めていきたいです。
2023年は平均して週2回ほどのペースで体験会を全国で開催したダーツライブ。さらに、創業20周年を記念して作られた『ダーツライブカー』によって、これまでダーツをプレーしたことがない人たちにイベントで気軽にダーツを体験してもらえる環境も整ってきているとのこと。直近のイベントでは今年5月にソフトダーツの世界一を決める大会『SUPER DARTS』(ダーツライブ主催)が6年ぶりに開催される予定で、こちらもさらなる盛り上がりを迎えます。
プロスポーツから部活動化、そして生涯スポーツへ。ダーツ熱のさらなる高まりと、今後の拡がりに注目です。
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