ニュースリリース
Stakelogic B.V.の買収に関するお知らせ
- IR
2024/07/26
Stakelogic B.V.の買収に関するお知らせ
当社は、当社グループ会社であるセガサミークリエイション株式会社(以下、「SSC社」)を通じて、オランダに本社を置くB2B iGaming コンテンツサプライヤー事業を展開するStakelogic B.V.(以下、「Stakelogic 社」)を買収(以下、「本買収」)することを2024年7月26日(日本時間)の当社取締役会及びSSC社取締役会にて決定し、同日にStakelogic社の株主と、SSC社の間で最終契約を締結する旨を合意しましたのでお知らせいたします。
なお、本買収完了のためには、各国・地域管轄における当局承認の取得及びその他一般的な前提条件を満たすことが必要となり、本買収の完了時期は2026年3月期第1四半期となると想定しております。
- 本件買収の背景・目的
(1)当社におけるゲーミング領域の位置付け
当社は、2024年5月に公表した中期計画において、ゲーミング事業の確立を目標に掲げております。ゲーミング事業では、韓国 パラダイスグループとの合弁事業であるParadise Cityを通じての統合型リゾート(IR)の開発・運営、SSC社を通じてのゲーミング機器・コンテンツ開発を展開しており、2023年11月には、特に今後拡大が見込まれる米国iGaming市場を中心としたオンラインゲーミング市場への進出を目標に、主に米国カジノオペレーター向けSaaS事業(B2Bプラットフォームの提供)及び欧州・南米向けB2Cオンラインゲーミング事業を展開する、GAN Limited(以下、「GAN社」)の買収を公表いたしました。
Stakelogic社は、当社がターゲットとしている市場であるiGamingコンテンツの開発を強みとしており、同社を買収することはGAN社の持つB2Bプラットフォームの競争力をさらに高め、当社ゲーミング事業の拡大に寄与すると判断しております。
(2)米国オンラインゲーミング事業を取り巻く市場環境
スポーツベッティング(リテールを含む)及びiGamingで構成される米国のオンラインゲーミング市場規模は2022年に約120億ドルを記録、2023年には約165億ドル、そして2027年には約271億ドルまで到達することが予想されています。うち、スポーツベッティング市場は2023年以降年平均成長率15%、iGaming市場は同11%で成長し、2027年にはそれぞれ約170億ドル、約101億ドルまで拡大することが期待されています(出典:MVB Bank“U.S. Online Gaming Report Spring 2023”)。
多くの州で合法化されているスポーツベッティング市場は、熾烈な競争が続く中で多額の顧客獲得コストが投入され、ユーザーのすそ野も広がり、多様なニーズも生まれるなど注目を集める市場です。一方、iGaming市場は、合法化州が未だ7州と限定的であるものの、全米各地でiGaming解禁に向けた議論が進んでいることから、合法化のタイミングに合わせて市場参入できれば有望な事業機会となる可能性があります。
(3)買収の狙い
Stakelogic社は、オランダを拠点とするB2B向けiGamingコンテンツプロバイダーで、オンラインゲーミングが規制化された市場で事業を展開し、17の地域で許認可を取得しています。
「スロットゲーム」に加え、ルーレット、ブラックジャック、バカラやライブゲームショー等をオンラインで遊ぶことができる「ライブテーブルゲーム」、「ハイブリッドゲーム」を開発、提供しております。
Stakelogic社の「ライブテーブルゲーム」は、クライアントごとに専用のテーブルを用意する従来の運用と一線を画した「クロマキースタジオ」が特徴です。複数のクライアントへ同時配信が可能なうえ、セットアップおよびスタジオ運営にかかるコストの大幅カットを実現しております。
また、「ハイブリッドゲーム」は、従来のスロットゲームとライブカジノテクノロジーを組み合わせたゲームで、これによりオペレーターは、ボーナスゲームもしくはジャックポッド当選時に、ライブゲームショー体験を提供することができます。この新しいゲームコンテンツはプレイヤーに新たな体験を提供し、エンゲージメントを高めることに成功しています。
同社は、これらのコンテンツ群を完全に社内で、スピーディかつ高品質で開発できる組織を構築しております。当社はStakelogic社が継続的に自主的な改革を行うことができ、新しく革新的なコンテンツを迅速に開発・リリースできる会社と認識しております。
同社は、2021年10月にiGamingに関する法整備がされた事を背景に成長し続けるオランダ市場において、トップシェアとなる売上高を獲得しており、クオリティの高いコンテンツを主要オペレーターに提供することで急速に事業規模を拡大しております。また、イギリスやイタリアといった欧州における主要市場においても、大手オペレーターを中心に、ユニークなハイブリッドゲームを提供する事でシェア拡大に向けて取り組んでおります。加えて、2024年からは、成長著しい北米市場への本格進出を開始し、既にロードアイランド州、ミシガン州、ペンシルバニア州でライセンスを取得しております。今後、ライセンス取得地域に向けて順次コンテンツ提供を進める事で事業規模の拡大を目指しております。
当社は、ターゲット市場と位置付けている北米iGaming市場への参入を実現するにあたり、SSC社を通じて米国にてB2Bプラットフォームを展開しているGAN社との買収契約を2023年11月に締結致しました。GAN社は、エンドユーザーデータを統合的に管理するプレーヤーアカウントマネジメントシステム(PAM)※1、そしてiGaming運営の核となるリモートゲーミングサーバー(RGS)※2を中核としたB2B事業向けのプロダクトとサービスの開発を通じて米国でのビジネスを成長させてきました。統合後、GAN社の強みであるB2Bプラットフォームに、Stakelogic社のユニークなゲーミングコンテンツが加わり、全てのサービスを網羅的に提供できるゲーミングサービスプロバイダーとなることで、GAN社単独での展開よりも成長スピードが加速し、さらに高い競争力を生むことになると考えております。
