コラム
~麻雀卓が新たな居場所へ~セガサミーフェニックス 高校健康麻雀部を訪問 「麻雀の未来は明るい!」
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2025年2月19日
セガサミーグループが運営し、プロ麻雀リーグ『Mリーグ』に参戦しているプロ麻雀チーム、セガサミーフェニックス。1月29日、チームに所属する醍醐大選手と浅井堂岐選手が、埼玉県春日部市にある通信制高校『松実高等学園』(まつみこうとうがくえん)の健康麻雀部を訪れ特別講義を実施し、部員の皆さんと交流しました。麻雀が部員の皆さんに与えた、ポジティブな変化とは。麻雀の“可能性”を感じさせる訪問会をレポートします。

松実高等学園 健康麻雀部へ
セガサミーフェニックスの両選手が訪れた松実高等学園は、不登校生徒などに適した学習の場を提供し、生徒一人ひとりの夢の実現をサポートしています。約3年前に誕生した健康麻雀部は25人ほどの部員を抱え、高校生麻雀大会への参加や他校との交流戦を行うなど積極的に活動。将来は麻雀プロを目指すという部員も在籍しています。部の顧問を務める齊藤友昭(さいとう・ともあき)先生は学生時代から麻雀に親しみ、そんな先生にとって健康麻雀部にMリーガーを招くことは悲願の一つだったそうです。
セガサミーフェニックスの醍醐選手は埼玉県在住、浅井選手は埼玉県・熊谷市出身で、ともに埼玉県にゆかりがあったことから、学園へ赴くことになりました。
選手たちの控え室には健康麻雀部部員でイラストが得意な生徒さんが描いてくれた似顔絵が飾られ、選手たちを出迎えてくれました。



部員の皆さんから拍手で迎えられ始まった訪問会。冒頭の挨拶で醍醐選手は「今の世の中はどんな仕事に就いても結果を求められますが、決して結果が全てではありません。麻雀も勝ち負けという結果は出ますが、トップだったからその人の選択が正解、という訳でもなく、負けた人のほうが内容は良かったということもあります。その選択に至った思考も大切なんです。麻雀を通じて物事を広く捉え、効率的に進めるにはどうすればいいかなど、そうした精神を学んでいただければと思います」と、アドバイスを送りました。
浅井選手は「大三元を打ったり、当たり牌を止めたりする仕事をしています」と、最近のMリーグの内容に絡めた笑いですぐさま生徒の心をつかみます。「僕はMリーガーになるために戦略を立てて動いていましたが、なれるかどうか分からないものを目指すことは正直キツいです。それでも、楽しむことを心掛けて続けてきた結果Mリーガーになれたので、皆さんも興味のあることを楽しみ続けてみるのがいいかもしれません」とエールを送りました。
その後は、部員たちが麻雀を打っている様子を見ながら、プロ2人がアドバイス。「ここはこのターツを残しておいたほうがいいよ」※
「リーチがかかった状態で手牌がこうだから・・・」と、状況に応じた実戦的な指導のもと、部員たちも真剣に麻雀と向き合っていました。
※麻雀で同種の数牌(二から八)の連続した牌を二枚そろえて残すこと


生徒たちが麻雀を実践している間に、顧問の齊藤先生にお話を伺いました。何らかの事情で不登校になってしまった生徒などを受け入れる松実高等学園では、コミュニケーションを苦手とする生徒も少なくないそうです。麻雀を愛する齊藤先生は、麻雀は試合を通じて他の生徒とやり取りできること、判断力や度胸を磨けて何より面白いものだという自身の経験と熱意のもと、3年前、健康麻雀部の創部に踏み切りました。

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齊藤先生
生徒たちは、びっくりするくらい麻雀に夢中になってくれています。主体的に学ぼうとする力もついてきました。皆いろいろな大会に出て好成績を収めていますし、松実高等学園への転入理由に健康麻雀部の存在を挙げてくれた生徒もいるほどです。何より嬉しいのは、人との会話が苦手だった生徒が麻雀を通じてそれができるようになることです。共通の話題があって話ができるという点で、麻雀にはとてもいい効果があるのだなと、改めて感じました。
2022年の創部当初は7人だった部員数も、今では25人ほどに増加。今年からは日本プロ麻雀協会所属のプロをコーチに迎え、恵まれた練習環境で部員たちが切磋琢磨しています。

