戦評・コラム
第96回都市対抗野球大会 東京都二次予選 第4代表1回戦 vs CLUB REBASE
VS CLUB REBASE
場所:大田スタジアム
福森秀太が先発起用に応える先制打! 投手陣も完封で最後の1枠をかけてまず1勝
Hondaと明治安田に連敗し、都市対抗出場最後の枠をかけた第4代表決定トーナメントに回ったセガサミー。ここからは1敗でもすれば予選敗退が決まるプレッシャーのかかる状況だったが、4回の集中打と完封リレーでCLUB REBASEを相手に4対0で予選初勝利を収めた。
試合のリズムを作ったのは先発を任された2年目左腕の下薗咲也だ。「どんどん振ってくると思ったので、丁寧に投げようと思いました」と立ち上がりからストライク先行でテンポ良く投げていった。安打を打たれても単打にとどめ、その走者を牽制で2回刺すなど落ち着きを見せて3回無失点と好投。「捕手の須田さんに任せてテンポ良く投げられました」と振り返った。
これに打線が応えたのが4回。昨年までオールフロンティアでプレーしていた右腕・川上鳳之の140キロ台後半のストレートを中心とした投球に3回まで抑えられていたが、この回先頭の高島大輝が四球を選んで出塁。続く予選初先発の北川智也がライト前安打で繋いでチャンスを拡大した。
1死後、打席には同じく予選初先発の福森秀太。Honda戦で代打として安打を放ちスタメンを勝ち取った男は「昨日のミーティングで伝えられ、やってやろうという気持ちでした」と甘く入った球を見逃さずに、三塁線を抜ける力強い打球を放って二者が生還。先発起用に応える一打を放った。さらに2死後、片岡大和がセンター前安打を放って追加点を挙げると、神山福生の振り逃げの間に片岡が生還し、この回4点を奪った。福森が「僕、北川、片岡の同期3人でなんとかしようと話していました」という同学年トリオの活躍で、貴重な4点を奪った。
この回以降は得点を奪えなかったが、社会人強豪でのプレー経験のある選手も複数擁する相手打線を、下薗以降も武冨陸、草海光貴、田中法彦、長谷川優也、伊波友和と小刻みな継投し完封リレー。新人右腕の長谷川は初戦のHonda戦で1アウトも取れず5失点と都市対抗予選の洗礼を浴びたが、この日は「気持ちと体が整わない状況で前回は登板してしまったので、今回はしっかり準備をして登板しました」と振り返るように、150キロに迫るストレートを中心に押していき2回を無失点に抑えた。
西田真二監督は「喜んでいる場合じゃない」と勝って兜の緒を締めていたが、この勝利はチームに再び活力を与えたに違いない。「奇跡を起こすために、いかに自分を信じるか」とも西田監督が話したように、これまで積んできた鍛錬を信じ、逆襲をさらに続けていく。
文:高木 遊(株式会社スポーツオフィスタカギ)
写真:政川 慎治