これらの卓越した技術及びゲーミングコンテンツに、北米ランドカジノオペレーターに向けて優良なゲーミングコンテンツ・機器を提供してきたSSC社の顧客ネットワークを掛け合わせることによるシナジー創出が期待されるなど、当社のゲーミング事業の拡大に大きく寄与すると判断したことから、本買収を進めることを決定しました。なお、SSC社が2024年1月に提供を開始したビデオスロットマシーン「Railroad Riches」は、米国ゲーミング調査会社Eilers & Krejcik Gaming, LLC発行のゲームパフォーマンスレポート※3のTop3に2タイトルがランクインするなど好評を博しており、多数のカジノオペレーターとの接点を強化しております。
※1 ユーザー、トランザクション履歴、ユーザーロイヤリティ等を包括して管理する機能
※2 カジノコンテンツを集約したサーバー
※3 Eilers & Krejcik Gaming, LLC発行の”U.S. & Canada Game Performance Report July 2024”における”Top Indexing NEW Games-Core, Video ランキング”
【Stakelogic社、GAN社、SSC社の事業領域の概念図】
- 本買収の方法
SSC社がStakelogic社の株式を100%取得することで、Stakelogic社をSSC社の完全子会社といたします。
- セガサミークリエイション株式会社の概要
(1) 名称 |
セガサミークリエイション株式会社 |
(2) 所在地 |
東京都品川区西品川一丁目1番1号 住友不動産大崎ガーデンタワー |
(3) 代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 亀田 直樹 |
(4) 事業内容 |
カジノ機器・ソフトウェア(オンライン及びソーシャルゲームを含む)の開発・製造・販売 |
(5) 資本金 |
10百万円 |
- Stakelogic社の概要(2024年6月末日現在)
(1) 名称 |
Stakelogic B.V. |
(2) 所在地 |
Dr Holtroplaan 9, 5652 XR Eindhoven, Netherland |
(3) 代表者の役職・氏名 |
CEO・Stephan van den Oetelaar |
(4) 事業内容 |
iGaming コンテンツサプライヤー事業 |
(5) 資本金 |
1.73ユーロ |
(6) 設立年月 |
2013年8月15日 |
(7) 大株主及び持分比率 |
Triple Bells B.V. |
58% |
|
ベンチャーキャピタル投資会社 |
42% |
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(8) 当社と当該会社との関係 |
資本関係 |
該当なし |
|
人的関係 |
該当なし |
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取引関係 |
該当なし |
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関連当事者への |
該当なし |
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(9) 当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態 |
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決算期 (単位:千ユーロ) |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
連結純資産 |
4,584 |
△5,217 |
10,654 |
連結総資産 |
14,408 |
25,294 |
31,886 |
連結売上高 |
9,334 |
12,218 |
28,958 |
連結営業利益 |
969 |
△12,215 |
△1,484 |
当期純利益 |
541 |
△9,368 |
△1,629 |
※上記連結経営成績及び連結財政状態の数字は未監査のものとなり、将来的に変更となる可能性があります。
- 取得の相手先の概要
相手先の強い意向により非開示とさせていただきますが、主にSPCと投資ファンドとなります。なお、当社と相手先との間の資本関係、人的関係、取引関係、関連当事者への該当状況については、すべて該当なしとなります。
- 取得株式割合、取得価額および取得前後の所有株式の状況(注 1)
(1) 異動前の所有株式の割合 |
発行済み株式数の0 % (議決権の所有割合:0%) |
(2) 取得価額 |
企業価値130百万ユーロに、今後 Stakelogic社の有利子負債や運転資本等に基づく調整等を行い、 最終的な譲渡価額を確定いたします。 |
(3) 異動後の所有株式の割合 (予定) |
発行済み株式数の100% (議決権の所有割合:100%) |
※アーンアウト方式を採用しており、株式譲渡契約に定める条件が達成された場合、上記取得価額に追加して対価が発生する可能性があります。
- 日程
(1) 当社取締役会決議日 |
2024年7月26日 |
(2) 契約締結日 |
2024年7月26日(予定) |
(3) 買収効力発効日 |
2026年3月期第1四半期(見込み) |
- 当社の業績への影響
本買収手続きが完了した後に当社の連結子会社となることから、本件が当社の2025年3月期通期連結業績に与える影響は軽微と思料しております。今後 、公表すべき事象が生じた際は、 速やかに開示いたします。
- 本件アドバイザー
本買収では、SMBC日興証券が当社の単独ファイナンシャルアドバイザーを務め、Greenberg Traurigが本買収におけるリーガルカウンセルを務めています。
Morgan Stanley & Co. International plcおよびPartis SolutionsがStakelogic社のファイナンシャルアドバイザーを務め、DeBreijが本買収におけるリーガルカウンセルを務めています。
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
以上