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齊藤先生
麻雀は人生のようなものだと思うんです。配牌は運ですが、何を切るかは自分の選択次第です。その選択に責任を持つ、ということを子どもたちに教えることができるのは、本当に素晴らしいことだと思います。
齊藤先生はその熱い思いのもと、今では麻雀を選択授業にも取り入れ、部員以外の生徒にもその魅力を広めています。
「セガNET麻雀 MJ」とコラボレーション
今回の訪問では、セガサミーグループの株式会社セガが開発した麻雀アプリゲーム『セガNET麻雀 MJ』とのコラボも実施!選手たちによる麻雀指導が終わった後は、その『MJ』のプライベート戦機能を使い、醍醐選手、浅井選手と、じゃんけんで勝った部員2名が半荘戦(はんちゃんせん)※で対戦。試合の模様は他の部員たちもアプリを使った観戦モードで、5分遅れで視聴しました。
※麻雀で親が2巡するまでの勝負を行うこと




対局後は、牌譜検討機能を使って対局の振り返りと質問会を実施。醍醐選手や浅井選手がどのような思考で牌を選んでいったのか、そして対戦した部員へのアドバイスも含め、トッププロの思考に触れる貴重な機会に、部員たちも真剣に耳を傾けていました。


麻雀が新しい居場所を作った
(学園側とご本人に許可を得てお名前とお顔を掲載しております)
部員の皆さんにもお話を伺いました。
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佐藤さん(3年生・部長)
僕は卒業してから、麻雀のプロ試験を受けようと思っています。それくらい麻雀が好きになりました。醍醐選手、浅井選手共に「麻雀を極めたい」と仰っていたのが印象的でしたし、僕も麻雀を極め、将来は麻雀をもっと普及する活動をしていきたいです。
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黒崎さん(2年生)
私は『MJ』を使ってプロのお二人と実際に対戦しました。やはり強かったです!まだ始めて半年くらいですが、今では牌を握る時、どんな役を作ろうかなと考えるだけでワクワクします。頭の回転も早くなった気がして、どんどん好きになっています。


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森さん(1年生)
友達がやっているのを見ていたら部活に誘われました。いまはリーチが出るのが楽しいです。セガサミーフェニックスのお二人とも格好良くて、今日で推しになりました!

明るくインタビューに答えてくれた部員の皆さん。そんな皆さんにも、不登校になってしまう自身に苦しんできた過去があります。今では部長を務め、真面目な性格だという佐藤さんは中学校時代に不登校を経験。プロと対戦した2年生の黒崎さんは、初等部から松実高等学園で過ごしてきました。
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齊藤先生
麻雀を始める前はなかなか学校に来られなかった生徒もいた中、麻雀を通じて友達が増えて、今ではしっかり通えるようになりました。先日は他校の麻雀同好会から選手が遊びに来てくれましたが、きっかけを作ったのは大会の際、相手選手に声を掛けた森さんです。麻雀を始める前は、自分から話しかけることはできなかったのではないかと思います。麻雀卓が彼らの居場所となり、生徒たちが変わっていく様を、私は間近で見てきました。
堂々とインタビューに答える部員の皆さんの姿勢に、麻雀の持つ力の可能性を感じさせられます。そして、麻雀とセガサミーフェニックスの選手たちへのポジティブな感想も頂戴でき、彼らにとって非常に有意義な時間となった様子が伺えました。
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醍醐
皆さんMリーグを見てくれていて、対局のことにも触れてもらえたので励みになりました。教育目的で麻雀を取り入れている場というのはとても斬新で面白いですし、メディアなどを通じて松実高等学園の取り組みが広がっていけば、麻雀界をガラッと変えるようなことも実現できるのではないでしょうか。すごく意義があることだと感じました。チームとしては、今シーズンはメンバーが変わったタイミングではありますが、そうしたタイミングで優勝することで支えてきていただいているファンの方に安心してもらいたいですし、皆さんへ感動体験をお届けしていきたいです。
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浅井
若い世代がしっかり育っていて、さらに打ち方が上手な生徒も多かったので、麻雀界の未来は明るいと感じました。
麻雀って、一人じゃできないゲームなんです。なので、麻雀をやる過程でできた仲間や友達を大事にして、みんなで強くなっていってもらいたいです。僕も頼もしい仲間がいてチームの成績もいいので、この先の舞台でもしっかり勝って巻き返す姿勢をお見せして、感動を感じていただけるように頑張ります!

高校生の皆さんが麻雀を通じて自身をポジティブに変えていく様を見て、セガサミースポーツ取材班も心を打たれました。セガサミーフェニックス、ならびにセガサミーグループでは今後も麻雀や様々なスポーツ活動などを通じて、『感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~』というGroup Mission/Purpose を引き続き体現してまいります。
セガサミーホールディングスでは、スポーツコラムの情報などを発信する『SEGA SAMMY×SPORTS』のXアカウントを運用しています。
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