戦評・コラム
第79回JABA東京スポニチ大会 予選リーグ vs Honda熊本
2025.03.10 [Mon] 13:00VS Honda熊本
場所:神宮球場
決勝トーナメント進出の可能性が絶たれた中での試合ではあったが、主将の髙本康平は「いつもとやることは変わらない」と選手たちを鼓舞し試合に入った。
だがHonda熊本を相手に序盤から苦しい戦いが続いた。先発を任された新人の肥沼竣は初回のピンチこそ凌いだが、2回に先頭打者を四球で歩かせると、犠打と連打で先制を許した。さらに4回には2安打と四球でピンチを招くと降板。ここで登板した武冨陸が二塁打を打たれて2点を奪われた。
2点差を追い反撃したい打線は、相手先発の寺澤神の前に4回まで1安打に抑えられた。この嫌な流れを変えたのは、第1戦で決勝の逆転打を放った髙本だ。5回の先頭打者として打席に立つと、力強いスイングから放たれた痛烈な当たりは相手一塁手の前でイレギュラーし打球はライト線を点々。その間に二塁まで進みチャンスを作った。
ここで西田真二監督は髙本の代走に新人の宮浦柚基を起用。宮浦は続く福森秀太のピッチャーゴロで良いスタートを切り三塁へ進むと、中川智裕のレフトフライで生還。宮内の俊足が大いに生かされて、点差を2点に縮めた。
同点に追いつきたいセガサミーは6回と7回は武冨と田中法彦が無失点に抑えたが、打線はバント失敗や守備妨害、併殺打などで得点を奪うことができず。
すると8回には4番手の草海光貴が連打で4点目のダメ押し点を献上。8回裏に中川の打った瞬間に分かるレフトへの豪快ソロ本塁打で再び2点差にまで縮めるも、その後は代打・廣岡隆成と片岡大和の連打の後に打線が続かず。9回は三者凡退に倒れ2対4で敗れた。
大会を終え、中川も髙本も口にした課題は「できることを全員でしっかりやりきる」ということ。今大会ではバントや走塁の失敗、守備の細かなミスが目立ったこともあり、あらためて凡事徹底を目指していくことが求められそうだ。
一方で収穫も多々あり、特に新人5選手が公式戦を体感できたことは大きい。投手では好救援により公式戦初登板を初勝利で飾った長谷川優也、野手では前日2安打の加藤巧也がこの日も1安打と1犠打に好守と、大きな存在感を示した。
次の公式戦となる東京都春季企業大会初戦はすぐにやってくる(3月20日に大田スタジアムで9時から東京ガスと対戦)。この大会は都市対抗予選の前哨戦という意味合いにとどまらず、その組み合わせやシードにも関わる重要な試合となる。
残された時間はわずかだが上位進出を目指し、夏の大一番に向けて優位に進めたいところだ。
文・写真:高木 遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)





